GSX-R750(L1~)-since 2011-

11R750

「Truly A Class Of Its Own」

三年ぶりにフルモデルチェンジした十一代目GSX-R750のL1~型。

ビッグピストンフォークやBremboキャリパーなど豪華な装備が目に付きますが、一番凄いのはここに来て-8kgという大幅なダイエットをしたこと。

2013GSX-R750

重いバイクで-8kgならまだしも、既に軽く設計が古いわけでもないGSXでこれだけの減量は凄いの一言。

内約としては

・外装で3.5kg

・エンジン&フレーム&マフラーで各1kg

・その他ハーネスの長さ1mm単位でグラム単位の軽量化

などなど。

sketch

装備重量で190kgは初代より軽いんではなかろうか。

そしてもう一つ大事というか激変したのがホイールベースです。

フレーム

GSX-R750はもともとホイールベースが長く、モデルチェンジの度に短くなっていったんですが、それでも長く安定志向だった。

それが今回フレームを新設計し、スイングアームではなくメインフレームを短くする事で15mmも短縮。

ライバル並の短さになったことで、パッタンパッタン寝るクイックさが向上しました。

それともう一つ挙げておきたいのがエンジン。

L1エンジン

エンジンにも手直しが入ってるんですが、GSX-R750は軽くなった車重とは対照的に馬力トルク共にスペックは先代と変わっていません。

これはGSX-R750の場合、ピークパワーよりも中低域を重視したらチューニングを行ったからなんです。

規格外SSらしいなんとも渋い改良。

少し話がそれますが、数々のGSXシリーズに携わられたチーフエンジニアの飯尾さんが

「GSXとなるとサプライヤー(部品メーカー)の眼の色が変わる」

と面白いことを言っていました。

スズキという会社は内製の割合が小さく、多くの部品メーカーと連携するモノづくりをしています。

スズキ会長

「スズキは中小企業」

と鈴木会長が言うのはこれが理由。

スズキは入るお金も大きいけどそれだけ出て行く(サプライヤーに払う)お金も大きいんです。

しかしGSX-Rの場合これが良い方向に働いているんだそう。

なんでもサプライヤーが

「自慢の製品なので是非ともGSX-Rに」

と色んな物を持ってくるそう。

これが何故かと言うと、スズキには内製グループなどの縛りが無いから。部品選定が実力主義なんです。

だから

「そんな良いものを出してくれるのか」

と感動することが何度もあるほどGSX-Rのプロジェクトというのはプロジェクトメンバーだけでなくサプライヤーまで燃えるのが恒例だそうです。

GSX-R30周年

GSX-Rが常にトップパフォーマーだったのはこういった事も理由の一つなんでしょうね。

スズキのエンジニアが新製品発表の際にサプライヤーへの感謝の言葉を忘れないのもこれがあるから。

さて・・・2015年でGSX-R750は30年を迎えました。

30周年GSX-R750

比較的モデルライフの短い車種が多いスズキにおいて30年は文句なしの最年長。

日本ではもう600の副産物の様な扱いだけどアメリカでは

「GSX-Rといえば750だ」

という懐古的な考えを持ってる人が今でも少なくない。

ナナハンなんて日本だけの規格なのに日本よりアメリカの方がナナハンにこだわりを持ってるなんておかしな話ですよね。

歴代GSX-R750

代を重ねる毎に進化し続けるGSX-R750。

もう初代と現行では全く別のバイクになっていると思ってる人も多いでしょう。

見た目も違うしフレームも違う。油冷でもないしレースバイクでもなくなった。

2011GSX-R750

もはや初代から変わらない所なんて名前だけだと・・・でもそれは間違いです。そんなことはありません。

このGSX-R750が1985年に出てきたGSX-R750の血を引いてる事を表す部分があります。

しかもその部分はSSにとっては最重要な部分であり、変わらない事など本来なら有り得ない部分。

GSX-R750

それはボアストローク比。

初代GSX-R750は70mm×48.7mm、そしてこの十一代目GSX-R750も70mm×48.7mmです。

主要諸元
全長/幅/高 2030/710/1135mm
シート高 810mm
車軸距離 1390mm
車体重量 190kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 150ps/13200rpm
[149ps/12200rpm]
最高トルク 8.8kg-m/11200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前17|後45
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,310,000円(税別)
[1,210,000円(税別)]
※モトマップ価格
※[]内はUS仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

【関連車種】
CBR600RRの系譜YZF-R6の系譜ZX-6Rの系譜DAYTONA675の系譜

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