NC750の系譜

X-ADV(RC95) -since 2017-

RC95

「GO EVERYWHERE with EXCITMENT」

スクーター版アフリカツインというか、スクーターの皮を被ったアフリカツインというか、DN-01やNM-4と近い香りがするX-ADV。

中身の方はNC750というか打倒TMAXを掲げ、日本ではあまり見ないもののイタリアなどでは一定の成功を収めているインテグラにオフロード要素を取り入れたモデル。

 

未舗装路の走行を想定したスクーター・・・

イージー9カタログ

EZ-9を思い出しますね。これは公道走行不可でしたが。

ちなみに雪道用のEZスノーというモデルもありました。

イージースノー

更にいうならばこのEZ-9はアメリカではCUBいう名前で販売されていた歴史があります。

X-ADVサスペンション

それよりX-ADVの話ですよね。

何故ベースのINTEGRAから20万円アップの120万円もするのかという話ですが、一番大きいところは何と言っても足回り。

新設計の倒立フォーク、ラジアルマウントキャリパー、ダブルディスクブレーキ、17インチスポークホイール。

X-ADVサスペンション

そしてリアも専用設計でホイールベースを伸ばすアルミスイングアームと15インチスポークホイール。

フラットダート等コンディションが良くない路面でもしっかり追従し軽快に走れるように足回りが本当に豪華に。インテグラにアフリカツインの足回りを突っ込んだみたいな形ですね。

ちなみに本当はサスのストローク量をアップしているのでINTEGRAから更に足つきが悪くなっているんですが、日本仕様は30mm下げるローダウンリンクロッドが標準装備されINTEGRAと同じ最低地上高になっています。

X-ADV灯火系

他にも灯火系はフルLED、キーレス、多機能デジタルメーター、五段階可変式スクリーン、ETC、グリップヒーター、ハンドガード、ローレシオ化されたDCTなどなど。

DCTの基本的な仕組みについては「>>VFR1200X(SC70)の系譜」をどうぞ

 

2018年モデルからはNCシリーズと同じようにレッドが500rpm上がりトラクションコントロールも装備。

ただX-ADVは更にアフリカツインと同じ様に

「G(グラベル)モード」

も装備しました。

これはDCT(クラッチ)制御で、半クラの時間を短くしてアクセルに対する一体感を増す制御スイッチ。

X-ADVファイナルスケッチ

さて・・・ベースとなっているINTEGRAでよく言われていたのが

「INTEGRAはビッグスクーターか否か」

という事。

「どう見てもビッグスクーター」

という意見が圧倒的だとは思いますが、少なくともX-ADVが誕生できたのはINTEGRAがビッグスクーターではなかったからという面が大きいんです。

RC95

起伏の少ない林道やフラットダートなどのあまり荒れていない未舗装路というのは走破性よりも安定性が大事なので、低重心でロングスイングアームでエンストの心配がないビッグスクーターというのは(小径ホイールを除けば)意外と悪くなかったりする。

もちろんスタックの恐れがあるゲロデロな道や、腹を打つようなガレ場はまず無理ですが、スクーターで突撃している猛者も昔からチラホラ居ます。

X-ADVダート

「そもそもそんな軽度な未舗装路なら何でも大丈夫」

と突っ込まれそうですが、では何故いままでX-ADVの様にファッションだけでなく本当に大径ホイールとロングストロークなサスを履いて走破性を上げたビッグスクーターアドベンチャーが存在しなかったのかというと、そういう道をビッグスクーターでガンガン走るのは構造的にマズいから。

分かりやすい問題点がエアクリーナーボックスの位置。

ビッグスクーターのエアクリーナーボックス

スクーターに広く採用されているユニットスイング式のエアクリーナーボックスというのはリアタイヤの脇にあります。

ここにあると砂や埃を巻き上げてしまう道をガンガン走ると前輪が巻き上げた砂や埃を大量に吸ってしまう。

砂煙

エアクリーナーボックスを開けたことがある人ならわかると思いますがオンロードのみでも結構ゴミを吸っていたりします。

砂や埃を大量に吸ってしまうとフィルターを詰まらせ、エンジンまで届くと故障の原因というか最悪廃車になる。ボックスの浸水も当然アウト。

要するに低重心レイアウトが仇となってしまうわけ。だから上で紹介したEZ-9もエアクリーナーはわざわざシート裏に設置されています。

 

ところがX-ADV(INTEGRA)は中身がNC系。

言ってみればビッグスクーターに擬態したロードバイク、つまりエアクリーナーボックスも一般的なオートバイと同じ位置にある。

インテグラのエアクリーナーボックス

コレがミソ。※上の写真はベースのインテグラ

もちろんフレームが衝撃に弱いアンダーボーンではなく頑丈なダイヤモンドだったり、インジェクション等も高い位置にあること。

それに駆動がDCTで頑丈なチェーンなのも大きい。ベルトドライブだと千切れちゃうし、Vベルトは滑って異常摩耗してしまうから。

 

ビッグスクーターアドベンチャーなんていうニッチ過ぎるバイクに仕上げる事が出来たのは、ビッグスクーターではなくビッグスクーターに擬態したロードバイクだったから。

X-ADVトラベルエディション

だからビッグスクーターの低重心な姿を保ったままアドベンチャー要素を取り入れる事が出来た。

有りそうで無かったのは何処も作らなかったわけではなく、何処も作れなかったから。

X-ADVはビッグスクーターに擬態している事を最大限活かしたビッグスクーターアドベンチャー・・・と言うより

「ビッグスクーター"モドキ" アドベンチャー」

と言ったほうが正しいかもしれないですね。

 

エンジン:水冷4サイクルSOHC二気筒
排気量:745cc
最高出力:
54ps/6250rpm
最大トルク:
6.9kg-m/4750rpm
車両重量:238kg(装)

系譜図

NC700S 2012年
NC700S/X/INTEGRA(RC61/63/62)
NC750S 2014年
NC750S/X/INTEGRA(RC70/72/71)
2016NC750S 2016年
NC750S/X(RC88/90/89)
XADV 2016年
X-ADV(RC95)

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