PCXの系譜

PCX
(JF28)
-since 2010-

PCX125

「Personal Comfort Saloon」

もう見ない日は無いと言ってもいい程の大ヒットだったホンダのグローバル戦略車の新世代スクーターのPCX。

「クラスを超えた先進デザイン」

「ゆとりの動力性能と高い環境性能」

「快適で便利な使い勝手」

がテーマ。

PCXのネーミングの由来は「Personal Comfort Scooter」から。

PCXデザインスケッチ

頭文字だけ取ってPCX・・・って何でPCSじゃなくてPCXなんだって話なんですが、通例でいくとホンダにとって”X”というのは究極という意味なので

『究極のパーソナルコンフォートコミューター』

という事でしょう。

 

カタログ燃費53.0km/Lに加え、原付二種とは思えない上質さが話題となりましたが、そんな中でも面白いのがクラス初となるアイドリングストップ機能搭載だったこと。

このアイドリングストップの為にPCXはちょっと変わったエンジン始動をします。

一般的な始動方法は皆さんご存知セルフスターター通称セル方式。

セルフスターター

セルボタンを押すセルモーターがエンジン(クランク)を回転させ始動するわけです。ちなみにこれを人力で回して始動させるのがキックスタート。

それに対しアイドリングストップ機能があるPCXはセルモーターが付いていません。ACG式スターター(ACGスターター)を使って始動します。

ACG式

左側がそのセルモーター式の始動方式で、右側がPCXに積まれているACG式の始動方式・・・って図を見ても分からない。

 

バイクはガソリンが必要不可欠ですが、同時に点火やライトなどが色々あるので電力も必要不可欠ですよね。

だからバイクにはジェネレーターというコイルを巻いたものが積まれていて、これがエンジンと一緒に回ることで発電しているわけです。

ACGスターター

PCXが変わっているのはそんなジェネレーターにスターターを組み込んだ形だから。

一般的にセルダイナモまたはモータジェネレーターと呼ばれているもので、トドのつまり電力をジェネレーターに送ってクランクを回すことで始動しているわけです。

ただしセルモーターに比べて力が弱いので始動を手助けするスイングバック機能が付いています。スイングバックというのはピストンの位置を少し巻き戻す機能。

スイングバック

何故わざわざ巻き戻す必要があるのかというと、エンジンというのは切ってもすぐに止まらず少し回る。じゃあいつ止まるかというと山なりに負荷が大きくなる圧縮行程の途中で止まる。

つまりそこからエンジンを掛けようとするといきなり最大負荷で大変。だから負荷が少ない状態まで巻き戻してから勢いよく回す事で始動性を良くしようというのがスイングバック。

PCXの場合は更にバルブを遅閉じする事で圧縮による負荷を軽減するデコンプ機能も付いています。

JF28リア

これらの機能のおかげでPCXは恐ろしく静かに軽やかに始動します。

デカいバッテリー積んでセルモーターを酷使するなんちゃってアイドリングストップとはワケが違うという事です。

 

ただ実はこのACGの始まりはPCXよりずっと前、2001年のクレアスクーピーにあります。

クレアスクーピー

ちなみにラジエーター一体型のコンパクトな水冷ビルドインエンジンも初出はここ。

PCXとクレアスクーピーの意外な接点でした。

ビルトイン水冷エンジン

話を戻すとフロント14インチという大径サイズを履いているのを見れば変わる通り、グローバル戦略車といえど東南アジアがメイン市場。

でも125スクーターにしては結構いいお値段がしますよね。※当時299,250円(税込)

2011年式PCX

「こんないい値段がする125がアジアで売れるのか」

って思いますが、なんでも東南アジアも経済成長によって所得が上がってきた。するとコスパ最優先の125に不満を覚える人が増えてきた。

2011年式PCX

その声に応える125を造ろうとなったのがパーソナルコンフォートサルーンPCXの始まり。

そしてそう考えていたのは日本も同じだったから大ヒットに繋がったという話。

主要諸元

全長/幅/高 1915/740/1090mm
シート高 760mm
車軸距離 1305mm
車体重量 126kg(装)
燃料消費率 53.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.1L
[5.9L]
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 12ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
ギアオイル 全容量0.18L
交換時0.16L
Vベルト 23100-KWN-901
車体価格 285,000円(税別)

系譜図

PCX 2010年
PCX
(JF28)
PCX150 2012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
2014PCX 2014年
PCX/PCX150
(JF56/KF18)
2018PCX 2018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)