唐突ですが貴方はガソリンが何色か答えられますか?
「透明だ!」「黄金色だ!」
と期待通りの答えを示してくれる人がどれだけいるか分かりませんが違います。
まあガソリンタンクは光が当たらない(当たらないように出来てる)ので、暗くて見えませんから知らないのが普通なんですが。
さてもう既に引っ張るのが苦しいので諦めて答えを言ってしまうとガソリン(ハイオク含む)はこんな色をしています。
パッと見はグレープフルーツジュースの様な色。
どのメーカーも濃さに多少の違い(もっと赤かったり淡かったり)はあるものの、大体こういう色をしてます。
実物を撮って
「こんな色だよ」
とやりたいのは山々なんですが、法律で禁じられているので申し訳ないですが似た色の液体写真を加工して表してます。
コレは自然に出来た色ではなく着色による人工的な色。というのも”ガソリンはオレンジ色”というのがJIS規格(K2202-2012)で定められてます。
なんでそうなってるのかといえば、ガソリンは引火&気化しやすいという非常に危険な液体だからひと目でガソリンと分かるようにするため。ガソリンはマイナス40℃でも気化&爆発するほど危険なんです。
こんなマーク付けてるの見たことあると思います。危ないの文字は伊達じゃない。
もう一つ挙げるとするなら混油防止の意味もある。軽油と間違えない様に色分けされてるんですね。ただ量と光の問題なのかどのメーカーもオレンジ色というよりは最初に載せた様な色に見えます。
じゃあその軽油はどんな色をしてるかといえば
こんな色(薄黄色)、つまり多くの人がガソリンだと思ってる色はどちらかと言えば軽油の色の方が近いわけです。
ちなみに無色透明なのは危険性の比較的低い灯油だけ。重油は着色する必要もないくらい真っ黒。
さらに言うと、ガソリンと軽油の違いは色だけでなく気化が早いかどうかで判断できるけど、灯油と軽油の区別は色で判断というか色しか判断材料がありません。
しかしこの色が重要で、いわゆる不正軽油(軽油に灯油や重油を混ぜて走る脱税行為)検査は専用の分析器にかけるわけですが、色で(ある程度)判別できたりもするわけです。重油を混ぜると真っ黒、灯油を混ぜると透明になる。まあ悪質な所は色をカモフラージュしてたりするんでしょうが。
最後にオマケとしてAVGASとよばれる同じピストンエンジンでも航空機用のガソリン。
それはこんな色をしてます。
綺麗な青色(100LL規格)です。
※タービンエンジンを積んだ航空機用のガソリン(JET A-1/JP-4)は無色透明
ここまで来ても「ヘー」とも「ふーん」とも思わない強者の為にとっておきの豆知識を。
エネゴリくんは実は異星人です。