「1:1(ワン・バイ・ワン)」
実は2006年にフルモデルチェンジして2007年に逆車取扱終了となってしまったFZ1とFAZER。つまり一年しか正規逆輸入車が入ってきていない。
流石にデビューしたてのホヤホヤ新設計なもんだから国内仕様が出ることは大方の予想がついてた。しかも自主馬力規制が撤廃された年だから何馬力になるのかという期待もあった。
でも蓋を開けてみたら何とビックリ自主規制の100馬力どころか94馬力しかない。
これについてヤマハの弁解を個人的に解釈すると
欧州ではアクセルを捻った以上の加速する感覚が好まれる。でも日本ではそういう環境がなく低速がメイン。
そういう環境だとデメリットが多いから低速での扱いやすさを優先した。捻ったら捻った分だけリニアに加速する順応なレスポンス。
それが「1:1(ワン・バイ・ワン)」
テンプレートの様な謳い文句に正直ただ規制で骨抜きにしただけなんじゃないかと思ってた。
でも翌年に国内仕様のR1が145馬力という初代R1なみの馬力で規制をクリアし登場したことを考えると、言い訳ではなく本当に馬力よりも乗り易さを優先・・・したんだろうけど、突っ込みどころがある。
まず第一の突っ込み所としてサスペンションがタダでさえ硬すぎると評判である逆車セッティングのままだということ。
アウトバーンも余裕で走れると謳っている強靭な足だが日本にそんな道は無いし、むしろ飛び跳ねまくって乗り易さもクソも無い話。
国内の公道向けなら少しくらい柔らかくセッティングして出してくれてもバチは当たらないでしょうに・・・(勿論自分で調整は出来る。)
フレームも150馬力に耐えられる高剛性だから尚の事。オマケに元はエクストリームバイクなのでシートも結構固め。
そして二点目は単純に上が無いエンジン特性。
これは国内仕様全般でFZ1に限った話じゃないんだけど、本当に高回転域が回るだけで加速しない。ある意味で不思議な感覚。
FZ1のエンジンは前も言ったけど、SSの中でも最もショートストロークで高回転が美味しいR1のエンジンなんだから高回転が無くなったら元も子もない。
でも幸いな事にFZ1は一昔前の国内仕様の様に配線や吸気口などをチョチョイとするだけで簡単にセミフルパワー位にはなるみたい。(細部が違うのでフルパワーの150馬力まではいかない)
150馬力の逆車は正規で扱ってないのでレッドバロンや並列輸入取扱店などでしか買えない。
国内仕様は逆車より安く、一昔前みたいに国内と逆車どっちも味わえるというメリットがあるし、逆車より乗り易くもあるから悩ましい選択ですね。
主要諸元
全長/幅/高 | 2140/770/1060mm [2140/770/1205mm] |
シート高 | 815mm |
車軸距離 | 1460mm |
車体重量 | 219kg(装) [225kg(装) ] |
燃料消費率 | 21.0km/L ※定置走行テスト値 |
燃料容量 | 18.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 998cc |
最高出力 | 94ps/9500rpm {94ps/9000rpm} |
最高トルク | 8.2kg-m/7500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後190/50ZR17(73W) |
バッテリー | YTZ14S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 | CR9EK {CR9E} |
推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに | 全容量3.7L 交換時2.9L フィルター交換時3.1L |
スプロケ | 前17|リア45 |
チェーン | サイズ530|リンク122 |
車体価格 | 997,500円(税別) [1,050,000円(税別)] ※価格は08モデル ※[]内はFZ1FAZER ※{}内は2012年以降モデル(1EC/2DV) |