定期的に話題になったりする俗に言う姫ライダーという要素。
早い話が一人または数人の女性バイク乗りを中心としたコミュニティが出来上がることですね。
こういう環境が生まれるのはバイクに限った話ではないのですが、バイク界隈はこれが結構強い傾向にあるかと思います。
どうしてそうなるのか豆知識というより個人的な分析を(男性目線で)書いていきます。
2017年度二輪車市場動向調査(PDF)によると、バイクに乗るようになった動機について男性の場合は
「移動欲求を満たすため」
「非日常体験や成長のため」
など自己満足的な理由が多い。
しかし一方で女性(10~20代)の動機はというと
「特別視されたい」
という自己顕示的な理由が出てくる。
バイクを撮ってるのか自分を撮ってるのか分からない写真と共に『#バイク女子』とか『#女性ライダー』とかハッシュタグ付けてツイートしてたりする女性が見受けられる要因はここにある。
姫ライダーを嫌う男性ライダーが多いのはこの動機の違いを感じ取って無粋だと思っているからかと。
ただ補足しておくと女性全員の動機がこうではないという事も覚えておく必要がある。男性と同じように移動欲求だったり非日常だったりを楽しみたいからバイクに乗ってる女性も少なからずおり、特に30代以降にデビューした女性はその傾向が強いという調査結果が出ています。
そういう女性たちはそう思われるのを嫌って同性のみでコミュニティを作りエンジョイする傾向があるんだそう。
ここまで言っておいてアレですが交友関係を広げたい、特別視されたいという自己顕示的な思いからバイクに乗ることは別に咎められる様な事ではないかと。女性にモテると思ってバイク乗りになる男性だって少なからず居るわけですから。
そういう下心を一切持たずバイク乗りになった人はそうそう居ないと思うのですが、男性の場合は十中八九は上手く行かないですよね。
しかし一方で女性の方は上手く行ってるケースが多い気がする。この理由は何となく分かる人が多いかと思いますが性比(男女比)が極端だからです。
バイク人口の男女比は8:2と言われており圧倒的に男性が多い。250cc以上などの趣味バイクに限るともっと少ない。
この環境が何をもたらすのかというと
『性淘汰(同性間競争)』
という雄同士が雌を巡って戦うダーウィンでおなじみのアレが起こってしまうんですね。女性ライダーに対してアピール合戦やらプレゼント合戦やらになってしまい気が付けばハーレム化という話。
これを生物学では
「雌が雄を選別する性淘汰」
と言われています。
ちなみに性淘汰にはもう一つある。
「雄同士の競争」
という性淘汰。雄が目先の事で頭がイッパイになり後先を考えない攻撃的な性格になってしまう。
『姫が入った事でサークル崩壊』
っていうあるあるネタの理由はここにある。でもこうして生物学を当てはめると仕方ないといえなくもない。
余談ですがもしも逆、つまり男女比が逆の環境になっても殿ライダーとか王子ライダーは誕生しにくい。雄同士ほどの性淘汰競争が起こらないからです。
これは遺伝子を残す上での雄の役割と雌の役割を考えれば理由は自ずと分かるかと。雌同士が性淘汰競争をする生物はダチョウなど本当に極一部だけなんだそう。
「人間は男女関係なく早いもの勝ちの取り合いだろ」
と思って納得できない人は恐らく一夫一妻制という理性が頭にあるから。それは生物学ではなく社会学の視点。
いわゆる姫ライダーコミュニティの中ではモトブログや物販などビジネス規模にまでなってるところもありますよね。
もうそこまで行くと姫ライダーというよりバイクアイドルと言ったほうが正しいと思うんですが、そっち界隈が賑わっているのを見るたびに
「どうせならレースで頑張ってる女性レーサーのファンになってくれればいいのに」
と個人的に思ってしまう。レースって開催するのも参戦するのも凄くお金が掛かるからです。
どうしてこんな話をしたのかというと男性レーサーの方にも言える事なんですがSNS等を見ると(失礼ながら)バイクアイドルに比べて人気が無いからです。
凄い人達なのに一体この差の原因が何処にあるのか色々と読み漁ってみたところ
というこの原因に合致するであろう論文が見つかりました。
その内容を噛み砕いてバイク界に当てはめると、女性レーサーよりもバイクアイドルが人気なのは
「神ではなく人だから」
というのが理由。
これがどういう事かというと日本のアイドルのパフォーマンスというのは世界的に見ると未熟で海外の人たちが見ると驚くレベルなんだそう。
しかし日本ではそれでいい。
「日本のアイドルに求められるものはパフォーマンスじゃないから」
です。
日本では
・歌やダンスが上手い
・かっこいい
・夢を与えてくれる
などの一見するとアイドルにとって重要な要素は求められず
・トークが下手
・かわいい
・欠けている
など人間味溢れる未熟なアイドルが求められる。何故ならその未熟さが磨き上げられていく過程
「自分が支え育てる喜び、成長を観察できる喜び」
をアイドルが好きな人は得たいと思ってるから。
選抜制度があるAKBやジュニア制度があるジャニーズなどがその典型で、これは芸者/舞妓など日本の伝統である”下積み”から来ているとの事。
これがバイク界で活躍しているレーサーたちにも当て嵌まる。
レーサーはサーキットというステージ上でバイクを巧みに操り輝く存在。
こういう人たちはかっこいい人とは言えるけど、かわいい未熟な人とは言えないですよね。そういう人の成長を見届けたい、アドバイスして育てたいと思える人なんてそうそう居ない。
一方でバイクアイドルと呼ばれる人は公道をステージに、コケたり、覚束ない運転を始めとした言動などバイク乗りなら誰もが知る部分に未熟さが見て取れる存在。
比較的容易にアドバイスが出来るし、実際そういうアドバイスをしている人も多々いる。
そうやって成長させたり、それを観察したり出来る喜びを容易に得られるから人気が出るという話。
以上が女性ライダーに関する豆知識というか考察でした。