VFR1200X(SC70) -since 2012-

VFR1200X

「Adventure starts here.」

VFR1200Fのクロスオーバーモデル。最初は無限仕様(VFR1200X、DCTモデルはXD)として100台限定で発売し、2014年からDCTモデルのみ国内正規取り扱いとなりました。

車もバイクもそうですが、DCTって一般的なATやCVTと違ってあんまり批判されないというかMT至上主義者にも認められる印象を受けますね。それは恐らくMTと変わらないダイレクト感があるからでしょう。

じゃあどういう仕組なのかって話ですが、DCTというのはデュアル・クラッチ・トランスミッションといってザックリ言ってクラッチを二つ付けているという文字通りの仕組み。

SC63E DCT

まず一般的なミッションの仕組みを知らないと分からないと思うので説明すると、一般的なバイクは常時噛み合い式というミッションです。車の選択摺動式とも違います。

常時噛合式というのはこれまた文字通り、ローからトップまで全てのギアが常に噛み合って回っている状態。

常時噛合式トランスミッション

じゃあどうやって変速してるのかというと常時噛み合ってはいるけど全部が空回りしている状態なんです。

常時噛合式トランスミッション

なかなか酷い塗り絵ですが、赤く塗られたギアはシャフトに繋がっていてシャフトと一緒に回るギア、青く塗られたギアはシャフトに繋がっておらず空回りするギアになっている。分かりやすいようにメインとカウンターを離しています。

色分けを見てもらうとわかる通りキッチリ青の反対側は赤、赤の反対側は青と別れており、全部が空回りする状態なのが分かるかと。ちなみにこれはニュートラルの状態です。

じゃあ発進する時はどうなってるのかというと左下の緑枠の部分に注目。

常時噛合式トランスミッション

シフトペダルでカコンと一速に入れると、カウンターシャフトに直結している空回りしない赤い五速カウンターの黄色の部分が、空回りする青い一速カウンターに連結されます。

すると空回りしていた青い一速のカウンター側の回転につられて五速のカウンターが回り、結果カウンターシャフトが回る(動力が伝わる)というわけ。

ここから二速に入れようとしたら繋がっている五速カウンターがまた中央に戻り、今度は六速のカウンターが二速のカウンターに連結する・・・分かりますかね。

シフトチェンジで蹴られたりするのはこの黄色の部分が上手く入れなかったりするからです。

SC70エンジン

んで本題のDCTですが常時噛合式の仕組みが分かれば簡単です。

DCTはクラッチが二つあるわけですが、担当しているギアが違います。一つは1-3-5速でこれは二重構造になっているシャフトの内側(奥側)に付いてる、もう一つは2-4-6速でこれはシャフトの外側(手前側)と交互に担当するように付いている。

DCTの仕組み

もうお分かりだと思いますが、こうすることで二つのギアを繋げた状態に出来る。

1速を連結させて走っている時でも、二速も連結させクラッチを切って動力を伝えない状態で走る事が可能なわけです。そして二速にシフトアップする時は一速担当のクラッチを切りつつ二速担当のクラッチを繋ぐだけ。

マニュアルとDCT

回転数の落ち込みが低いのはこうやって次のギアが既に繋がっておりクラッチを切り替えるだけだから。そしてダイレクト感がMTと変わらないのは基本的にMTと同じ構造だからというわけです。

なんかVFR1200Xの話ではなくDCTの話になって申し訳ないです。

SC70

ただVFR1200XにはDCTが本当によく合ってると思います。

道をあまり選ばないとはいえ流石にこのクラスを道を選ばずに振り回せる人なんてほとんど居ない。どちらかというとおっかなびっくりは人がほとんどでしょう。

そういう状況で一番起こるのが恐れすぎてエンストを起こし転けてしまう事。DCTならそれが防げるわけですから。

再編に伴いページがどっかに消えちゃったのでここに追記しておくと、一応800(RC46)ベースの方もXモデルとしてCrossrunner(RC60)がありました。

VFR1200X

コチラは正規販売されることなく無限が逆輸入しVFR800X Crossrunnerという名前で200台用意したのみ・・・ついでの紹介で申し訳ないです。

主要諸元
全長/幅/高 2280/915/1320mm
シート高 810mm
車軸距離 1590mm
車体重量 288kg(装)
燃料消費率 16.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC4気筒
総排気量 1236cc
最高出力 106ps/6000rpm
最高トルク 12.7kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59V)
後150/70R17(69V)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8E-9HES
または
VUH24ES
推奨オイル ホンダ純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.6L
フィルター交換時3.9L
フィルター&クラッチ交換時4.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,750,000円(税別)
系譜図
VF750S/M1982年
VF750
SABRE/MAGNA
(RC07/RC09)
VF750F1982年
VF750F
(RC15)
VF1000R1984年
VF1000F/R
(SC16)
750F1986年
VFR750F
(RC24)
750R1987年
VFR750R
(RC30)
RC361990年
VFR750F
(RC36)
RVF1994年
RVF
(RC45)
前期1998年
VFR
(RC46前期)
8002002年
VFR
(RC46後期)
1200F2010年
VFR1200F
(SC63)
1200X2012年
VFR1200X
(SC70)
800F2014年
VFR800F/X
(RC79/RC80)

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