「走りの純血統」
ある意味歴代TZR250の中じゃコレが一番有名かもしれないサンマこと3MA。
待ちに待ったモデルが登場したと大きく話題となりました。
というのも共同開発だった市販レーサーTZ250と同じ後方排気エンジンとなったから。
後方排気というのは前から吸って後ろに吐くエンジンの事で、簡単に言うと前後逆に積んでるエンジンの事。
よくセンターアップマフラーを後方排気と勘違いしている人が居ますが、そうではないのでご注意を。
ただこの3MAは正直に言うと
「やっとか」
という声が多かったのもの事実。
もともとTZ250とTZR250は一卵性双生児の様な関係。
にも関わらずTZ250が87年モデルで後方排気へフルモデルチェンジされてもTZR250はモデルチェンジしなかったからです。
だから加熱していくレプリカ競争も相まって、一日千秋の思いで待っている人が多かった。
ちなみにプロジェクトリーダーはもちろんTZ250後方排気モデルの生みの親と同じく宮地さんというお方。
”YZR感覚の体験”
というTZR250のコンセプトを引き継ぎ、マン・マシンの一体感を最優先。
いま紹介した後方排気だけでなくアルミトラスフレームやスラントノーズフェアリングなど、TZ250の流れを大きく組みポテンシャルが更に向上。
主戦場であるSPレースでもデビュー・トゥ・ウィンを飾りました。
更に翌年のモデルでは倒立サスを採用し、ライディングポジションも少し優しめに見直し。
それでも3MAはかなりキツいポジションですが。
ちなみに上の写真はまず見ることは無いであろうライトシアンソリッドというレアなカラーリング。
そしてこの後期からはSP仕様も販売。
大径キャブレーターに大型ラジエーター、乾式クラッチにダンピング調整式サス、更には専用スイングアームなど完全にサーキットしか見据えていない様なモデル。
さて・・・話をさかのぼりますが、何故3MAはTZ250と足並みを揃える事が出来なかったのか少し邪推。
当たり前ですが、公式はこの事については何も言ってません。
ただ恐らく3MAの性格というか特性から言っても、前方吸気の調整が難しかった事が大きな理由じゃないかと思います。
3MAはキャブレーターが前にある事からオーバークールを起こしやすく、セッティングがやや気難しい面がありました。
走る環境が決まっているTZ250やSPレースでは問題が無いどころか猛威を奮ったものの、環境が刻一刻と変わる公道に最適化するのが難しかった。
だから遅れてしまったんでは無いかと。
でもですね、この気難しさを責めるのはちょっと違うかと思います。
「何としてもTZ250と同じものをユーザーに」
という考えがあったからこそ3MAが誕生したわけで、その姿勢は評価されるべき事。
そしてキャブセッティングの難しさはレーサーも同じ。そしてバッチリ合ったときのたまらない加速も。
系譜が終わった今になって何故この3MAが再評価されているのかと言えば、もちろん後方排気の珍しさもあるでしょう。
でも一番は
「レーサーレプリカである事から逃げなかったから」
じゃないかと。
全長/幅/高 | 2040/655/1100mm |
シート高 | 760mm |
車軸距離 | 1380mm |
車体重量 | 136kg(乾) |
燃料消費率 | 41.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 16.0L |
エンジン | 水冷2サイクル二気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 45ps/9500rpm |
最高トルク | 3.8kg-m/8000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前110/70R17(54H) 後140/60R18(64H) |
バッテリー | GT4L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
BR8ES/BR9ES/BR10EV |
推奨オイル | オートルーブ |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
1.4L |
スプロケ | 前14|後41 |
チェーン | サイズ520|リンク110 |
車体価格 | 619,000円(税別) |
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1959年 YDS/DSシリーズ |
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1973年 DX250 RD250 シリーズ |
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1980年 RZ250/R/RR (4L3~3HM) |
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1985年 TZR250 (1KT/2XT) |
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1989年 TZR250/SP (3MA) |
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1990年 R1-Z (3XC) |
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1991年 TZR250R /SP/RS/SPR (3XV) |