系譜の外側

SV400/S
(VK53A)
-since 1998-

SV400S

「新たな躍動をはじめたスポーツの感性。」

TL1000Sの流れを組んだ400版としてデビューしたSV400とハーフカウルを装着したSV400S。厳密に言うと丸目ネイキッドモデルは後からで最初はSのみ。

色々と言われるTL1000Sの兄弟という事で身構えてしまいそうですが、優等生ではないにしろ良く出来た末っ子でした。

SV400アルミトラスフレーム

最大の特徴は400ccとしては初となる楕円断面アルミトラスフレームを採用したという事。

おまけにスイングアームまでアルミという400とは思えない贅沢な骨格を持っています。これは翌年から発売される欧州向け車両SV650と共有化するから可能だった。

SV400/SV400S

アルミトラスフレームってサラッと言いましたが、一般的にトラスフレームというのは剛性値(重量に対する剛性)を高く出来る優れたフレームなんだけど、汎用性が乏しい事と溶接箇所が増える事から大量生産には向いてない。

日本メーカーがあまりトラスフレームを作らないのはこういった理由があるからなんですが、日本におけるSV400も欧州におけるSV650も知っての通り高級車というよりは大衆車。そんな車種なのにトラスフレームでしかもアルミというのは実はとても凄い事で、それがあったからこそSV400は乾燥重量159kgという驚異的な軽さを持てたわけです。

 

もう一役買ってるのが合理的な90°バンクのVツインエンジン。エンジンについてはいい加減しつこいので>>二気筒が七変化した理由を参照。

SV400

これも兄貴分であるSV650と共有のエンジンなものの、ただスケールダウンしただけではなくボアよりもストロークを大きく短くしてる。

そしてコレが結構やり過ぎで、ボア(内径72mm)×ストローク(行程49mm)という400ccの二気筒としてはかなり極端な比率。一昔前の二気筒スポーツを鼻で笑えるくらいのビッグボア。

この事からSV400は"4.2kg-m/8000rpm"という4st400ccでは最大となるトルクを叩き出すバイクに。

「公道最速400はSV400」

と一部で言われてるのは別に贔屓目ではなくこういう根拠があってのこと。

SV400とSV400S

それなのに知名度が低いのは不人気だったから・・・ただこれはSV400が不人気だったというよりVツインが不人気と言ったほうが正しいかと。日本はどちらかというと等間隔燃焼の直四が好まれる傾向が強いから。

最初に言ったトラスフレームをあまり作ってこなかった事から来るトラスフレームに対する認知が弱かった事もあるでしょうね。

SV400カタログ写真

見た目も含めて日本人には未知の生物だったわけですね。

 

逆にツインやトラスフレームの文化が根付いていた(好まれる)欧州においてはSV650が大ヒットしたんですよ。向こうでスズキといえばSVと言われるくらいの大出世を遂げています。

SV400後期

だから650はモデルチェンジされ後継まで出てるんだけど、SV400は2002年にダブルディスクブレーキにマイナーチェンジされたのを最後に2007年の排ガス規制をもって生産終了となりました。

 

SV400/Sはお世辞にも売れたと言えないし乗ってる人も少ないんだけど、今でも惚れ込んで乗り続けるオーナーがいるのも事実。

その理由は"最速400ccだから"という理由ではないでしょう。

SV400壁紙

SV400はエンジンとフレームが素晴らしいという長所がある一方で、ヘッドライトが暗い、始動性が悪い、といった分かりやすい短所もあります。

何不自由なく乗りっぱなしに出来る400というよりかは少し手が掛かる400。

SV400ポスター

これの何処が魅力なのかというとアメリカのコンシューマリポート結果でも出ていましたが、人間不思議なもので手のかかる物ほど愛着が湧くんです。

つまりSV400が多くの人に好まれなかった反面、一部の人に強く好まれているのは、ただ速いだけではなくこういった少し抜けてるドジッ子のような"惜しさ"があったから。

エンジン:水冷4サイクルDOHC2気筒
排気量:399cc
最高出力:
53ps/10500rpm
最大トルク:
4.2kg-m/8000rpm
車両重量:159{167}kg(乾)
※{}内はSモデル|後期は+5kg

系譜図

SV400/S 1998年
SV400/S(VK53A)
グラディウス400 2009年
GLADIUS400(VK58A)

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