GROM(JC61後期/JC75) -since 2016-

2013グロム

顔が突然変異した様なグロム(JC61)の後期モデル。※17年からはJC75

目立つ変更点としてはヘッドライトのLED化とダウンマフラーですね。それに伴ってステップも変わってます。

ハンドル周り

他にも起き気味だったポジションを見直してハンドルが少し下げられ前傾気味になりました。見た目含めて全体的にスポーツ志向が少し強くなった感じです。エンジンは変わってませんけど。

まず取り上げるべきはやっぱりダウンマフラーでしょう。

ダウンマフラー

先代のアップマフラーは社外マフラーに変えたいと思った時ヒートガードが無くなる事から

・熱でシートバッグが溶ける

・タンデムすると火傷する

などといった問題点があり、社外マフラーはダウンタイプの物が結構出ていました。ホンダもそれを鑑みてダウンタイプに変更したのかなと思います。

レジャーバイクといえば実用性度外視の遊びバイクというのが定説だったけど、今は通勤やツーリングといった実用的な使い方をする層が増えた事による想定外の問題ですね。

まあこれはグロムがとてつもない低燃費な事が起因だとは思いますけど。

そしてLEDヘッドライト。

LEDヘッドライト

形の好みはあれど恩恵は絶大でしょう。

原二の場合、発電量が乏しいのでどうやってもライトは暗くなってしまう宿命を持っているんですが、昨今のLEDの普及による低コスト化によって原二でもLED搭載が珍しくなくなりました。LEDの恩恵を一番受けるクラスだと思います。

ヘッドライト

更に問題だったのはグロムはヘッドライトを自分で変えようにも交流式(LEDは直流でないと駄目)なために、にっちもさっちもいかない状況だった事。新型が整流しているのか直流で取っているのかは分かりませんが、LEDは明るく省電力なので喜ばしい事ですね。前期への流用が流行りそう。

グロムリア周り

そんな変更点の中で意外だったのはABSも連動ブレーキも採用していないという事。

既存車種は2021年からの義務化なのでまだ日数はあるものの、積極的なホンダがモデルチェンジと共に採用してこなかったのは珍しい。

遊べるミニモタ的な要素も持ち合わせているからかな。前後連動にしちゃうとリアだけロックさせて遊んだりという事が出来なくなりますからね。

つまりこのグロム(JC61後期)のモデルライフは5年未満ということが確定していると同時に、コンビブレーキやABSといった制御が入ってないシンプルなブレーキをしている最後のグロムになる可能性が非常に高いです。

GROMANCE

さてグロム(MSX125)は既に世界で300,000台以上を売り上げる大人気車種となりました。

「日常で遊べるモーターサイクル」

グロムのコンセプトは日本は勿論のこと、広大な土地があるアメリカやスポーツ走行が盛んな欧州でも成功を収めました。

先進国でこのジャンルが成功するという事は再びレジャーバイク・ミニモタが活性化すると言っても過言ではありません。レジャーバイクが活性化すれば敷居の低さからバイク人口も増えるし、ミニバイクを使った遊びの範囲も広がる。

2017GROM北米モデル

バイク業界の活性化にミニバイクは必要不可欠なわけでGROMが成した事は大きく大事な一歩と言えるでしょう。(もちろんZ125もね)

最後になりましたが、遊びといえばもう一点。

2016からグロムのワンメイクレース「HRC GROM CUP」の開催が決定しました。ということは・・・当然ながらグロムのHRCコンプリートモデル&レースキットが発売。

キットはレースカウルにレース用マフラー、スプロケガードにバックステップのセット。

HRCグロム

写真のコンプリートモデルは更にハンドシフターとモード切替スイッチ、ピットスピード制御スイッチ、シフトアップインジケーター、マッピングを変えられるレース用ECUなども付いて350,000円前後(詳しくは各サービスショップへ)です。

もちろん公道は走れません・・・レースするわけでもないのに自分のGROMに流用しようなんて考えちゃ駄目ですよ。レースに出る為なら話は別ですが。

NSF100

更にこのグロムカップはどうもNSF100が担ってきた「NSF100 HRCトロフィー」の後釜になるようです。レースベースにまで採用されるとなるとGROMの未来は安泰ですね。

このグロムカップは全国19ヶ所のサーキットで開催してますので興味のある方は「HONDA:GROM CUP」もしくは「お近くのサービスショップ」からどうぞ。

レースベースグロム

いやしかしHRCカラーが似合っててカッコいいなあ。

誤解する人がいるといけないので説明しておくと、このHRカラーはホンダが見本として塗ってるサンプルカラーで、買えるのは無地(白一色)です。

でもコレ絶対そのうちHRCカラーのグロム出るだろうな・・・

主要諸元
全長/幅/高 1755/730/1000mm
シート高 760mm
車軸距離 1200mm
車体重量 104kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR7EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 320,000円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

