「The spirit of GSX-R ready for street」
2017年に登場したスズキのGSX-S125/DL32B型。
・前後17インチ
・水冷DOHC単気筒15馬力エンジン
・新設計バックボーンフレーム
・六速ミッション
・ABS標準装備
・液晶デジタルメーター
などなど紛れもなくフルスペック125といえる形で鮮烈デビューを飾りました。
GSX-S125のこのパワフルなエンジンは製造国でもあるインドネシアでスポーツモデルとして売られ絶大な人気を得ているサトリアF150というモデルに使われているものがベースになります。
これに使われているエンジンをベースにストロークを7.6mm下げ、メッキシリンダー加工による耐摩耗性と耐熱性を向上させたものを搭載。
これにより上までキッチリ回る
『15馬力/12000rpm』
という125としては上限とも言える馬力を叩き出す事を達成。
ちなみになんで上限と言えるか補足すると、GSX-S125のメイン市場は日本と欧州になるんですが、欧州では125ccは15馬力が日本で言う原付免許の上限だから。
このようにエンジンは基本的に既製品を流用しコストを抑えたことで125としてトップパフォーマーを誇りつつも車体価格は約33万円と抑えた・・・だけじゃないのが凄いところ。
GSX-S125は実は15馬力エンジンに負けないくらい車体の方にコストが掛けられているんです。
まずなんと言ってもメインフレームで、GSX-S125(と一部の国向けの150)のためだけに開発された完全新設計のバックボーンタイプという骨格を持っているわけですが、フルサイズ125にも関わらず
・装備重量でわずか133kg
・ホイールベースが1300mmと極端に短い
という尖った要素を持つ事が可能となったのは紛れもなくこれのおかげ。
250など上のクラスと車体を共有するのではなく
「専用フレームをわざわざ新設計したから」
にあります。
これだけホイールベースが短いにも関わらずクイックさはそのままに17インチらしい素直な操安性を確保しているのも、そしてシートがかなり絞られ脚付きやポジションが悪くないのも全ては専用フレームありきで開発されたからという理由が大きい。
更にダメ押しとなるのが、クイックさと操安性を両立させるためダンロップと協力し専用タイヤ(D102)まで開発し、それを支えるリアサスペンションもこのクラスとしては非常に珍しくリンク式サスペンションを採用。
DOHCの15馬力エンジンに専用フレームで、リンク式モノサスで17インチにも関わらず133kgと相当軽い。
『お下がりじゃない17インチ125スポーツ』
と言える本当に文句のつけようが無い125。それでいて車体価格が35万円程度というのは流石スズキ。
初っ端にして全力、気合入れすぎとさえ言えるもので、どうしてここまでのモデルを用意したのかって話。アジアで需要が増しているレースを含む市販車スポーツ需要(あっちは主に150)に応えるためだろうと思っていたんですが、理由はそれだけではなく答えの一つは装備にありました。
GSX-S125はLEDヘッドライトはもちろん、メーターもフル液晶ディスプレイ。加えて立派なアンダーカウルまで標準装備されている。正直ここまでの装備は不要じゃないのかとさえ思えるんですが、何故そこまでしたのかというと
「俺はGSX-S125を買うんだ」
と言いながら開発していたメンバーが、車体設計を始め多く居たからという単純な話。※GSX-S完全ファイルより
主要諸元
全長/幅/高 | 2000/745/1035mm |
シート高 | 785mm |
車軸距離 | 1300mm |
車体重量 | 133kg(装) |
燃料消費率 | 44.7km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 11.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC単気筒 |
総排気量 | 124cc |
最高出力 | 15ps/10000rpm |
最高トルク | 1.1kg-m/8000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前90/80-17(46S) 後130/70-17(62S) |
バッテリー | FTZ5L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR8EDX-9S |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.5L 交換時1.3L フィルター交換時1.4L |
スプロケ | 前14|後45 |
チェーン | サイズ428|リンク122 |
車体価格 | 328,000円(税別) |