バイクトリビア

バイクの排気音がうるさいと言われる原因

バイクの排気音

車もそうですがアクセルを開けるとブンブンと排気音がしますね。そしてその音がたまらないと思う人が居る一方で、うるさいと思う人も居る。

意外と知らない人が多いんですがバイクの騒音規制というのはつい最近までクルマより厳しいものでした。にも関わらずウルサイとよく言われるのは基本的にバイク。

「何故バイクばかりが言われるのか」

と疑問に思う方も多いと思います。そこで今回はその答えについて書いていきます。

 

【1.連想するかしないか】

『オートバイの排気音に対するライダーと非ライダーの意識の違い』

という研究論文でバイクに乗る人と乗らない人を集めバイクの排気音を聞かせてどんな音だったか例えてもらったところ

「バイク乗りと非バイク乗りの間で大きな差は無い」

という事が分かった。どう聞こえているかは同じだったわけです。

当たり前な話でもあるんですが、しかし一方でバイク乗りが良いと感じる音を非バイク乗りはうるさい音だと感じるパターンが多かった。

この原因は

「音だけで判断するか否か」

という違いがあったから。

 

バイク乗りがなぜ排気音を良い音だと捉えるのかというとバイクの楽しさを連想するから。

音から連想する

図太い低音を聞くとバイクのパワーを、甲高い高音を聞くと駆け抜ける爽快感を連想し高揚する。だから良い音だと感じる。

しかしバイクに乗らない人はそれらを連想する思い出や経験が無いから音だけで判断する。

音から連想する

だからウルサイとしか思わない。両者を分ける大きな要素はここにある。

「知らない曲は雑音でしかない」

という例えがあったりすると思うんですが、それはバイクの排気音でも同じという事。

連想させる

ましてバイクに乗る人間はクルマに比べて少数だからそれだけバイクが言われるというのが一つ。

 

【2.社外マフラーと逆輸入車や外車の存在】

バイクは嗜好性の高い乗り物でマフラーもスリップオンならボルトを数本外すだけという手軽さからオシャレを兼ねて交換をする人が非常に多い。

社外マフラーにすると当然ながらうるさくなるわけです・・・が、そう言われてこう思ってる人も居るかと思います。

「俺はJMCAの合法マフラーだから大丈夫」

と・・・でも実は胸を張ってそう言えるのは2010年(平成22年)4月移行のモデルに乗ってるバイク乗りだけなんです。

というのもそれまでJMCAの基準が

『近接排気騒音規制』

だけだったから。

近接排気騒音

近接排気騒音というのはニュートラルの状態でマフラーの0.5m後方45°の所にマイクを置き

・最高出力時の75%の回転数

・最高出力時の回転数が5,000回転を超える場合は、最高出力時の回転数の50%

で騒音を基準値内に収めないと売れませんよという話。

これを守っているのが合法マフラーことJMCAマフラーなんですが、一方でメーカーが国内販売するために取る型式認証の場合に課せられている騒音規制である

加速走行騒音

『加速走行騒音規制(50kmで一定区間を走った際の騒音)』

はずっと適応されていなかった。

これ何が問題なのかというと近接排気騒音よりも加速走行騒音の方が圧倒的に規制値が厳しいという事。

 

2002年からの騒音規制値
近接排気騒音:94db
加速走行騒音:73db
(251cc~)

 

明らかに加速走行騒音のほうが厳しいのが分かると思います。だからメーカーは加速走行騒音を規制値内に収める事に重点をおいていた。加速走行騒音をクリア出来れば近接排気騒音は問題にならないからです。

結果何が起こったか・・・分かりますよね。社外マフラーは94dbの近接排気騒音だけクリアすればいい状態だったから、実際(加速走行騒音)はかなりオーバーしていたんです。そしてその状態で走る人が多かったから気持ちの問題ではなく本当にうるさかったという話。

ちなみに

逆輸入車

「俺は純正マフラーだから大丈夫だ」

と思ってる人、それ逆輸入車や外車ではないでしょうか。

というのも逆輸入車や外車も測定されるのは(車検と同じ様に)近接排気騒音だけ・・・つまり社外マフラーと同じような扱いだったんです。

ただし過去形な事からも分かる通り現在(平成22年4月移行)では社外マフラーにも逆輸入車にも外車にも加速騒音が適用されるようになっています。

最近のJMCAマフラーを付けた事がある人ならおわかりと思いますが純正と大差ない静かさだったりします。

 

【3.構造上の問題】

バイクはクルマと違って各部が剥き出しになっているため囲う事ができず

「音を周囲に放射してしまう」

という構造上の問題があります。早い話が音を全方位に撒き散らしてしまうという事ですね。

 

そしてもう一つが

「エンジンの回転数が比較的高い」

という問題。

どういう事か音響学を学んでる人に怒られそうなくらいザックリ説明します。

排気サウンド

我々が思う排気音というのはエンジンの排気(振動)が音源で、排気の間隔つまり時間あたりの回転数や気筒数が少ないほど周波数(音の高さ)が低くなり、反対に多くなるほど高くなる。

これの求め方は

『回転数*気筒数/2/60』

という感じで4st単気筒の6000rpmなら

『6000*1/2/60=50』

一秒間に50回振動する50Hzの音が出ていると分かる。これが四気筒になると2回転で4回の燃焼をするので*4で200ヘルツになるから同じ回転数でも音が高く感じるという話。

高回転エンジン

例に上げた6000rpmですが、これはクルマでいえばレッドゾーン近辺にあるモデルが大半かと思います。そしてそこまでガンガン回しながら走ってる人はそうそう居ない。

しかし一方でバイクにおける6000rpmというのは決して高い回転数じゃないどころか常用域なモデルが大半。

しかし多くの人はそんな甲高い高周波の排気音を聞き慣れていないし、バイクに思い入れなんて無いから(特に4kHz~16kHz付近を)不快この上なく感じるからうるさいと言われるという話。

 

この3点がバイクがうるさいと世間様から言われる代表的な要因です・・・なんだか夢も希望も無い豆知識になってしまったので次は夢のある排気の話を書こうと思います。

 

 

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