CBR250R(MC41前期) -since 2011-

MC41

「Sport Quarter for One World CBR250R」

・日常で気軽に使えるとともに、操る楽しさを体感できること
・走りの楽しさと低燃費を兼ね備えること
・取り回しに優れた車体サイズで、フルカウルを装備し、スポーツバイクを所有する喜びを満たすこと

2011CBR250R

タイ生産で一から開発&製造される事になった新世代CBR。今にして思えばCBR系というよりVFR系なデザインですね。

この件については後期で話すとして、このモデルの最大の売りはコストパフォーマンスにあります。敷居を下げエントリー層へ振り向いてもらうため無印で45万、ホンダ自慢のC-ABS搭載型でも50万を切る驚異的な安さ。

2013CBR250R

と言うとただの安物バイクに聞こえてしまいそうですが、天下のホンダが安かろう悪かろうを作るハズもなくホンダらしく新しい試みが入っています。

その中でも特徴的なのがやっぱりエンジン。

新型エンジン

徹底的なフリクションロスの軽減を念頭に設計されているのですが、特徴としては二輪車としては初となるローラーロッカーアーム式DOHCを採用していること。

これによりフリクションロスを大幅に減らすことに成功・・・って言っても難しい話なので簡単に説明すると一般的なバルブ駆動方式(燃焼室の扉)はなにかといえば直打式です。

直打式

おにぎりみたいな形をしたカムが直接バルブを押して開く方式ですね。そのためダイレクト方式とも呼ばれます。

それに対してCBR250Rが採用している

『ロッカーアーム式』

は簡単に言うとカムが押すのはバルブではなく文字通りアームでそのアームがバルブを押すテコの原理を利用したもの。

ローラーロッカーアーム式

ダイレクト式の場合バルブを押すためのカムとバルブが密着していないといけないんですが、DOHC(カムシャフトが二本)はSOHC(カムシャフトが一本)に比べて正確なバルブ開閉が出来る事から高回転に出来る一方で、隣り合わせで二本も積まないといけないからぶつからないようにカム同士を離さないといけない。

そんなカムに対してバルブを合わせようと思ったらこれまた必然的にバルブに角度を付けないといけなくなる。そうすると結果的に燃焼時の表面積が大きくなってしまうという問題が生まれる。

新型エンジン

対してロッカーアーム式はダイレクト式と同様にカムは離れてるんだけどアームが内側に伸びてるからバルブの角度を小さく出来る、効率と省スペースに貢献できるという話。

しかしCBR250Rはそんなロッカーアーム式から更に一歩進んだ”ローラー”ロッカーアーム式によるもの。

いま説明した通りダイレクト式もロッカーアーム式もカムが押すことに変わりはない。くるくる回るカムの山で”ニュル”っと押されるのがバルブかアームかの違い。

しかし”ローラーロッカーアーム”は文字通りローラー(ニードルベアリング)がカムに押される部分についています。つまり

「ニュル」

ではなく

「クルッ」

と押されるわけです。

CRF250のカム

何故それが良いのかというと”ニュル”っていうのは擦れ合う事によって生まれる抵抗の”摺動抵抗”でこの場合はカムとロッカーアーム、それに対しローラーロッカーアームというのはカムの動きに対しローラーが回って受け止めるからクルっと回る”転がり抵抗”になるわけです。

抵抗が少ないのは当然ながら転がり抵抗の方で、これがローラーロッカーアームのメリット。

現状ではこれ以上のフリクションロスの軽減となる動弁方式は開発されていない事から四輪車ではこのローラーロッカーが主流になっています。

「じゃあなんでバイクは直打式が多いんだ」

っていう痛いところを突かれると、このローラーロッカーアーム式というのは文字通り直打式に対しローラーという物を抱えていることから重くなり、高速(高回転)になるとカムの動き(回転)についていけなくなる問題が出てくる。

だから回転数が自動車に比べ高いバイクではロッカーアーム式より直打式が多いというわけ。

「ローラーロッカーアームだめじゃん」

と思いきやそうじゃないのがCBR250Rの凄い所。

CBR250Rメーター

CBR250Rはローラーロッカーアームを採用していながらビッグボアで10000rpm以上も、とてもシングルのローラーロッカーアームとは思えないほど軽く回る。

これはボアストローク比が実はCBR1000RRの一気筒分と全く同じショートストロークだという事。まさにクオーターCBRなわけですが、それをローラーロッカーアームで可能にしたのがCBR250Rの凄い所なんですね。

ちなみにあまりにビッグボア過ぎると社内でも反対にあったそうですが、CBRと名付けるからにはという理由で採用。だからこそ単気筒にしては結構上の方で頑張るエンジンになってる。

CBR250R(MC41)

CBR250R/MC41に興味を持った人の多くは(長く色んなバイクを遊び尽くした達人も居ると思いますが)、バイク歴が浅い人や初心者が大半なのでこんな話をしてもチンプンカンプンかと思います。

まあ別にそれでいいと思います。大事なのは

「ガンガン回るのに低燃費(平均燃費32km/L)」

ということですから。

※2012年の250cc部門トップセールスを記録

主要諸元
全長/幅/高 2035/720/1125mm
シート高 780mm
車軸距離 1380mm
車体重量 161kg(装)
[165kg(装)]
燃料消費率 49.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.3kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後38
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 449,400円(税込)
[499,800円](税込)
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

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