モーターショーにおける目玉の一つでもあるコンセプトモデル。
今回は過去に出展され反響があったものの市販化されなかったモデルをご紹介してみようと思います。
参照:東京モーターショーアーカイブ
~ホンダ編~
『ES21』
1993年に出展された水素燃料とモーターで動く水素燃焼のHVモデル。
フロントがダブルウィッシュボーンになってるのも特徴で水素やメタノールなど代替エネルギーが世界的に注目されていた時代背景がある。
『SUPER MONO』
1995年に出展されたビッグシングルスポーツ。
ドミネーター650の空冷RFVC4バルブエンジンをパイプフレームで囲いリアサスはエンジン下というホンダっぽくないバイク。
『FN-1』
1997年に出展されたCX500を彷彿とさせるモダンフォルムのロードスター。
縦置き狭角ツイストV4にフロントサスペンションが一本と独特な佇まい。
『BOSS CUB』
1999年に出展された水冷単気筒248ccのカブ。
大人が乗れるようにカブのデザインを崩さないまま上品にスケールアップさせた正にボス。
『X-WING』
同じく1999年に出展されたヨーロピアンツアラー。
トラコンやABSや電動スクリーンさらに前後乗員間通信システムなどを完備するも一番凄いのはV6エンジンである事。
『XAXIS(ザクシス)』
2001年に出展された新しい形のスーパースポーツの提案という前後片持ち式のコンセプトのVツインモデル。
リムマウントのディスクローターなど何処かビューエルっぽさを感じるのはアメリカホンダが造ったモデルだからかもしれない。
『EVO6』
2007年に出展された水平対向6気筒を積んだストリートファイター版ゴールドウィング。
こう見えてDN-01と同じHFTという油圧式の無段階変速を搭載したATだったりする。
『MOTOR COMPO』
2011年に出展されたバッテリー脱着式のEV原付。
見てるだけでもワクワク出来てベンチとしても使えるという名前の通りEV版モトコンポ。
~ヤマハ編~
『LANZA SuperBikers』
1997年に出展された2st版セローことLANZAをストリート仕様にしたモデル。
今でこそモタードだが当時は発祥であるレースの名前からスーパーバイカーズというジャンル名だった。
『Gen-Ryu』
2005年に出展されたハイパフォーマンスHVモーターサイクル。
YZF-R6のエンジンと高出力モーターを組み合わせCFアルミダイキャストフレームに収めたスーパースポーツクルーザー。
『Tesseract(テッセラクト)』
2007年に出展された水冷Vツインとモーターによるハイブリッド式マルチホイールビーグル。
独自のサスペンション構造でバイクらしいリーン旋回をしつつもロック機能で自立も可能にしている。
『LUXAIR(ラクシア)』
同じく2007年に出展された回生ブレーキ付きパラレルハイブリッドシステムのツアラー。
後輪駆動部にバッテリーを内蔵し押し歩きアシストやリバースなども行うほか楽器のヤマハとコラボしたオーディオシステムも備えている。
『XS-V1 Sakura』
これも同じく2007年に出展されたヤマハ初の4stバイクだったXS-1に和を融合したモデル。
現実味があるフォルムなのに加え反響も凄かったが何故か販売される事はなかった。
『XTW250 陸駆』
2011年に出展されたヘビーデューティー250。
前後にキャリア兼ガードを装備するだけでなく大容量タンクや脱着式LEDライトなどアウトドアで頼れるツールというコンセプトだった。
『Y125 MOEGI』
2011年に出展された現代風YA-1ともいえる125。
乗車経験を持たない人でも自転車と変わらず身近に感じられるよう親しみやすさを大事にしたモデル。
『Rezonator125(レゾネーター125)』
2015年の東京モーターショーで出展されたオーセンティックスポーツモデル。
管楽器に用いられるエングレービング技法で装飾された外装が特徴。
~スズキ編~
『FALCORUSTYCO(ファルコラスティコ)』
1985年に出展されたセンターハブ油圧ステアリングのコンセプトモデル。
いわゆるショーモデルという文化が始まったのはこのモデルからと言われるほど日本のみならず世界に衝撃を与えた。
『NUDA』
正直乗れたものじゃなかったファルコラスティコ(開発者談)の後継的な形で1987年に出展されたモデル。
ハンドブレーキにハンドシフトなど操作系はすべてハンドルに集められており現実味もあるモデルになっていたが市販化はされなかった。
『X-8』
1999年に出展された小型で折りたたみが可能な新しいタイプのコミューター。
なんとこれ家庭用のカセットボンベで動くガス燃料タイプ。
『G-STRIDER(ジーストライダー)』
2003年に出展された2気筒916ccとCVTを合わせたビッグスクーター。
ハブステアリングでローロングに決められた新感覚フォルムによる次世代型モーターサイクルとして提案された。
『STRATOSPHERE(ストラトスフィア)』
2005年に出展された直列六気筒エンジン1100ccのKATANAを彷彿とさせるモデル。
六気筒でありながらエンジン幅を四気筒サイズにまで抑えるなど極限までコンパクト化すると同時にオートシフターなど最新デバイスまで装備していた。
『Biplane(バイプレーン)』
2007年に出展されたバイクで走る喜びを具現化したモデル。
複葉機(主翼が二段になっている飛行機)をモチーフにしており安室奈美恵さんのMV(Break It)にも出演した。
『crosscage(クロスケージ)』
同じく2007年に出展されたクロスしているガードが特徴的な空冷式FCVバイク。
シンプルかつコンパクトでスポーツ性も取るというスズキらしい仕上がりになっているモデル。
『RECURSION(リカージョン)』
2013年に出展された車の方で流行っているダウンサイジングターボを取り入れたバイク。
中排気量の並列二気筒エンジンでコンパクトに纏めつつ低中域の厚みを増して街中での加速感と扱いやすさを実現。
『フィール フリー ゴー!』
2015年に出展された50ccのクロスバイク型原付。
クロスバイクと同様にハンドルグリップでのギアチェンジやサドルシートなどを採用した21世紀のパワーフリー号と呼べるモデルだった。
~カワサキ編~
『ZZR-X』
2003年に出展された究極のハイスピードツアラーを具現化したモデル。
ハブステアリングとシャフトドライブそれに脱着式パニアケースなど現代のZZRとはまた違う姿になっている
『J』
2013年に出展された三輪電動ビーグル。
スポーツ走行時はハンドルが下がり前傾姿勢(写真の状態)で市街地などではハンドル部分が伸びてアップライトなポジションになる。
※カワサキはモーターショーに出展しない事が昔は当たり前だったので少なくなっています。ご了承ください。
【最後に】
自身も振り返ってみて気づいたのですが近年は市販化を前提としたモデルの展示が多く、コンセプトを訴えかける狙いが第一にあるショーモデルをどのメーカーも出さなくなってきているようです。
スカスカじゃない素TW200に乗っていた当時は、XTW250にはホントに期待しましたよ。頼むヤマハ出してくれヤマハって。
でも「出すとは言ってませんが何か」ってな感じで見事にスルー。で、その後はセローだけ引っ張り続けて、今は見事にヤマハのこのジャンルは途絶しましたよね。
2007年の四輪のダイハツ マッドマスターも「必ず買うから出してくれ」と願っていましたが音沙汰無し。まあ、リーマンショック直撃という事もあったんでしょうが。
以来、このコンセプトモデルとやらには全く期待せず興味も無くしました(泣)。