GSX-S1000F(GT79A/GT79B) -since 2015-

GSX-S1000F/GT79A

「BEYOND THE SPORTBIKE」

GSX-S1000のフルカウルバージョンとなるGSX-S1000F/GT79A型。

サスペンションの減衰を少し強めている事とミラー以外はGSX-S1000とほぼ同じになります。

S1000Fデザイン

海外ではネイキッド版であるGSX-S1000が人気な一方、日本ではこのGSX-S1000Fの方が人気との事。

欧州ではストリートファイターとして評価され、日本ではハイスピードツアラーとして評価している面が強いんでしょうが、ただこれがちょっと難しい所というかGSX-S1000Fの誤解されがちな所でもある。

GSX-S1000Fカタログ写真

よくGSX-S1000Fに対する意見というか残念ポイントとして

「積載能力が意外と無い」

「快適装備が乏しい」

という声がある。

V-STROMのような純正パニアケースやアクセサリー電源などがオプションでも用意さておらず、また後付けなどを考慮した造りでもない。この事を残念がる人が結構居るし

「100万ちょっとでコスパ良いんだから仕方ない」

と思ってるオーナーも多いかと。

純正アクセサリー

これ結局なんでかっていうといま言ったように

「GSX-S1000Fをハイスピードツアラーとして見ているから」

にあるわけです・・・が、GSX-S1000Fはそういう狙いで造られたモデルじゃないという事をこの機会に是非とも知ってほしいと思います。

その気持ちは分かるんですがGSX-S1000Fというモデルは公式のPVを見れば分かる通りツアラーとして造ってない。

GSX-S1000FとGSX-R1000

「峠レベルならGSX-R1000を食える速さと楽しさを持ったフルカウルスポーツ」

というのがGSX-S1000Fなんです。

実際のところ企画段階でもキャリアやパニアをどうするかと相当議論されたそうなんですが結局は切り捨てる事にした。パニアなどを前提にするとシートフレームの補強が必須となり結果としてリアが重くなってスポーツ性が損なわれ、結果としてS1000でも話した通り

「GSXという牙が削がれる」

という事に繋がるからです。

GT79A

ヘッドライトのロー点灯が左側だけの片眼なのもそう。

ツアラーだったら少しでも明るい方が使い勝手がいいから両眼にする、でもGSX-S1000Fはツアラーじゃないから片眼。

1000Fヘッドライト

日本では片眼はあまり馴染みがなく好まれない傾向がありますが、欧州などでは片眼点灯は好まれるんですね。

何故なら欧州発祥であるバイクの祭典

『(耐久)レーサーっぽさ』

が出るから。

片眼点灯の耐久レーサー

これは消費電力の削減の狙いも少なからずあるかと・・・だってこのエンジンはギリギリまで詰めて開発されているGSX-R1000だから。

そう、何度も言いますがGSX-S1000Fには世界一速い市販車を決めるレースであるスーパーバイクにおいて2005年の王者に輝いたバイクのエンジンが載ってるんです。

何故それをツアラーと思うのか。

「中低速に振った145馬力でリニアな特性にしちゃったけど電子制御付けてるからセーフでしょ」

とかいうバイクがツアラーなわけはない。

S1000F各色

上の写真は公式のGSX-S1000Fのプロモーション写真なんですが何処か分かりますか・・・これアイリッシュ海に浮かぶマン島です。

あの公道をとんでもない速度で走って競う世界一有名なレースの聖地。なんでここを選んだのかといえばGSX-S1000Fはツアラーじゃないから。

ここを選んだ理由もこういうストリートを速く楽しく走れるバイクという事を念頭に開発されたバイクという事をアピールするためにほかならない。

「このオートバイはフェイクじゃない」

これはチーフエンジニアの佐原さんの言葉。GSX-S1000Fはツアラーじゃないし、SSのデチューンモデルでもない。

BEYOND THE SPORTBIKE

『BEYOND THE SPORTBIKE』

公道においてSSより速く、そして楽しく走れるように造られたロードゴーイングスポーツなんです。

参考
スズキGSX-Sスペシャルコンテンツ各種|GSX-S完全ファイル(ヤエスメディアムック)

主要諸元
全長/幅/高 2115/795/1180mm
シート高 810mm
車軸距離 1460mm
車体重量 214kg(装)
燃料消費率 19.2km/L
[18.7km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/10000rpm
[148ps/10000rpm]
最高トルク 10.7kg-m/9500rpm
[10.9kg-m/9500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,080,000円(税別)
[1,098,000円(税別)]
※[]内は17以降(GT79B)

年次改良

2017年:スリッパークラッチ及び3馬力アップ(GT79B型)

2019年:スロットルケーブルガイドをKATANAと同じ物に変更

系譜図
GSX-S1000 2015年
GSX-S1000
(GT79A/GT79B)
GSX-S1000F 2015年
GSX-S1000F
(GT79A/GT79B)
2001GSX-S1000 2021年
GSX-S1000
(EK1AA)
GSX-S1000gt 2022年
GSX-S1000GT
(EK1AA)

「GSX-S1000F(GT79A/GT79B) -since 2015-」への1件のフィードバック

  1. 「カウル付きストファイ」という定義になると思います。エンジンのピックアップが恐ろしく良いので繊細なアクセルワークが身に付きます。納車されてしばらくはトラコンを3で設定していてもコーナーの度にTRCモニターがピカピカしていました。
    荒れた路面でアクセルが不意に開いて振り落とされそうになってから、KATANAのスロットルパイプに変えて、開け始めを穏やかにしたらだいぶ乗りやすくなりました。軽くて小さいのにどっしりした車体は信頼感に溢れていて、不安なく乗ることができる良いバイクです。

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