NC750S/X/INTEGRA(RC88/90/89) -since 2016-

2016年式NC750

売れてるからか二年でまたモデルチェンジしたNCシリーズのNC750S(RC88)とNC750X(RC90)。

基本的な構造は先代のままだけど見た目が大きく変わったからインパクトはありますね。

グローバルのコストパフォーマンスモデルなのにLEDを装着とは。もしかして時代は進んで今やハロゲンとあんまりコスト変わらないんだろうか。

LEDヘッドライト

リアのテールランプこれグロムと同じやつかと。LEDなら流用は歓迎ですね。

LEDテールライト

当然ですがLEDパーツ流用して見た目を新しくしただけじゃありませんよ。

このモデルで大きく進化した点は2つ。

1つ目の進化はデュアルベンディングバルブフロントフォーク。

フロントフォーク

これはSHOWAが開発した新しい構造のサス・・・というより減衰方式で、それまでのオリフィスの穴による抵抗から、多重構造バルブにすることでプログレッシブな減衰を可能にした新しいサスペンション。

フロントフォーク

ザックリ簡単に説明するとインナーチューブにあるフォークオイルの出入り口を変えるだけなので、従来形状のまま付けるだけというお手軽さが売り。そんなお手軽変更でもピッチングモーションが抑えられジェントルなワンクラス上のサスに。

既存のサスにも後付け出来るようなキットを売れば爆発的な人気が出る様な・・・売って欲しいですがSHOWAだし無理か。

そして2つ目はマフラー。

2016NC750Xアクセサリー

見て分かる通り形状がよりスタイリッシュになりましたが、進化したのはソコじゃありません中身です。

注目して欲しいのはエンド付近のパンチング孔とレゾネーター室。

muffler

パンチング孔はまだしも”レゾネーター室とはなんぞや”とお思いの人も多いでしょう。

レゾネーターというのは別名ヘルムホルツと言い、笛などにも使われている共鳴器の事。つまりこの構造にしたことで低周波域が強調されてる。つまり270度クランク(Vツイン)特有のパルス感が強調されるようになったという話。

先代の750が二軸バランサーも相まって非常にジェントルな特性になってたんだけど、今回は逆に強調させるようにキャラ立てしてきたわけです。

RC90

消音には人一倍うるさく、チェーンの音しか聞こえない事を正義の様に思ってるホンダがこんなことをしてくるとは少し意外ですね。騒音規制が国際基準化で少し緩和されたのも影響してるのかな。

ちなみにエンジンとフレームは変わってないので先代と互換性があり、ジェントルな先代にもパルス感溢れるこの代にもなれる模様。まあそれだけで現行ってわけには行きませんが。

他にはDCTも進化して3段階調節が付くように。

DCT

クラッチにも改良が加わっており更にスムーズにシフトチェンジフィールが改善。

あとはスクリーンの大型化(750X)とかかな。まあとにかく結構色んな改良が加わってて、まあその分お値段も五万円ほど上がってるのが痛い所ですがそれでも大型バイクとしてはかなり安い部類かと。

ウェイブキー

あとウェーブキーも採用。調べてみると最近ホンダ車はウェーブキーの採用を進めているみたいですね。耐久性、防犯性に優れる既存の鍵とは違うちょっと変わった鍵。

これに伴ってハンドルロックとキーシリンダーも強化タイプに変わったそうです。

キーシリンダー強化はありがたい話。ハンドルロックが壊れて解除出来なくなった経験をした事ある人は多いと思います(最近のバイクはそうでもないのかもしれないけど)

ところで本当はインテグラもフルモデルチェンジしててRC89となったんだけど、何故か日本では同時発売はされず。

2016インテグラ

TMAXもそうだったんですよね。やっぱり売れる市場を優先してるからだろうか。まあ日本ではこのクラスは無いに等しいしね・・・

最後に

ホンダがどうしてこんな異質なバイクを作ったかといえば当然ながら根拠があります。

ホンダが日米欧で調査をしたところ、普段使いのライダーの9割が日常では6000rpm以下で走行、最高速は140km以下という調査結果が出ました。

この調査結果を見て

「1割を捨て、9割を取った新しいバイクを作ろう。」

となったわけです。

加速性能

ご存知のようにホンダに限らずほとんどの大型バイクは9割の人間が使わない6000rpm以上の部分に多くのコストを割いています。何故なら馬力や速さというのは数字で表せる分かりやすいセールスポイントですし、作り手としても技術力を表す燃える部分だからです。

もちろんだからといって「そんな馬力あって何処で使うの」「無駄の極み」「盆栽バイク」と否定するのも違います。その1割の魅力はとても強く、魅了されている人が多いのが事実ですから。大型バイクの特権ですしね。

ただ、そんな1割の為に9割を捨てているバイクがあるなら、9割を取って1割を捨てたビッグバイクがあっても不思議ではないでしょう。 NCはそんな”1割を捨てた勇気あるバイク”です。

NC開発陣

ちなみに左から二番目がNCの生みの親である青木主査なんですが、実はこの人あのNSR250(88以降全て)を開発された方だったりします。

そんなホンダの開発陣いわくNCシリーズの魅力を一言で言い表すなら

NC750S壁紙

「普段使いの最高性能バイク」

との事です。

開発された方なだけあって本当なわかりやすい例えですね。

主要諸元
全長/幅/高 2230/845/1350mm
[2215/775/1130mm]
{2215/845/1320mm}
シート高 830mm<LD:800mm>
[790mm]
{800mm}
車軸距離 1535mm
[1525mm]
{1520mm}
車体重量 218kg(装)
[216kg(装)]
{X:231kg/S:221kg(装)}
燃料消費率 28.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 54ps/6250rpm
最高トルク 6.9kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル】
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格

668,000円(税別)
[619,000円(税別)]
※スペックはNC750X(RC90)
※[]内はNC750S(RC88)
※INTEGRA(RC89)は日本未発売
※ABSモデルは+2kg
※DCTモデルは+12kg
※{}内はABSとETC2.0を標準装備した18年モデル

系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

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