【関連車種】
YZF-R125の系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜RS4 125の系譜

GROM(JC61前期) -since 2013-

2013グロム

「Just Size & Showy Spec 」

タイホンダから発売されたレジャーバイク。

ホンダとしてもレジャーバイクとしても久しぶりのニューモデルだった事もあって第一便も第二便も予約でいっぱいという人気っぷりだったGROM(海外名はMSX125)

エンジンは同じタイで作られているWAVE125iの物をベースにクランクケースなどを専用品に変えたもの。

エンジン

多分WAVE125iとか言われてもナンノコッチャ状態の人が多いだろうから説明するとこのバイクです。

ウェーブ125i

いわゆるタイカブってやつですが、その中でもWAVE125iというのはトップモデルで125が許された数少ないタイカブだったりします。

「タイのバイクってみんなこんな形してるよねー」

ってよく言われますけど、それはタイは二人乗りどころか三人乗り四人乗りが珍しくもなんともないからです。シートはデカくてナンボ、長くてナンボの世界。シートが小さいバイクなんて一部の道楽スポーツバイクだけ。

バイクタクシー

余談ですがカラフルなジャケットを着ている人はバイクタクシー。向こうはバイクのタクシーがあるんですね。

WAVE125iの歴史を更に遡るとドリーム100にたどり着くんですが、そこまで遡りだすと結局C100(初代スーパーカブ)に辿り着いちゃうのでこのへんにしときます。

ドリーム100

ちなみにいわゆるタイカブのこの形を確立したのは他ならぬこのドリーム100で、タイの人達の心を見事につかみ大ヒット、タイホンダ成功の立役車となりました。

さて、日本でホンダは横型(カブエンジン)を積んだレジャーバイクを数多く出して来ました。今でもお馴染みモンキーから始まり、ゴリラ、DAX、シャリィなどなど。

レジャーバイク

どれもグロムと同じように遊び心ある・・・・って全然グロムの話してないですねゴメンなさい。

ただそんなホンダのレジャーバイク史の中でもグロムはちょっと異質です。なんといってもモノサスもそうだけど正立大好きなホンダが31mmの極太倒立フロントフォークを採用してるんですから。

白グロム

これ70年以上も歴史あるバイクメーカーながらクラス初の試みです。CRFなんかでもそうだけど最近のホンダは結構倒立フロントフォークを当たり前の様に採用してきますね。グローバル化で変わったんだろうか。

んでエンジンもWAVE125iのものと言ったけどそのままっていうわけではなく、吸排気を専用設計の物に変えてパワーを上げています。

パワーカーブ

といっても空冷4stの9.8馬力なので速さは・・・まあグロムオーナーが一番よく分かってると思うので遠慮なく言わせてもらうとかなり遅いです。PCXは愚か昨今の125スクーターに全く歯がたたないレベル。

まあ向こうは水冷の新設計エンジンだし大径ホイールだし無段階変速だし当たり前なんですけどね。

その割には33万円は高いと思う人も居るかもしれません。

MSX125

何処にそんなお金が掛かってるんだと言われれば「見た目」と言い切れます。

フレームが専用設計ということもありますが、先に言った極太倒立フロントフォークや130という絶対にオーバーなタイヤサイズも見た目のためでしょう。

タンクカウル

更に言うなれば125どころかバイク全体を見渡しても非常に凝ってる部類のタンク形状(特許出願技術)もそう。とにかく見た目に予算全部突っ込んだ様なバイク。

そもそもレジャーバイクというのは速さとは無縁のバイクですし、実際オーナー達も見た目が気に入って買ってる人が大半だろうからそれで正解なんでしょうけどね。

少し残念なのはFI化されているのを見ると分かる通り、現行モンキー同様あらゆる部分が電子制御されていますのでキャブ時代の様に簡単に弄るのは難しくなっています。弄れないわけではないですしコレはグロムに限った話ではないですが。

その為か結構見た目重視のカスタムが目立ってますね。

グロムカスタム

スクランブラーから他車パロからRCからガンダムまで。

世界のホンダから出たレジャーバイクなだけあって様々ですね。愛されてるなあ。

ところであんまり話題にならないけどGROMは低燃費と定評のあるPCXより低燃費です。

壁紙

20kg以上軽い上に常時噛合式(ミッション)なので50km/L切らないどころか、場合によっては70km/Lまで行くという驚異的な燃費性能を持っています。

WMTCモード値70.5km/L(国内125トップ)は伊達じゃないという事ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/1010mm
シート高 750mm
車軸距離 1200mm
車体重量 102kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR6EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 309,750円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)