国内オートバイメーカーの三位と四位、とはいうもののアジア市場での出遅れもありホンダとヤマハにだいぶ差を付けられているスズキとカワサキ。
そんな二社が手を取り合って作ったバイクがあります。イプシロンとかGSX250FXとかOEMの話じゃありませんよ。
経緯から話しましょう。
スズキとカワサキは目の上の瘤であるホンダとヤマハの物量に対抗すべく2001年に業務提携をしました。
スズキからはスカイウェイブ250(イプシロン250)、アヴェニス150(イプシロン150)、DR-Z125(KLX125)が供給。
それに対してカワサキからはバリオス2(GSX250FX)、D-TRACKER250(250SB)、KX65(RM65)などが供給。
GSXとFXが夢のコラボと話題に・・・なりませんでしたね。
これはまあ要するに新しく作るより横流しした方が作る方も分母が増えるからコスト削減になるし、売る方もリスクを負わずに利益が簡単に出るからwin-winなわけです。最近の軽自動車なんてコレですよね。
結局ATVなども含めるとスズキからは9機種23000台、カワサキからは7機種7000台が供給されました。ちなみにエプシロンやGSX250FXや250SBは日本のみ。
外国では売ってないので、外人からするとビックリかもしれませんがみなさんはご存知かと思います。が、これらはOEMという横流しで共同開発とは呼べません。
しかし並行してこのOEM提携とは別にスズキとカワサキは更に一歩進んで共同開発に乗り出し合作バイクを2004年に出した事は意外と知られていないです。
スズキとカワサキが共同で作ったバイクはこれ。
RM-Z250|KX250F -Since 2004-
モトクロッサーRM-Z250とKX250F。日本ではニッチなカテゴリなので知らない人が多いのも無理はないです。
スズキとカワサキ初の合作で製造はカワサキ。しかもこのモデルはただ一緒に作っただけではなく、国内レースに投入し更なる共同開発&改良を推進していくモデル・・・のハズだったんですが、スズキは三年後の2006年、カワサキに至ってはもっと短い2005年でこのモデルは打ち切りとなり、同年には2007年をもって両社の提携解消が決まりました。
スズキ曰く
「十分な提携効果が得られず、競争環境も厳しくなった」
という事なんですが、それにしたって提携解消を待たずに打ち切ってるあたり、RM-Z250&KX250Fの共同開発でも一波乱あったのかもしれません。
製造がカワサキな事からカワサキ版KX250Fの方が1000円安い価格設定になっていた事にケチなスズキが腹を立てたのか、それとも唯我独尊なカワサキには二人三脚は難しかったのか。
まあ真意は分かりませんがクセ者とクセ者が手を取り合うというのは難しいという事ですね。結局両社は自分たちだけで作った新しいモトクロッサーを展開させていく事となりました。
まあでもスズキとカワサキは仲睦まじい関係というよりも良きライバル関係の方がシックリ来るからこれで良かったのかもしれませんね。