「2CYCLE SUPER SPORTS」
TZR250の最終形にして非常に評価の高いクラス最軽量126kgを誇るTZR250R/3XV型。
市販レーサーTZ250がそうなった様に、TZR250Rも偶力バランサーを備えた90°Vツインになりました。
「90°Vツインなのにバランサーとは」
と思う人がいるかもしれませんが、2stの場合は構造上クランク室を分ける必要があるため両方のピストンが離れるパラツインみたいな構造になり振動が生まれてしまうんです。
車体の方も新設計のデルタボックスフレームに湾曲ガルアームで全体的にコンパクト化。
デザインもそれまでの硬派なものから一転し、非常にオシャレで凝ったものに。
左右非対称チャンバーが良い味を出していますね。
もちろんSPを始めとしたレースをまで視野に入れたSPモデルも登場。
・専用フレーム
・専用シリンダー
・クロスミッション
・乾式クラッチ
・シングルシートカバー仕様
を装備したモデル。
新たにノーマルに乾式クラッチだけを採用したRSも登場しました。
ちなみに全モデル共通で92年モデルからは40馬力規制に合わせてキャブレーターやCDIを変更するマイナーチェンジ。
しかし実はアナウンスされている部分以外にも細かい部分があちこち改良されており、サーキットユーザーを中心に非常に高い評価を得ていました。
とはいうものの時代の移り変わりというのは残酷なもので、翌年の94年にSPとRSを統合したTZR250SPR(ここでもフレームやトリプルYPVSなどの改良)を最後に1999年をもって系譜は終わりを迎える事となりました。
今にも言ったようにTZR250はサーキット/レースユースを中心に非常に評判が良かったです。
それが何故かといえば、速さだけでなく市販レーサーTZ250と本当に瓜二つ、部品の流用や共有が当たり前のようにできる程のレプリカだったから。
最後の最後までレーサーレプリカであり続けようとしたバイクであり、”2stスポーツのヤマハ”を体現する最後の最後にふさわしいバイクでした。
全長/幅/高 | 1960/680/1075mm |
シート高 | 780mm |
車軸距離 | 1340mm |
車体重量 | 126kg(乾) [128kg(乾)] <132kg(乾)> |
燃料消費率 | [35.0km/L] 34.0km/L <35.0km/L> ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 15.0L |
エンジン | 水冷2サイクル二気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 45ps/9500rpm <40ps/9000rpm> |
最高トルク | 3.8kg-m/8000rpm <3.6kg-m/7000rpm> |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70R17(54H) 後150/60R17(66H) |
バッテリー | GT4B-5 |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BR8ECM/BR9ECM/BR10ECM |
推奨オイル | オートルーブ |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
1.5L |
スプロケ | 前14|後37 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 629,000円(税別) [829,000円(税別)] {699,000円(税別)} <780,000円(税別)> ※[]内はSP ※{}内はRS ※<>内はSPR |
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1959年 YDS/DSシリーズ |
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1973年 DX250 RD250 シリーズ |
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1980年 RZ250/R/RR (4L3~3HM) |
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1985年 TZR250 (1KT/2XT) |
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1989年 TZR250/SP (3MA) |
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1990年 R1-Z (3XC) |
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1991年 TZR250R /SP/RS/SPR (3XV) |