「ゆとりと上質を愉しむ日常へ。」
二代目というより年次改良されたJF28の後期モデルと、合わせて追加販売された152ccのPCX150。
一番の変更点はホンダの次世代小型スクーター用低燃費エンジンであるeSP
enhanced:強化された
Smart:洗練された、精密で高感度な
Power:動力、エンジン
になった事。
具体的にどう変わったのかというと
・ローラーロッカーアーム
・オフセットシリンダー
この二点があげられます。
ローラーロッカーアームについては『CBR250Rの系譜』で話したのでそちらを読んでもらうとして、主流になりつつあるオフセットシリンダーについて。
オフセットシリンダーというのは文字通りシリンダーがオフセットされているエンジンの事。
これ何のためにしてるのかっていうと、もちろんローラーロッカーアーム同様フリクションロスのため。
簡単に話すと、燃焼/膨張によって真下に下がろうとするピストンに対してコンロッドは回ろうとするので角度差が生まれる。
するとコンロッドから角度のついた反力が生まれ、ピストンをシリンダー側面に押し付けるような力が働くわけです。もちろんフリクションロスです。
そこでシリンダーをオフセットすることでコンロッドとの角度差を無くし、横方向へ力が働かないようにしてフリクションロスを減らすというわけ。
このオフセットシリンダー最近では車の方でも採用が増えている様ですね。
もちろんその他もろもろフリクションロス低減の改良があちこちに。
まあ53.2km/Lと先代から0.2km/Lしか伸びていないんですけどね。
正直エンジン型式も変わってないので先代もeSPで仕切り直しなのでは・・・というのも、どうもホンダは最初PCXが国内でここまでヒットするとは思ってなかったような感じ。
初代の頃の年間販売計画台数は8,000台と一般的な125よりちょっと少ないくらいでした。対して細部の改良で見た目がほぼ変わっていないこの後期モデルからは19,000台と倍以上に。
更には欧州向けがメインだったはずの150も追加。
日本は125ccまでが原付二種で維持費も安いので125がメインなわけでネットじゃ
「150ccなんて誰が買うんだ・・・」
なんて言われていたんですが、税制なんてどこ吹く風で毎年5000台強を売り上げるほどの人気に。
昨今の原付二種ブーム、そしてオーバー125クラスの需要を生んだのは間違いなくこのPCXでしょうね。
主要諸元
全長/幅/高 | 1915/740/1090mm |
シート高 | 760mm |
車軸距離 | 1315mm |
車体重量 | 128kg(装) [129kg(装)] |
燃料消費率 | 53.2km/L [49.0km/L] ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 5.9L |
エンジン | 水冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 124cc [152cc] |
最高出力 | 12ps/8500rpm [13ps/8500rpm] |
最高トルク | 1.2kg-m/6500rpm [1.4kg-m/5500rpm] |
変速機 | Vマチック |
タイヤサイズ | 前90/90-14(46P) 後100/90-14(51P) |
バッテリー | YTZ7S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR7EA-9 または U22EPR9 [CPR7EA-9] |
推奨オイル (トランスミッション含む) |
Honda純正ウルトラE1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量0.9L 交換時0.8L |
トランスミッションオイル容量 | 全容量0.14L 交換時0.12L |
Vベルト | 23100-KWN-901 [23100-KZY-701] |
車体価格 | 285,000円(税別) [314,000円(税別)] ※[]内はPCX150(KF12) |