ゴールドウイングは1975年に発売され、今となっては唯一無二の水平対向エンジンのグランドツアーとして2015年に40周年を迎えた偉大なバイクですね。
「貴族が乗るキング・オブ・バイク」のコンセプト通り常駐する市販車としては最高価格を誇り、ホンダの頂点にずっといる。(詳しくはGOLDWINGの系譜をどうぞ)
さて本題。
タイトルにもなっているようにそんな貴族バイクであるゴールドウイングの”意外な過去”とは何なのか?
警察仕様の白バイ黒バイがあったこと?
いえいえそんなことでは有りません。
時代は遡って1977年、つまり初代モデルGL1000で出で少し経った頃の話。
実はこの頃、ホンダはゴールドウイングの水平対向エンジンを流用したモデルを作って発売していたんです。
分かりますか?水平対向エンジンを積んだホンダのバイク・・・ちなみにワルキューレではないですよ。あれはずっと後の話。
恐らく誰も思いつかないと思います。
だってそんなバイクは有りませんから。(試すようなことしてすいません)
ゴールドウイングのエンジンを使って作ったモデルの正体はコレ。
ホンダ・アクティ(1977年~)
なんと軽自動車、というか軽トラだった。貴族のバイクのエンジンが軽トラに・・・。
ちなみにGL1000の水平対向四気筒エンジンをそのまま使っているわけじゃなくて簡単な話、真っ二つに切った並列二気筒の物。
真っ二つに切ったエンジンと言えばNC700シリーズが
「フィットのエンジンを真っ二つに切ったエンジン」
と言われてますが、あれはフィットのエンジン(ボア×ストローク)を参考にしたという話でフィットのエンジンを使ってるわけではないです。
ゴールドウイングの場合はシャフトドライブで構造も車のエンジンだったから流用しやすかったんでしょうね。(もしかしたら最初から共有化前提だったのかも)
だからアクティとGL1000(GL1100)でタイベルを始めとした共通部品が結構あったりします。
ということで
”ゴールドウイングのエンジンは軽トラにも積まれていた”
という意外な過去でした。
だからってゴールドウイングのオーナーに
「これ軽トラにも使われてるエンジンですよね!」
とか冗談でも言ってはダメですよ。
流石に今のアクティとゴールドウイングは全く違いますから。
オマケですが
80年代に入るとこのエンジン(EH型)は初代トゥデイにも載せられました。
today・・・
今トゥデイと言えば原付のこっちですよね。
ホンダにとっての最高級モデルのゴールドウイングと最廉価モデルのトゥデイ。
名前だけとはいえ対極に位置する二車の意外な接点ですね。