
スカブの愛称で親しまれてるスカイウェイブの初代モデルに当たるCJ41A。
初代マジェスティにより端を発した第一次ビッグスクーターブームでホンダフォーサイトに続きデビュー。これで今も続く三社の三つ巴状態に突入。
スカブはホンダやヤマハといった規模の大きいところに対して遅れて登場したにも関わらず負けず劣らずなヒットを飛ばしました。
これは
「もう少し走行性能が良ければ完璧なんだけど」
っていうユーザーの声を見事に突いたから。
スズキはこのスカブの為だけにエンジンを新造。クラス唯一の4バルブエンジンでクラストップの23馬力をマークしてる。タイヤもライバルメーカーより大きい13インチ。スクーターでも走行性能にこだわる所がスズキらしいね。
もちろんA3アタッシュケースが収納可能な大型他トランク、いたずら防止のシャッター付きメインキー、足つき向上のためのフロアボードなどなど。装備や収納性といったビッグスクーターにおける大事な要素もキッチリ抑えててライバルをよく研究した作りをしてる。

最初に発売されたのがtype1で、一ヶ月遅れでタンデムバックレスト、パーキングブレーキ、メッキミラーを標準装備したtype2が発売。
細かい変更点をいうと翌99年には排ガス規制への対応でスロットルポジションセンサーの追加とバッテリーが8Ahに容量アップ。一応これがCJ41A後期になるのかな。

次のCJ42A型はシートの見直しでメットインスペースの拡大と足付き改善、パーキングブレーキの改良、コンビネーションランプなどの熟成を図ったモデル。
そして写真を見てもらうと分かる通りこのモデルからカワサキへのOEM(カワサキ名エプシロン250)が始まりました。
スズキからはこのスカブ250とアヴェニス125とDR-Z125が出され、カワサキからはバリオス2とD-TRACKER、KX65が出されることに。

なんでそんなことをする必要があるのか分からない人に簡単に説明すると、需要があるからといって新しく作るより他所から引っ張って来たほうが安上がりな上にリスクも無いからですね。更に工業製品というのは大量に作れば大量に作るほどコストが下がるので出す側にもメリットがあるわけです。スズキなんかは車の方でも積極的にOEM供給やってるので有名かな。

まさにWin-Winのような話ですが勿論デメリットもあります。(写真はエプシロン150)
まず否が応でもシェアが下がります。更に問題なのは販売店の方でスズキワールドやカワサキプラザなどのメーカー専門店などからしてみると敵に塩を送る様なものなので歓迎されません。他にもブランド力の低下にも繋がりますね。
話をスカブに戻しましょう。
最後にスズキがこの初代スカブでやったちょっと面白い遊び心をご紹介。その遊び心はシート下にあります。

シート下にキャブレターのスペースを確保するために少し盛り上がってる部分があるんですが、ただ盛り上げるだけでなく耳や鼻を付けてカエルやクマのマークにあしらうという遊びっぷり。
こういう遊び心いいですよね。
主要諸元
| 全長/幅/高 | 2260/765/1365mm | 
| シート高 | 695mm | 
| 車軸距離 | 1590mm | 
| 車体重量 | 162kg(乾) | 
| 燃料消費率 | 39.0km/L ※定地走行テスト値 | 
| 燃料容量 | 13.0L | 
| エンジン | 水冷4サイクルOHC単気筒 | 
| 総排気量 | 249cc | 
| 最高出力 | 23ps/7000rpm | 
| 最高トルク | 2.5kg-m/6000rpm | 
| 変速機 | Vベルト | 
| タイヤサイズ | 前110/90-13(55P) 後130/70-13(57P) | 
| バッテリー | YTX9-BS | 
| プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 | CR8E | 
| 推奨オイル | スズキ純正 エクスター | 
| オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに | 全容量2.3L 交換時1.9L フィルター交換時2.0L | 
| Vベルト | 27601-14F11 | 
| 車体価格 | 549,000円(税別) ※スペックは00以降モデル(CJ42A) | 
 
	



