暴走族にもルーツがある

暴走族文化の確立

暴走族ってご存知かと思います。

80年代から90年代にピークを迎えたんですが、警察が撲滅に乗り出したおかげか今ではだいぶ見なくなりましたね。

というか最近では交通ルールを守る旧車會というのが基本だそうで・・・まあそんな事より皆さん暴走族っていうと

「反社会的なバイク集団」

というイメージがあるかと思いますが、そんな暴走族もスーパースポーツやトレールと同じ様にルーツはあります。

暴走行為

暴走族が誕生したとされるのは1970年代頃の事でそれまでは

『カミナリ族』

というのが一般的でした。暴走族の前身と言われているんですが趣向は少し違っていて、速さや爆音を満喫したり性能を自慢するのが主な集団。

暴走族というよりもルーレット族に近い形ですね。まあこれはこれで当時は社会問題になっていました。

カミナリ族

今でこそ笑えるマッハ乗りという車体の上で水平になる乗り方を大真面目にやっていたのもこの頃。

これは最高速アタックをするのに最も適した姿勢という事が世界中に広まっていたから。だから実はこういう乗り方が流行ったのは日本だけじゃなかったりします。

ではカミナリ族ではなく暴走族になるキッカケが何だったのかというと最初は1960年代後半。

当時の日本は

『一家に一台(乗用車)』

というモータリゼーションが起こっていた頃で都心は既に渋滞が日常茶飯事になっていたんですが、その事に一番困っていたのが報道機関を始めとしたメディアでした。

この頃はまだネットなどが無い時代なので現地取材で調達した写真や動画なども東京の本社まで直接運ぶしかなかったんですが、乗用車の普及による渋滞で迅速な調達が難しくなってしまったんですね・・・そこで目をつけられたのが渋滞に強いバイク。

プレスライダーの求人

『プレスライダー(エクスプレスライダー)』

といって取材をした記者やその現物を迅速に運ぶ現代でいう超特急バイク便みたいな職業が重宝されるようになった。

プレスライダーの特徴

・フロントには社旗

・すり抜けのためハンドルや肘を絞る

・飛ばすので風防装備(※既にイギリスでロケットカウルが誕生していたが当時の日本では不認可だった)

という暴走族に通ずる装備を備えているのが特徴。

もちろん事故はご法度だったんですがハッキリ言って道路交通法は無視に近い運転で、先にも言ったようにモータリゼーションによって事故が急増していた交通戦争時代を駆け抜けていた。

そんな姿を見た若者が憧れを懐き、スタイルを真似事をするようになったのが暴走族の始まりと言われています。

とは言うものの今ひとつピンときてない人も多いんじゃないでしょうか・・・何故なら族車らしい派手さが無いから。

族車

・ネイキッドベース

・チョッパーハンドル

・背もたれ付き三段シート

・突き上がったマフラー

・日章旗や旭日旗の外装や服装

というイメージを持たれる方が多いかと思いますが、明らかにプレスライダーからは少し外れているというか行き過ぎている感じがありますよね。

これは1970年に放送されたある映画の影響と言われています。

イージーライダー

『イージーライダー』

低予算の映画だったにも関わらず全米で大ヒットし、日本でも大反響を呼びアメリカンブームを巻き起こした自由を求めて宛のない旅をする超有名な映画。

アメリカ内で起こっていた若者間での社会への反発と現実を描いた一言で言うならば

「反体制映画」

と言えるものなんですが、その劇中で反体制として自由を謳歌する存在だったキャプテン・アメリカのバイクがこれ。

キャプテン・アメリカ号

FLをベースにチョッパースタイルにしたキャプテン・アメリカ号。

映画のヒットに伴いチョッパー(切った貼ったカスタム)という当時まだそこまで有名ではなかった文化を世界に知らしめることになったバイクなんですが・・・よく見てみると

暴走族カスタムのルーツ

そう、暴走族お決まりのスタイルに非常に酷似している。

暴走族のスタイル

つまり族車というのはプレスライダーという土台の上にイージーライダーによるチョッパースタイルが加わったのがルーツ。

確固たる証拠と呼べるものは無いのであくまでも説でしかないんですが、こうして1970年代半ばに確立したのが

『反社会を表現するスタイル』

であり

暴走族

それが集団化したのが

『暴走族』

というお話でした。

「暴走族にもルーツがある」への7件のフィードバック

  1. 人呼んで “走る承認欲求” 。
    今日も今日とて、「見てくだされ~!」って走り回ってんのかな。

  2. 結局同じような改造になって、個性もなにもない、アンイージーライダー。ファッションも行動もみんな仲良く団体行動。

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