恐らく多くの人が思い描くスーパーカブの姿になった1966年~の第二世代スーパーカブ。
ノーマルタイプとM(セル付き)の2モデル展開となったわけですが、最大の特徴はエンジンがOHVから耐久性と燃費向上を図ってOHC化され4.8馬力にまで馬力がアップしたこと。
少しややこしいのですが、この第二世代スーパーカブC50には元となっているモデルがあります。それはC50の2年前に出ていたC65という63ccのスーパーカブです。
スーパーカブ初のOHCエンジンを積んだモデルはこれで、いわゆる先行量産型というやつ。ヘッドライトが少し大きなC100系デザインのバイク。
そしてこの頃のスーパーカブは速くて燃費良くて壊れない上に
「二年5万km保証」
という長期保証によって更に爆発的な人気となり累計生産台数も500万台を突破。
勢いそのままに1968年にはマイナーチェンジが入り先行開発型だったC65も同一ボディのC70に。
特徴は何と言っても二輪初となるポジションライトの採用です。
「行灯カブ」という愛称で今も親しまれています。
少しモデルが多すぎて混乱している人が多いと思うのでここまでを纏めると
こういう形で、要するにC50はC100の後継なんだけど新設計ボディとC65ベースのエンジンだから厳密に言うと別のモノ。
なんでこんなややこしいことをしたのかというと、フル稼働しているスーパーカブC100の製造ラインを止めることなくOHC化への流れを作らないといけなかったから。
ちなみにC65で作られたエンジンはなんと2000年代のキャブ最終までベースとして続きます。
そしてこの代で出た派生モデルが1968年のCT50です。
アメリカで先行販売していたハンターカブC105Hの日本版、ただハンターカブという名は付きません。
登坂力18度とアピールしている通り、副変速機という面白い機能を付けています。
クランクの下にあるレバーによる切り替え方式。
これは要するにドライブスプロケット内にもギアが一つあって変速している内蔵型ダブルスプロケット。
三速でも30kmしか出ないようになる代わりに、圧倒的なトルクで道も荷物も選ばずに走破できるというわけ。
ところで少し話が脱線しますが
「蕎麦屋が片手で運転できるバイク」
というのがスーパーカブのコンセプトだったわけですが、出前のカブとして欠かせないのが「出前機」ですね。
最近は車やベンリィといったトライクに取って代わられつつあるのであまり見なりましたが、カブと一緒に歴史を歩んできた必須アイテム。
最初はホンダもオプションで発売していましたが、今はマルシンさんだけとなっています。
構造は比較的シンプルで、要はエアサス。
すごく簡単に表すとこんな感じです。本当は一番上の段は吊り下げているんですが。
ちなみにマルシンの出前機は東京オリンピックでは聖火まで出前した(予備の聖火として付いて行った)歴史があります。
積んだのはカブじゃなくてセドリックだけどね。
主要諸元
全長/幅/高 | 1795/640/975mm [1795/640/975mm] {1830/640/995mm} |
シート高 | – |
車軸距離 | 1185mm [1185mm] {1190mm} |
車体重量 | 74kg(装) [78kg(装) ] {87kg(装) } |
燃料消費率 | 90km/L [85km/L] {80km/L} |
燃料容量 | – |
エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 49cc [72cc] {89.6cc} |
最高出力 | 4.8ps/10000rpm [6.2ps/9000rpm] {7.5ps/9500rpm} |
最高トルク | 0.37kg-m/8200rpm [0.53kg-m/7000rpm] {0.67kg-m/6000rpm} |
変速機 | 自動遠心式三速リターン |
タイヤサイズ | 前2.25-17 後2.25-17 |
バッテリー | – |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
C5HSA [C5HSA] {D6HA} |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
– |
スプロケ | – |
チェーン | – |
車体価格 | 60,000円 [66,000円] {76,000円} ※スペックは69(行灯)カブ |