GSX-S1000(EK1AA) -since 2021-

2021GSX-S1000

「The Beauty of Naked Aggression」

2021年8月に初のフルモデルチェンジを果たし二代目となったGSX-S1000/EK1AA型。

最初に変更点を上げると

・デザインの刷新
・エンジン出力の見直し(EURO5対応)
・ハンドルを23mm広く20mm手前に変更
・新型液晶メーター
・電子制御スロットル
・トラクションコントロールを3段階から5段階へ
・3段階のライディングモード(出力モード)
・双方向クイックシフター
・新型アシストスリッパ―クラッチ

などなどとなっています。

一番目につくのはやはりデザインで、大変貌を遂げました。

フロントフェイス

ヘッドライトはモノフォーカス(小型プロジェクター)式LEDを縦に並べた無機質デザインへと変更。サイドシュラウドもダウンフォースを稼ぐウイングレットを備えています。

ネイキッドにウイングレットなんて要らないだろうとツッコミたくなりますが、元がGSX-R1000と考えれば不思議でもない。ただ恐らくこれの一番の狙いはデザイン。

デザイナーの村上さんいわく

「戦闘機がモチーフ」

との事で、その演出の意味も兼ねているんだと思われます。

GSX-S1000デザイン

ここまでゴリゴリな無機質デザインになったのも納得ですね。

ただそれと同じくらい注視しないといけないのが中身というか性格。具体的にいうと電子制御スロットルです。

電子制御

今さら説明するまでもない話ですが、ライダーがスロットルを捻るとワイヤーが直接スロットルバルブを開く機械式から、捻った量を電気信号に変えてECUに送り、演算してモーターが代わりに開ける電子式なのが電子制御スロットル通称電スロ。

燃料噴射装置(キャブからFI)に次いで、遂にスロットルまで完全制御化に置くという技術革新。

「ライダーとマシンのアクセルを1:1にしない事が可能」

というメリットがあります・・・これ一見すると悪い事のように思えるけどそうじゃない。

一番わかりやすいのが低速域でのシーン。アクセルを一旦閉じてエンジンが低回転になった時にライダーがグイっとアクセルを捻ると、エンジンの吸入が弱いので上手く吸えず重点効率が落ちてしまうモタツキのような問題(オーバーベンチュリ)が起こってしまう。

更にパワーが出ないからと増すようにアクセルを捻ってしまうと、遅れて想定以上のパワーが出てしまい置いて行かれる感覚、俗にいうドン付きが起こる。

これを回避する方法としては

・アクセルを握りこむよう丁寧に早めに開ける

・アクセルを完全には閉じない(フューエルカットを防ぐ)

等の方法があるんですが、頭では分かっていても実行するのは相当上手い人じゃないとなかなか難しい。

エンジン性能曲線

これを電子制御スロットルがカバー(トルクマネジメント)してくれるというわけ。

この恩恵は乗れば一発で分かります。ストリート走行において最も大事である低中速が恐ろしいほどスムーズになっているから。

GSX-S1000リア

ただ電スロ化によるメリットはもう一つあります。それは幅広いエンジン性能の演出。

俗にいうパワーモード切替なんですが、それまでFIやセカンダリスロットルバルブなどによる制御でやっていた事が、メインスロットルバルブでも出来るようになるので幅が物凄く広くなる。

じゃあGSX-S1000/EK1AA型がどうなったかというと、まずAモードは先代と同じく、本当にGSX-R1000(K5)を剥いただけの正真正銘ストリートファイターなハッチャ系。

Bモードはそれを少し穏やかにしている特性。とはいえこれでも十二分に首を持っていかれる。

出力モード

そしてそれを更に穏やかにしたCモード・・・これが目から鱗というか、一番の狙いだったんじゃないかと思うほどの要素。というのも、このCモードはパワーカーブを見てもらうと分かる通り直線的で順当なリッタースポーツバイク的な特性になっている。

何度も言いますがGSX-S1000はGSX-R1000のエンジンがベースなので、パワーバンドに差し掛かった瞬間、2段ロケットのようなえげつない加速をする。

これこそが初代で言われた

『GSX-R1000の牙』

なんですが、そんな特性だから豹が描かれるのも納得な野性味あふれる凶暴性があった。それが今回、先代同様に豹モードはAモードに据え置きつつ、ルーズさは受け入れてくれるCモード、例えるなら野良猫モードが加わったおかげでストリートにおける懐の広さが大きくなった。

The Beauty of Naked Aggression

出力モード切り替え機能自体は珍しくもなんともないんですが、GSX-S1000はあまりにもAモードが牙むき出しだからこそCモードの落差というか高低差が際立っている。

もしかしたら2022年に生産終了となったGSX-S750の受け皿という狙いもあったのかも知れないですね。正直日本のストリートで乗るならS750の方が向いていると思うのですが、やはり心情的な事から試乗ではS1000の方が圧倒的に人気でした。そりゃ誰だって使う使わない関係なく、どうせ乗るなら最速級に乗りたいのが心情というもの。

今回のモデルチェンジは電子制御スロットルと出力モードによって、そこを大きくカバーしてある。

「150馬力の最速級をストリートでストレスなく乗りたい。」

というワガママに最大限応えたモデルチェンジかと。

カタログ写真

ただ一つ難点として、メーターが暗くて見えにくいという問題がありますが、これはきっと

「メーターなんて見るな。本能のままに走れ。」

というスズキからのメッセージではなかろうか。

主要諸元
全長/幅/高 2115/810/1080mm
シート高 810mm
車軸距離 1460mm
車体重量 214kg(装)
燃料消費率 16.6km/L
※WMTCモード値
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/11000rpm
最高トルク 10.7kg-m/9250rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,300,000円(税別)
系譜図
GSX-S1000 2015年
GSX-S1000
(GT79A/GT79B)
GSX-S1000F 2015年
GSX-S1000F
(GT79A/GT79B)
2001GSX-S1000 2021年
GSX-S1000
(EK1AA)
GSX-S1000gt 2022年
GSX-S1000GT
(EK1AA)

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