「REAL AMERICAN」
先に紹介したZ400のエンジンをベースに
・プルバックハンドル
・ティアドロップタンク
・専用フレームにハイバックシート
を施してアメリカンスタイルにしたモデル。
俗に言うジャメリカンというやつなんですが、イージーライダーや白バイ野郎ジョン&パンチなどで高まっていたアメリカン人気に火を付けブームを巻き起こすキッカケになったモデルでもあります。
4年ほど前に改正された中型限定自動二輪免許(現:普通自動二輪)の若者が増えてきたのも追い風でした。
相変わらずカワサキカワサキは先見の明が凄いな・・・と言いたいところなんですが、実際は先に紹介したアメリカ向けにも同じモデルがある。
つまり結局の所これもアメリカで街乗りに最適なクルーザーとして売り出す狙いがあったモデル。しかも狙い通り人気が出てたよう。
だからこれジャメリカンとか言われますが、実際に本場アメリカで売ってしかも通用していたモデルなんですね。
評価された理由は先代400RS/Z400でも話した通りバランサーを組み込んだ360度クランクという振動が無く、かつ豊かなトルクを生むエンジンのおかげで全く疲れないから。
この事からカワサキは2年目の1980年にはエンジンを改良し
・サイレントカムチェーン
・AT式カムテンショナー
・セルスタートのみ
などの改良を施し使い勝手と静寂性を向上。
合わせて紹介で申し訳ないのですが、この時に先に紹介したZ400のボディにこのエンジンとキャストホイールを付けたモデル
『Z400CUSTOM/KZ400G』
も併売する形で登場。Z400も物凄くレアだけどそれ以上にレアなZ・・・まず見ること無いと思います。
話をLTDに戻すと1982年には更に静寂性を追求するため駆動をチェーンからベルトドライブにしたモデル
『Z400BeltDrive/KZ400T』
へとモデルチェンジ。
”サイレントライディング”という造語を用いて静寂性をアピールしていました。アメリカンなのにサイレントってなんだか面白い話ですけどね。
補足としてコレとは別にZ400LTD-II/KZ400Kというモデルもありました。
ただこちらはZ400FX/KZ400E(四気筒)のエンジンを積んだモデル。LTDモデルが(日米問わず)思わぬ人気を呼んだ事から出された背景があるものと思わます。
ここから400RS/Z400はGPZ400SやER-4として、それとは別の形で成功したLTDモデルはバルカンやエリミネーターへと発展していく事になるんですがNinja400の系譜あたりで書いたと思うので割愛させてもらいます。
主要諸元
全長/幅/高 | 2095/825/1175mm [2110/785/1110mm] |
シート高 | 740mm [770mm] |
車軸距離 | 1390mm [1375mm] |
車体重量 | 169kg(乾) [166kg(乾)] |
燃料消費率 | 46.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 12.0L [16.0L] |
エンジン | 空冷4サイクルSOHC2気筒 |
総排気量 | 398cc |
最高出力 | 36ps/8500rpm |
最高トルク | 3.20kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前3.25S19-4PR 後130/90-16(67S) [前3.50S19-4PR 後4.10S18-4PR] |
バッテリー | FB12A-A |
プラグ | B7ES |
推奨オイル | SAE10W40~20W50 |
オイル容量 | 全容量2.9L |
スプロケ | 前15|後45 [前16|後40] |
チェーン | サイズ530|リンク100 [サイズ530|リンク104] |
車体価格 | 340,000円(税別) [350,000円(税別)] ※[]内はCLASSIC(Z400R) |
懐かしく拝見いたしました・・・
44年前、当時の中型免許を取得して、高校サボってガソリンスタンドでアルバイトに精を出し、バイト購入資金を貯めている最中に同級生がこの車を買いました。
プルバックハンドル左右に大きなスピーカーを取り付けて派手な音楽鳴らしながら街中を流してました。私にその趣味は無かったのですが、ちょくちょく借りて乗っていました。人生初の400ccでしたから今まで乗って来た兄貴のDAXやCB125Tなんかより、全てがパワフルで刺激的でしたね〜。
あの興奮は、初めて原付(無免許で先輩のハスラー50)乗った時と同様、何処までも行ける気がしましたなぁ。