GSX-R750(L1~)-since 2011-

11R750

「Truly A Class Of Its Own」

三年ぶりにフルモデルチェンジした十一代目GSX-R750のL1~型。

ビッグピストンフォークやBremboキャリパーなど豪華な装備が目に付きますが、一番凄いのはここに来て-8kgという大幅なダイエットをしたこと。

2013GSX-R750

重いバイクで-8kgならまだしも、既に軽く設計が古いわけでもないGSXでこれだけの減量は凄いの一言。

内約としては

・外装で3.5kg

・エンジン&フレーム&マフラーで各1kg

・その他ハーネスの長さ1mm単位でグラム単位の軽量化

などなど。

sketch

装備重量で190kgは初代より軽いんではなかろうか。

そしてもう一つ大事というか激変したのがホイールベースです。

フレーム

GSX-R750はもともとホイールベースが長く、モデルチェンジの度に短くなっていったんですが、それでも長く安定志向だった。

それが今回フレームを新設計し、スイングアームではなくメインフレームを短くする事で15mmも短縮。

ライバル並の短さになったことで、パッタンパッタン寝るクイックさが向上しました。

それともう一つ挙げておきたいのがエンジン。

L1エンジン

エンジンにも手直しが入ってるんですが、GSX-R750は軽くなった車重とは対照的に馬力トルク共にスペックは先代と変わっていません。

これはGSX-R750の場合、ピークパワーよりも中低域を重視したらチューニングを行ったからなんです。

規格外SSらしいなんとも渋い改良。

少し話がそれますが、数々のGSXシリーズに携わられたチーフエンジニアの飯尾さんが

「GSXとなるとサプライヤー(部品メーカー)の眼の色が変わる」

と面白いことを言っていました。

スズキという会社は内製の割合が小さく、多くの部品メーカーと連携するモノづくりをしています。

スズキ会長

「スズキは中小企業」

と鈴木会長が言うのはこれが理由。

スズキは入るお金も大きいけどそれだけ出て行く(サプライヤーに払う)お金も大きいんです。

しかしGSX-Rの場合これが良い方向に働いているんだそう。

なんでもサプライヤーが

「自慢の製品なので是非ともGSX-Rに」

と色んな物を持ってくるそう。

これが何故かと言うと、スズキには内製グループなどの縛りが無いから。部品選定が実力主義なんです。

だから

「そんな良いものを出してくれるのか」

と感動することが何度もあるほどGSX-Rのプロジェクトというのはプロジェクトメンバーだけでなくサプライヤーまで燃えるのが恒例だそうです。

GSX-R30周年

GSX-Rが常にトップパフォーマーだったのはこういった事も理由の一つなんでしょうね。

スズキのエンジニアが新製品発表の際にサプライヤーへの感謝の言葉を忘れないのもこれがあるから。

さて・・・2015年でGSX-R750は30年を迎えました。

30周年GSX-R750

比較的モデルライフの短い車種が多いスズキにおいて30年は文句なしの最年長。

日本ではもう600の副産物の様な扱いだけどアメリカでは

「GSX-Rといえば750だ」

という懐古的な考えを持ってる人が今でも少なくない。

ナナハンなんて日本だけの規格なのに日本よりアメリカの方がナナハンにこだわりを持ってるなんておかしな話ですよね。

歴代GSX-R750

代を重ねる毎に進化し続けるGSX-R750。

もう初代と現行では全く別のバイクになっていると思ってる人も多いでしょう。

見た目も違うしフレームも違う。油冷でもないしレースバイクでもなくなった。

2011GSX-R750

もはや初代から変わらない所なんて名前だけだと・・・でもそれは間違いです。そんなことはありません。

このGSX-R750が1985年に出てきたGSX-R750の血を引いてる事を表す部分があります。

しかもその部分はSSにとっては最重要な部分であり、変わらない事など本来なら有り得ない部分。

GSX-R750

それはボアストローク比。

初代GSX-R750は70mm×48.7mm、そしてこの十一代目GSX-R750も70mm×48.7mmです。

主要諸元
全長/幅/高 2030/710/1135mm
シート高 810mm
車軸距離 1390mm
車体重量 190kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 150ps/13200rpm
[149ps/12200rpm]
最高トルク 8.8kg-m/11200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前17|後45
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,310,000円(税別)
[1,210,000円(税別)]
※モトマップ価格
※[]内はUS仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

