「Welcome to Woody World」
KMX125の後継モデルとなるKDX125SR。
最大の特徴はクラス初の倒立フォークもそうなんだけどペリメターフレームを採用したこと。ペリメターフレームというのはツインスパーのカワサキ呼称で太いトップチューブが二本あるフレームの事。
KMX125を見ると分かる通り従来のフレームは一本の太いフレームが通っていたタイプでした。
何故ここに来てフレームが大きく変わったのかというと、先に紹介したユニトラックサスやディスクブレーキといった大幅な走行性能の向上(速度の上昇)によってフレームの剛性を上げる必要性が出てきたから。フロントフォークが倒立になったものステム周りの剛性を上げるためです。
そしてこのフレーム変更には剛性以外にもう一つメリットがあります。それはキャブを始めとした吸気系レイアウトの自由度が増すこと。
従来のフレームだとセンターに太いフレームがあったから高さの制約が大きかった。それが横を通るタイプのフレームになった事で高さの制約が緩和され、吸気からキャブ、キャブから燃焼室までを積み木のようにダウンドラフトキャブ(垂直キャブ)など直線で結ぶ事が可能になったというわけ。
ただし、じゃあKDX125がストレート構造になっているかというと・・・なっていません。
吸気ラインを直線で結ぶということは吸気系を後ろ側に持っていかないといけない。エンジンの吸気は後ろ側ですからね。
そうするとリンク構造の付いた優れたユニトラックサスのスペースと被ってしまうわけです。サスペンション担当は当然ながらそんな事は絶対に許さない。でもエンジン担当も吸気ラインをストレートにすればもっとパワーを出せるとこれまた譲らない。
二者択一な状況になってしまうわけだけど、先代で言った通り”速く走るためには馬力ではなくサスペンション”という考えからユニトラックサスが優先されたというわけ。エンジンよりもサスペンション優先な作りということです。
KDX125は2st125オフロードとしては最後のモデルで、今まで挙げてきたユニトラックサス・ディスクブレーキ・ペリメターフレームとモトクロッサーKX125をそのまま公道仕様にしたモデルということもあり非常に人気で、2000年に排気ガス規制で生産終了となるまで大きく変更されることもなく長く発売されました。
一応1991年モデル(A2型)で電装系の改良とディスクブレーキカバーの装着、94年(A5型)でリアサスのリザーバータンクが別体式にされる改良が入っています。
主要諸元
全長/幅/高 | 2115/855/1190mm |
シート高 | – |
車軸距離 | 1395mm |
車体重量 | 104kg(乾) |
燃料消費率 | 56.5km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 9.0L |
エンジン | 水冷2サイクル単気筒 |
総排気量 | 124cc |
最高出力 | 22ps/9500rpm |
最高トルク | 1.9kg-m/8000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前70/100-21(44P) 後4.10-18(4PR) |
バッテリー | YB3L-A |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BR8ES |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量1.2L |
スプロケ | 前15|後52 |
チェーン | サイズ428|リンク132 |
車体価格 | 335,000円(税別) |