「美しさの中に宿る、鼓動。」
GLADIUS400も先代同様SFV650(GLADIUS650)の兄弟モデルとして登場。名前の由来はファミコンのグラディウスではなく古代ローマの短剣グラディウスから。
これぞスズキと言わんばかりの流麗を通り越して粘りが出たような凄いデザイン。
ピボット&シートフレームと重なる後半分部分からシートフレームまでカバーが掛かったオシャレなトラスフレームに、一枚物の剣と思しきステップのヒールガード、更にその流れを止めないマフラー。
他にもSFV650 GLADIUS(VP55A)の系譜で書いた通りクランクケースカバーのロゴの向きやボルトレイアウトまで考えられている非常にこだわりが感じ取れるデザイン。
ちなみに日本車離れしたデザインである事からも分かる通りGLADIUSは欧州(独や仏)をメインターゲットにしたもの。
しかしコレが意外なことに日本の女性にもウケたようで、広報の方いわく購入者の三割は女性だったそう。
スズキとしては貴重な女性ウケの良いバイクだったんですね。
そう考えると生産終了は勿体無い気が・・・
そんなGLADIUS400ですが少し深読みすると
「SV400の教訓が本当に生きてるな」
と感じます。
というのも『53馬力/4.2kg-m』と先代SV400並の侮れないパワーは相変わらず持ち合わせているんですが、それが嘘のようにジェントル。
良くも悪くもVツインであることを忘れるくらいスムーズなんです。
これは厳しくなった騒音規制が要因なんですが、それを逆手に取った面も強いかと。
日本ではヒュイーンというモーターの様に回る直四フィーリングを好む人が多く、ドコドコという不等間隔のパルス感を嫌う人が400でも多いという事がSV400でわかった。
GLADIUS400がいわゆるVツイン感を大きく抑えてあるのはそこを打開するため。
だから正直に言うといわゆるVツイン好きがGLADIUS400に乗ってもピンと来ない人が多いと思います。
ただ逆にVツインに興味が無い人やVツインがあまり好きじゃない人が乗ると
「意外とスムーズだな」
と絶対に思う・・・GLADIUS400の狙いはソコ。
Vツインの魅力というと
『パルス感・鼓動感』
といった強い味がよく上げられますが本当はそれだけでなく
『寝かし込みの軽さやトラクション感』
といった分かり辛いけど確かに感じる味もあり、その味を伝えるために強い味であるパルス感や鼓動感を抑えてる面がある。
『グラディウスキャラバン』
と称し全国津々浦々グラディウスの試乗会をスズキ主催のニューモデル試乗会とは別に開いて回ったのもそれを知って欲しかったからでしょう。
つまりGLADIUS400は従来のVツイン層ではなく、SV400で振り向いてくれなかったアンチVツイン層に向けている面が強いVツインスポーツ。
グラディウスキャラバンは既に全日程を終えているのでGLADIUS400に試乗する機会はあまり無いかもしれませんが、もし機会があったらVツインを食わず嫌いしている人ほど率先して乗ってみることです。
「意外とスムーズだな」
と思ってしまうこと間違いなし。
主要諸元
全長/幅/高 | 2130/760/1090mm |
シート高 | 785mm |
車軸距離 | 1430mm [1415mm] |
車体重量 | 206kg(装) |
燃料消費率 | 40.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 14.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 399cc |
最高出力 | 55ps/11000rpm |
最高トルク | 4.1kg-m/8500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後160/60ZR17(69W) |
バッテリー | YT12A-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EIA-9 または IU24D |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.4L フィルター交換時2.75L |
スプロケ | 前15|後44 |
チェーン | サイズ520|リンク112 |
車体価格 | 770,000円(税別) |