「It All Comes Down to Fun」
SVの後継といっていいのか、違う派生車と言ったほうがいいのか微妙な立ち位置にいるSFV650 GLADIUS/VP55A型。
ここまで気合の入ったトラスフレームは海外勢を入れても無いのではなかろうか。
デザインに強弱が付いてるトラスフレームでステップやマフラーまで流れを止めず流してるデザイン。
そしてクランクケースにも一工夫されているんですが分かりますか。
車名や造形を敢えて斜めにし、ボルトも奥に追いやるという非常に凝った形状。
『エレガント&スポーティ』
と言うだけあってデザインにお金を掛けてる意欲的な造り。
ちなみにこれはドイツやフランスがメインターゲットなんだそう。
ただこれは『エレガント&スポーティ』のエレガント部。スポーティの方も手抜きなし。
SDTV(デュアルスロットルバルブ)化。そしてSVシリーズでは初となるメッキシリンダーで馬力が更に上がって72馬力になりました。
要するにSVよりもルックスを磨き、よりVツイン感を味わえるようにエンジンも手が加えられるのがグラディウスなんです。
しかし残念なことに国内外問わず思った程の評価は得られませんでした・・・その最もたる理由は車体価格。
イギリスで表すとSV650が£4999(ポンド)だったのに対してSFV650は£5499と10万円弱も高かった。
これはグラディウスがお金を掛けたから当たり前な話なんですが、SV650のコストパフォーマンスが良すぎた事が仇となってしまったわけですね。
「SVは間違った方向に進んでしまった」
と人気だった欧州でも言われる始末。
しかしコレも難しいんですよね。
確かにSV650はロングセラー車でしたが、いくら人気の車種といえど10年以上売ってれば当たり前ですが晩年は販売台数も落ち込みライバル車にリードを許す展開となっていました。
欧州においてSV650の弱点、SVを選ばない理由は
「安っぽい(実際安いんだけど)」
とか
「腐るほど見るから」
という理由。
つまりグラディウスはそんな声に応える為に生まれた豪華絢爛版SV650なわけですけど、そんなグラディウスを見て
「グラディウスは割高」とか「こんなのSVじゃない」
とか言われたらどうしようも無いですよね。
「じゃあSV買ってよ・・・」
って話ですよスズキからしたら。
これは国内でも言えることで、グラディウス400で検索してみると
「SVベースで80万超えは高すぎる」
という意見が多い。
コスパのSVを安っぽいとして選択肢から外す人たちの為にグラディウスを作ったら、今度はコスパが悪いとして選択肢から外された。
スズキは少しくらい怒ってもいいかもしれない。
主要諸元
全長/幅/高 | 2130/760/1090mm |
シート高 | 785mm |
車軸距離 | 1445mm |
車体重量 | 202kg(装) [205kg(装)] |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 14.5L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 645cc |
最高出力 | 72ps/9000rpm |
最高トルク | 6.4kg-m/7600rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後160/60ZR17(69W) |
バッテリー | YT12A-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EIA-9 または U24 IU24D |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.4L フィルター交換時2.75L |
スプロケ | 前15|後46 |
チェーン | サイズ520|リンク112 |
車体価格 | 840,000円(税別) [890,000円(税別)] ※[]内はABSモデル |