勝手に纏めた空冷MONSTER三兄弟の最後にご紹介するのは次男坊の750シリーズです。
出たのは三兄弟の中で一番最後。
革命をもたらした長男M900、コスパの高さから人気が出てドゥカティを救った三男M600、そして遅れてやってきた次男M750は・・・・残念ながら人気が出ませんでした。
スペックでは兄に負け、コスパでは弟に負けるという少し仕方ない面もありますが、消費者からも中途半端だとして売れず。
2001年には他の兄弟に習ってFI化でM750I.E.となり、2003年には排気量のアップでM800となりました。
なりましたが・・・・
コレじゃいかんという事で05年に兄弟とは別に特別なモデルチェンジが入りました。
05年にS2Rと名前を改め、片持ちスイングアームと片側2本出しマフラー、5本スポークホイールなどS4R(水冷MONSTER)に準ずる戦闘的なMONSTERに大変貌。
900の方でも話したけど、元々このデザインはそのS4Rという水冷ジャジャ馬MONSTERに合わせたデザインだったから、その見た目に空冷2バルブエンジンってのは非常にアベコベなんだけど、そもそもMONSTER自体が良い意味でアベコベな車体設計だった事を考えると正しい方向性だね。
先鋭と旧態が入り混じった正にモンスターの様なS2Rは非常に人気が出ました。その為か翌年には長男までもがS2R化され、この次男は区別のため翌年からはS2R800と名前に排気量が付く事に。芸人の劇団ひとりさんも乗ってるみたいですね。
苦節十年目にしてやっと次男の時代が来た・・んだけどそんな人気とは裏腹にS2R800はドゥカティ全体が規制を機にしたプラットフォームの維新をする事になっていたため発売されていた期間は5年とMONSTERとしてはそんなに長くない。
そんなS2Rの後継として2010年に出たのが維新された新世代のM796
基本的には弟分のM696と同じだけど次男はS2Rの後継アピールの為か片持ちスイングアームになっています。エンジンは+100ccされたロングストロークエンジンで万能型。796だけど排気量は803ccとちょっとややこしかったりする。
このM796は弟の696と並んで第二世代空冷MONSTERが途切れる最後まで発売されました。と言っても2013年までと短い上に最初で最後なわけだけどね。
空冷MONSTERが絶滅してから4年が経った2017年、M797として再び空冷MONSTERが復活。
Monsteristi(モンスターリスティ ※MONSTERに魅せられた人の事)なら気付くと思いますが、トレリスフレームがアルミダイキャストとのハイブリッドフレームから従来のトレリスアピールバッチリなフレームと両持ちスイングアームに戻りました。
エンジンはネオレトロブームに乗っかって40年ぶりに復活したスクランブラーの物。ユーロ4(環境規制)に対応した76馬力で装備重量186kg。といってもコレもともと先代の796に使われてたエンジンなんだけどね。だからコレも797と言ってるけど803ccです。
スクランブラーは縮小版の400があるからこの797にそのエンジン積んで400がまた出るかもね。
なんか駆け足過ぎてモデル紹介になってない気がしますが最後に・・・
MONSTERがどれだけ凄いバイクかを表すとした場合いろんな言い方があります。
「916と並んで最も成功したバイク」
「DUCATIで最も売れたバイク」
「DUCATIを救ったバイク」
「欧州でネイキッドというカテゴリを蘇らせたバイク」
でもMONSTERの凄さを表すのに最も簡単明瞭な言葉があります。それは
「トレリスフレームのネイキッド=MONSTER」
という二度と覆る事のない既成事実。
誰が見てもそう思う。好きとか嫌いとか定番といった次元じゃない。
エンジン:空冷4サイクルSOHC二気筒
排気量:748[803]cc
最高出力:
62[76]ps/7500[]rpm
最大トルク:
6.2[6.93]kg-m/6850[5750]rpm
車両重量:178[186]kg(乾) [装]
※スペックはM750 []内はM797
【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜|FZ6/XJ6/FZ8の系譜|GSX-S750の系譜|Ninja650/Z650の系譜|Z900の系譜