【関連車種】
CBR600RRの系譜YZF-R6の系譜ZX-6Rの系譜DAYTONA675の系譜

GSX-R750(K8/K9/L0)-since 2008-

08GSX-R750

「More than sportbike」

顔が突然変異した十代目GSX-R750のK8/K9/L0型。

GSX-Rのトレードマークとも言える縦二眼から横三眼(中央プロジェクターLOW/左右マルチリフレクターHIGH)に。

K8

この大変貌を遂げた時の反応が両極端だったを非常に覚えています。

伝統となりつつあった縦目二眼のヒール顔がアイデンティティだと思ってる人には不評でした。

でも一方でスズキとしては珍しいイケメン顔に心打たれた人も多かった。

正に意見が真っ二つ。スズキはそういうデザインが得意ですよね。

2010GSX-R750

中身の方は出力モードが選べるS-DMSが追加され、更に電子制御ステアリングダンパーも追加と順当な進化。

そしてこれは25周年記念モデル。

25周年

レギュレーションから外れようとも絶対に止めない。

その事を表す意志表示みたいですね。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1405mm
車体重量 167kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 150ps/12200rpm
最高トルク 8.8kg-m/10600rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前17|後45
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,270,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(K6/K7)-since 2006-

06R750

「No Competition」

残念ながら国内には入ってこなかった九代目GSX-R750のK6/K7型。

第三世代としては初のフルモデルチェンジ。

新設計エンジン&フレームで恐ろしいほどコンパクト化されたわけですが、これはGSX-R600をベースに750を造るようになった事が大きな要因。

こう聞くとGSX-R750は

”ついでに出されたGSX-R”

と思いがちですがそれは全然違います。

GSX-R750はレースというレギュレーションから解き放たれた事で大きく生まれ変わりました。

その象徴となるのがバランサーの装着です。

バランサー

バランサーというのは簡単に言うとエンジンの振動を消す錘。

これを組み込むと目に見えて振動が減ります・・・が、同時にクランクのエネルギーを削ぐ事にもなるので馬力が少し落ちる。

これこそがGSX-R750が生まれ変わった証。

バランサー付きって簡単に言いますがギチギチ設計なうえにオイルを叩いて撹拌しないようにするために複雑化して大きなコスト増になるし、単純な速さだけを求めるならば要らない装備。

K6壁紙

じゃあなんで入れたのかって言えばGSX-R750が

「No Competition(規格外)」

になったから。

とにかく速さだった状況から、粗のない上質なエンジンフィールと加速を持つSSに生まれ変わらせるため。

本当に面白いですよね。

これによってレースをするならGSX-R750と言われていたのが、レースに使わないならGSX-R750となったんですから。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 163kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 150ps/13200rpm
最高トルク 8.8kg-m/11200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前17|後45
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格
※国内販売なし
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(K4/K5)-since 2004-

