「FREE RIDE PLAY BIKE」
一度生産終了を迎えつつも復活した2018年型からの実質Sモデルのみとなった三代目TRICKER/B8C型。
主な変更点は
・排ガスを監視するO2センサー
・蒸発ガソリンを防ぐキャニスター
・エアインダクションの廃止
など排ガス規制に対応したもの。
聞き慣れないであろうキャニスターというものを少し説明すると、これは車体から漏れ出てくる蒸発ガス対策のもの。
ガソリンスタンドとかで臭ってくるあれと同じでガソリンベーパーとかとも言われていますね。
仲間であるセローやSR400にも付くようになったこの箱がキャニスターといって中には脱臭炭・・・じゃなくて活性炭が入っています。
早い話が排ガス規制(正確にはエバポ規制)に対応するために蒸発ガスを大気放出するのではなくキャニスターに一時的に吸わせることで漏れを抑えているという話。
ちなみにエンジン始動の有無にかかわらず働く装置なので、トランポや屋内に置いても臭くなりにくい・・・ハズ。
ただずっと乗らないと破過といって容量オーバーで大気放出するようになります。乗れば戻りますが。
エアクリーナーからバイパスさせてエキゾースト内で漏れ出た燃料を再燃焼させるエアインダクションが廃止されたのはこれのおかげで漏れ出るガスが減った事が要因かと。
ただそんな事より目につくのがカタログスペック。
ガスケットの変更により圧縮比が0.2上げられた事で2馬力UP。更にはトルクも0.1kgf-m上がってピーク回転数が500rpm低くなっている。
つまり更に振り回せる様になったというこの上ない改良が行われているわけです。
さて・・・繰り返しになりますがトリッカーというバイクは若者にバイクを振り回して遊ぶ事の楽しさを伝える為に生まれたバイク。
しかしじゃあトリッカーは若者限定バイクなのかと実はそうでもない。
というのもトリッカーの生みの親で自身も乗って遊んでいる近藤PLいわくトリッカーには裏コンセプトというか参考モデルがありました。
「振り回して楽しいバイク」
という企画を見て近藤PLはあるバイクを思い出し
「”アレ”を造ればいいじゃん」
と、昔のヤマハ車を思い出しトリッカーを造った・・・そのモデルとなった”アレ”とは何か。
「外装で復刻したTY250だろ」
とトリッカーマニアやトレールマニアなら思うでしょう・・・が、残念ながら違います。
正解はこれ。
そう『ミニトレ』です。
知らない人の為に補足するとミニトレというのは一大トレールブームを巻き起こした250DT1の原付版として70年代に登場したFT50やGT50の事。
ミニトレールということからミニトレという相性で多くの若者に支持され、また多くの若者をトレールの世界へ誘いました。
何を隠そうプロジェクトリーダーの近藤さんもその一人。
「自分がミニトレに出会って夢中で走り回った楽しさを、ずっと走り続けたいと思った感動をもう一度」
という秘めたる思いが込められているんです。
つまりトリッカーというのは現代のミニトレとも言えるバイクなんですよ。
主要諸元
全長/幅/高 | 1980/800/1145mm |
シート高 | 790mm |
車軸距離 | 1330mm |
車体重量 | 127kg(装) |
燃料消費率 | 38.7km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 6.0L |
エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 20ps/7500rpm |
最高トルク | 2.1kg-m/6,000rpm |
変速機 | 常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ | 前80/100-19(49P) 後120/90-16(63P) |
バッテリー | TYZ7S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DR7EA |
推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.4L 交換時1.2L フィルター交換時1.3L |
スプロケ | 前15|リア45 |
チェーン | サイズ428|リンク124 |
車体価格 | 433,000円(税別) |
【関連車種】
CRF250RALLY/L/Mの系譜|SEROWの系譜|KLX250/D-TRACER Xの系譜|スモールDUKEの系譜