ズズッとときは流れて2008年。
今ではお馴染みの690DUKEの初代が誕生しました。620から数えて三代目だからDUKE3。この頃KTMはアメリカのポラリスという会社と提携しています。日本でポラリスって聞いてもピンと来ない人が多いでしょう。
ポラリスインダストリーズはアメリカの企業で元々はスノーモービルなどのメーカーでした。
ところが2000年代後半にRZRというヤマハっぽい名前の四輪バギーを開発しこれが空前絶後の大ヒット。
そんじょそこらの大ヒットとは比べ物にならないほどの大ヒットで、あっという間にパワースポーツ車両(=バイク、スノーモービル、オフロード車などの総称)部門においてヤマハ・スズキ・カワサキ、果てはホンダまで抜いて世界一となりました。
バイク部門ではクルーザーいわゆるアメリカンの生みの親であるインディアンを買収し、更にはヴィクトリーモーターサイクルという自社ブランドも展開。
アメリカで非常に高い評価を得ている今一番勢いのあるメーカーです。
話がソレましたね。
しかしKTMがまさかクルーザー作ってるメーカーと手を結ぶというのは意外ですね。まあ本業のATVは同じオフロードだから良いのかもしれませんが。ちなみにこの提携は試験的なものでわずか二年ほどですけどね。
その後KTMは2016年現在インドのバジャージ・オートと提携しています。スモールデュークが生まれたのはその影響です。>スモールデュークの系譜
話が戻ってない。
新しく生まれ変わった690DUKEですが、久しぶりのフルモデルチェンジということでほぼ変わっていますが、一番はLC4エンジンを新しく設計しなおしたということ。
ああ、トラスフレームもこの代からですね・・・チューブラーフレームって言ったほうがいいのかな。
「とにかく軽く」
というモットーはこの新DUKEでも同じで、このフレームなんと重さが9kgしかありません。乾燥重量で148kg・・・凄い。
しかしやっぱり一番はエンジン。
66馬力を発揮するようになった新型LC4はセントラルバランサーシャフトを採用してるのが特徴。
でもそれより感動なのがシリンダーヘッドカバーですよ。
ヘッドカバーが斜めに組み付けられてるのが分かりますか?
これはバルブクリアランス調整などを容易にできるにようにとのKTMの計らいというかKTMのLC4に対する本気度の現れ。
正にREADY TO RACEです。
しかしDUKEに限った話で言うと新しくなった690はそれまでのDUKEより更にモタードからネイキッド寄りになりました。
これは長距離も熟せるようにするためとの事。
でも実は690といいつつ排気量は653ccだったり・・・理由ですか?KTMが90という数字が好きだからです。
そんな中で2011年に足回りとフレームを強化したDUKE Rが登場したんですが、このモデルでストロークが伸ばされ排気量が表記通り690cになりました。
Bremboのラジアルモノブロックキャリパーやカーボン製マットガード、R(ファクトリー)の証であり同じように見えて実は剛性が全然違うオレンジフレームなどなど。
でもそんな豪華装備に目が行きがちだけどDUKEの面白いところは必ずしもRが上位互換というわけではないということ。剛性と足の硬さの違いが明確て、ヨレて乗り手を楽しませるDUKEと、カッチリキビキビなRといった感じ。
でもどうせ買うならRがいい・・・って考えちゃうのは消費者のSAGAってやつですね。まあお買い得ですし。
エンジン:水冷4サイクルSOHC単気筒
排気量:653cc
最高出力:
65ps/7500rpm
最大トルク:
6.6kg-m/6550rpm
車両重量:148kg(乾)