04R750

「The Winning Balance」

八代目GSX-R750のK4/K5型。

GSX-R750が復活すると誰が予想したでしょう。

それもフロントラジアルマウントキャリパーにチタンバルブの採用で148馬力と全力のモデルチェンジ。

1985年からという老舗のプライドがそうさせたとしか思えませんね。

ところで皆さんGSXというと

「GSXは海外で大人気」

とか

「スズキはアメリカで人気」

とか聞いたことありませんか。

GSX-R750カタログ写真

残念ながらスズキやGSXが海外で大人気かと言われればそうとも言えません。基本的に国内シェアと似たり寄ったりな状況。

じゃあ嘘なのかと言えばそうでもない。

GSX-R750が絶大な一部で人気を誇っていたのは本当なんです・・・それはアメリカのプライベーターやアマチュアレーサーという人たちに。

アメリカンモーターサイクルアソシエーション

アメリカのバイクレースと言えばAMAが有名ですが、それ以外にも色んなアマチュアレースが各地で行われています。

アマチュアレースは日本でもそれほど珍しくはないのですが、アメリカの素晴らしい所はアマチュアレースといえど企業がガッチリ協賛している事。

つまり優勝したら賞金が出るんです。規模にもよりますが、優勝したら1000ドル前後ほど貰える。

しかもアマチュアレースなので国際レースなどと違い何十周もしないので、場合によっては1時間もかからずに1000ドル稼げたりする。

レギュレーションは後軸馬力で定められていたりもしますが、基本的にAMAと同じ四気筒750cc(当時)まで。

そんなレースでベストなバイクは何かといえばGSX-R750だったわけです。

2004R750

各メーカーが高価なホモロゲモデルというアマチュアを振り落とす様な手段に出たのに対し、スズキだけは誰でも買えるスーパースポーツとしてGSX-R750を出していた。

だからアメリカのレーサーにおいてGSX-R750というのは

「速くて安くて壊れない上に、人気があるから売る時も高い」

という完璧なバイクだった。

このため系列の垣根が無いチームはほぼ全てといっていいほどGSX-R750でした。

GSX-R750というのはアマチュアレーサーの夢を支えるスーパースポーツだったわけです。

ケビン・シュワンツ

レジェンドであるケビン・シュワンツ

MotoGP王者に輝いたニッキー・へイデン

AMAで何度も優勝したベン・スピーズ

歴史に名を刻んだアメリカ出身のライダー達は例外がないと言っていいほど皆GSX-R750で勝った事で成り上がった人たち。

勝てるバイク、アメリカンドリームを掴むためのバイクだったGSX-R750。

そんなもんだからレースでも何処のバイクが勝ったかなんて聞かれない。

アメリカのレース

「今日は誰が勝ったんだ?」

たったこれだけで全てが分かるんです。

主要諸元
全長/幅/高 2055/715/1150mm
シート高 825mm
車軸距離 1400mm
車体重量 163kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 148ps/12800rpm
最高トルク 8.8kg-m/10800rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.8L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 1,130,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(Y)-since 2000-

00R750

「Racer Replica Redefined」

第三世代となった七代目GSX-R750のY型。

長男坊として登場したGSX-R1000とほぼ同じ形だから見覚えのある人も多いのではないかと。

これからしばらくGSX-Rシリーズは1000・750・600とデザイン(開発チーム)統一して行くことになります。

GSX-R750Y

さてこの七代目ですが、141馬力の166kgと期待を裏切らないどこか腰が抜けるほどの性能を引き下げ、JSB(全日本ロードレース選手権)で、も当たり前のように優勝。

”サーキットといえばGSX-R750”

という勇姿を誇示したわけです・・・

2000GSXR750

・・・わけですが、残念なことに数年後からレース規格が四気筒1000ccに拡大する事が決定。

つまりこのGSX-R750は完全に要らない子になってしまった。

この事から巷でも

「GSX-R750はお役御免」

という声が殆どを占めました。

そして悲しいことに名残を惜しまれるどころか

GSX-R1000

「ナナハンなんて時代遅れ」

とみんなGSX-R1000の方に夢中に。

もうレースにも市場にも居場所が無くなってしまったわけですね。

サイド

ただそれでもスズキはGSX-R750を止めませんでした。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1135mm
シート高 830mm
車軸距離 1135mm
車体重量 166kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 141ps/12500rpm
最高トルク 8.4kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(W)-since 1998-

コブ

「The Future is Black and White.」

第二世代のラストを飾る六代目GSX-R750のW型。

カム形状の見直しとデュアルバタフライ式のFIを初めて採用し馬力を135馬力にまでアップ。

そしてこのモデルから国内仕様は廃止され逆輸入車のみになりました。

カタログ

少し話を巻き戻すとGSX-R750は92年モデルで水冷エンジンとなり、一つ前の96年モデルでセンターカムチェーンからサイドカムチェーンと、二段ジャンプのような改良を遂げました。

