V11シリーズ -since 1999-

V11

人気を博した1100Sの後継モデルとして登場したのがV11シリーズ。

先代1100Sの流線的なカウルをまとったデザインは何処にいったのかと言いたくなる変貌となりました。

フレームこそ1100スポルトがベースだけど、エンジン・ミッションは新設計で若干コンパクトになりました。そのおかげでそれまでの大きく重厚だったイメージから軽快なイメージへと変貌。

さて、話が続かないので脱線しますが・・・

モトグッツィのバイクは今まで製造されてきたバイクの中でも非常に特異というか特徴のあるバイク。その理由は皆さんも見て分かる通りV型エンジンが縦に積まれている事にあります。

V11エンジン

エンジンが縦に積まれると一体どういう違いが生まれるのかというと横に比べて左右に対するジャイロ効果が小さくなります。

ジャイロ効果というのは

「自動回転する物体が姿勢を乱されにくくなる現象」

回ってるコマ(今はベイブレードというんだろうか)を横から突っついたりぶつけ合っても倒れずに真っ直ぐに戻ろうとしますよね。アレがジャイロ効果。

中国駒(ディアボロ)の方が分かりやすいか。

ジャイロ効果

回し続けるかぎり落ちないのは正にジャイロ効果によるもの。回転速度が上がれば上がるほど安定します。プロがやってるのを見ると分かりますが、色んな動きをしつつも駒の回転は止めずにもの凄い速さで回してます。

そしてこれはバイクでも働いてる。その部分は主にホイール。

ホイールジャイロ

そしてもう一つがクランクシャフト。

クランクシャフトジャイロ

ジャイロ効果は重ければ重いほど、直径が大きければ大きいほど、また回転が速ければ速いほど力が強くなります。因果なものでホイールとクランクというのはバイクの部品の中でもかなり重い部分。

直四のコーナリング中を想像すると分かりやすいと思います。

バンクとジャイロ

バイクにとって曲がるという事はバンク(傾ける)ということなので

「車体が傾く=クランクシャフトも傾く」

という構図になるわけなんですが、この状態でアクセルを開けるという事は”クランクシャフトに強い回転力を与える”という事になるわけです。

そうするとジャイロ効果が増すのでバイクが起きようとする。アクセルを開けるとマシンが起きるというのはこういう原理から。

ジャイロとコーナリング

「バイクはコーナリング時が苦手」

といわれるのもこういった理由があるからです。まあ事はそう単純ではないんですがバイクは真っ直ぐ・・・そんな事よりモトグッツィの話しろって話ですが、勘の良い方は言いたいことがもう分かると思います。

コッパイタリア

モトグッツィはV型を縦に積んでるわけです。縦に積んでいるという事はクランクも縦。つまり寝かせようが直進しようがクランクの横方向のジャイロ効果が働かない。

これはBMWの水平対向もそうですが、モトグッツィの場合は更にOHV空冷Vツインが相まってが非常に独特な乗り味を出してるというわけ。MotoGPの車両が逆クランク(クランクが逆回転)なのもホイールのジャイロを少しでも減らすため。

このジャイロ効果が弱いと

“クセがある”という人もいれば”自然体に限りなく近い”という人もいる。

モトグッツィの魅力といえば洗練されたデザインばかりが取り沙汰されるけど、実はこういった乗り味に魅了されている人が多いんです。

系譜図
モトグッチ

1921年
MOTO GUZZIというメーカーについて

初代V7

1966年~
V7 series

ル・マン

1976年~
Le Mans series

デイトナ1000

1992年~
DAYTONA1000

V11

2001年~
V11 series

V7レーサー

2015年~
V7-2/V9 series

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