VFRの系譜

VFR(RC46前期) -since 1998-

VFR/RC46前期

「NEW BORN V4」

VFRという簡素な名前になったこれまた白バイ(RC49)でお馴染みRC46の前期モデル。これも今はもうCB1300にほとんど置き換えられちゃったけどね。

日本での販売が見送られた先代RC36がベースと言われているけど、サイドカムギアトレインやPGM-FIなどエンジンはRVF/RC45の作りを強く反映してる。

RC46透視図

排気量を781ccにまで上げ低速を厚くし、ピボットレス(スイングアームをエンジンに直付け)にしている点を見ても、公道仕様RVFという感じですね。

 

ただホンダも国内市場は諦めていたのか、売れなかったというより売る気がなかったというか・・・年間販売台数も500台前後とかなり少なかった。

白バイVFR

そのかわり白バイとして大量に卸されました。詳細な数字は公表されてないけど全国だから相当な数に及んだと思う。

当たり前だけどV4というのはコストが掛かるから尚のこと台数を出さないと高くなる。しかし次世代SSという当てが外れ、国内市場で人気が出なかったから官公市場という事だったんでしょう。

VFRカタログ写真

ちなみにこれは香港の白バイ。白バイ仕様ですら台数稼ぐために他の国でも売ったりしてた。

 

でもですね・・・このVFRは長く白バイに使われたわけですが、白バイ隊員からの評価が非常に高かった事で有名。

全国の腕に自信のある白バイ隊員達がテクニックを競い合う安全運転競技大会でも圧倒的にこのVFR率が高かった。何でかっていうと良く出来てるから。

具体的に言うと理由の一つに"寝かし込みや取り回しが軽くクイック"という事がありますが、これこそV4の武器なんです。

RC46前期エンジン

V4というのは簡単に言うと二気筒エンジンを90度傾けて繋げた様な形をしてる。つまり左右の幅が並列四気筒の半分になる。

こうすると何がメリットになるのかというとクランクの長さを抑えられる事からジャイロ効果が弱くなるんです。

ジャイロ効果というのは何処かでも書きましたが、コマが回り続ける限り倒れないアレの事。バイクで言うと水平なので起きようとする効果があります。アクセル開けると車体が起きようとしますよね。

それくらいのことかと思われるかもしれませんが、このクランクのジャイロはレース界などでは"第三の車輪"と言われるほどとても重要な要素。だからレースエンジンのクランクは同じジャイロ効果を発生させているタイヤと逆の回転をさせ馬力を犠牲にしてでもジャイロ効果を相殺させたりしています。

白バイ

このジャイロ効果は重ければ重いほど、長ければ長いほど効果が強まる。つまりクランクシャフトが一般的な並列四気筒よりも短いV4は起きようとする(寝ようとしない)効果が弱い。だから切り返しや寝かし込みがスムーズ。

 

もちろん他にも車体全体の幅を抑えられる事や、振動が少ない事などもありますが、それらもV4だから成せる事。

つまり白バイ隊員がVFRを好んだのはV4だからという理由が大きいんです。

RC46カタログ

自分のバイクでも、欲しいバイクでも、セールストークでもない、仕事道具として高い評価を獲得したバイク。

この事実以上にVFRを称えられる言葉はないかと。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:781cc
最高出力:
109{80}ps
10500{9500}rpm
最大トルク:
8.1{6.9}kg-m
8750{7000}rpm
車両重量:209kg(乾)
※{}内は国内仕様

系譜図

VF750S/M 1982年
VF750
セイバー/マグナ
(RC07/RC09)
VF750F 1982年
VF750F(RC15)
VF1000R 1984年
VF1000F/R(SC16)
VFR750F 1986年
VFR750F(RC24)
VFR750R 1987年
VFR750R(RC30)
RC36 1990年
VFR750F(RC36)
RVF 1994年
RVF(RC45)
VFR前期 1998年
VFR(RC46前期)
VFR800 2002年
VFR(RC46後期)
VFR1200F 2010年
VFR1200F(SC63)
VFR1200X 2012年
VFR1200X (SC70)
VFR800F 2014年
VFR800F/X
(RC79/RC80)

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