ここで少し疑問なのが

「なぜ最初からサイドではなく、センターなんて回り道をしたのか」

って事。

この頃は既にサイドカムチェーンなんて珍しくも時代です。

分からない人のために補足するとカムチェーンというのは上の赤い部分で文字通りカム(バルブ)を動かすチェーン。

カムチェーン

四輪ではベルトが主流でタイミングベルトとか言われてますね。最近は四輪の方も技術向上でチェーン採用が増えているようですが。

四輪が再びチェーンを採用にするようになったのはずっとチェーンが主流だった二輪による技術向上の恩恵なんじゃないかと思ったり・・ってそんな話はどうでもいいですね。

サイドカムチェーン

センターカムチェーンよりサイドカムチェーンが優れている部分はまず軸受を減らせる事にあります。

軽量&コンパクトに出来て、フリクションロスも減らせるメリットがあるんですね。

そして吸気をストレートに出来るので吸気効率も上がる。

センターカムチェーンとサイドカムチェーン

SSがサイドカムチェーンなのはこういう理由があるわけです。

GSX-R750はパワーを取るために水冷化した。なのにカムチェーンはセンターを取った。

何故かのか理由を調べてみると・・・

「センターカムチェーンの方がエンジンが美しいから」

というSSらしからぬ理由でした。

サイドカムチェーンというのは文字通りカムチェーンを通すトンネルがサイドに来るわけです。

サイドカムチェーン

カムチェーンのトンネル分だけ手前が盛り上がってるのが分かるでしょうか。

サイドカムチェーン方式の場合こうなって当たり前なんですが、このためエンジンの造形がアシンメトリー(左右非対称)になる。

これが気に食わなかったそう。

対してセンターカムチェーンの場合はトンネルが真ん中に来るのでシンメトリー(左右対称)になる。

センターカムチェーン

「随分と小さい事にこだわるな」

と思うわけですが、実はこの

「サイドカムチェーンの造形が好きではない」

という声はこのGSX-R750に限った話じゃなく、ホンダやヤマハから(何の車種か失念)も聞いた記憶があります。

1998GSX-R750カタログ写真

一般人からしたら些細な事と思うわけですが、クラフトマンシップを持ったエンジニア達からすると些細な事ではないんでしょう。

にしたってGSX-R750はフルカウルでエンジンはそれほど見えないのに・・・油冷エンジンの細かすぎるフィン造形といい、機能美に一番うるさいのは実はスズキだったりするのかもしれませんね。

主要諸元
全長/幅/高 2055/720/1135mm
シート高 830mm
車軸距離 1395mm
車体重量 179kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/10000rpm
[130ps/11500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/7500rpm
[8.3kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後190/50R17(69W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 1,028,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(T/V)-since 1996-

1996GSX-R750

「Built to Win」

遂にツインスパーフレームとなった五代目GSX-R750のT/V型。

それまでほぼ二年毎だったモデルチェンジではなく、四年ぶりとだった事もあり大きく生まれ変わりました。

サイドカムチェーン化に加え、三分割クランクレイアウトなどで更にコンパクトになった新設計エンジン。

そしてフレームもワークスマシンRGV-Γのディメンションを参考に作られたツインスパーフレーム。

GSX-R750T/V

レースや市場の人気に陰りが見えてきた状況を何とか打破するため白紙から設計されただけの事はある大変貌。

遂に油冷でもダブルクレードルフレームでもない、それまでのGSX-R750ブランドと完全に決別する事に。

しかしそのおかげで初代と同じ乾燥重量179kgという圧倒的な軽さ。そしてその軽さから来るハンドリングと速さが非常に高く評価されました。

96GSX-R750カタログ写真

初代と決別する事で初代のインパクトを取り戻した五代目。

新世代とも原点回帰とも取れるモデルですね。

主要諸元
全長/幅/高 2055/720/1135mm
シート高 830mm
車軸距離 1400mm
車体重量 179kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/10000rpm
[130ps/11500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/7500rpm
[8.1kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後190/50R17(69W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 988,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(WN/WP/WR/WS/SP)-since 1992-

92R750

「継承される魂」

第二世代の始まりにあたる水冷化された四代目GSX-R750のWN/WP/WR/WS/SP型。

水冷化でW(Water)という文字が追加されたモデルですが、このWは四代目だけで以降のモデルでは付いてなかったりします。

ただこのエンジンはオイルジェットといった油冷によって生まれた機構も合わさっている水冷というより水油冷みたいなエンジン。

92R750

写真がなくて申し訳ないのですが、カウルを向くとそこには油冷としか思えない造形のエンジンが鎮座しています。

さて、このモデルでもう一つ挙げたいのが最後のダブルクレードルフレームということ。

皆さんご存知のようにSSといえばエンジンを挟む様に伸びるツインスパーフレームが一般的で、ダブルクレードルフレームと言えばネイキッドなどの比較的性能を追わないバイクに採用されているタイプですよね。

ツインチューブフレーム

写真はSSではなくメガスポのHAYABUSAですが、まあGSX-R1300みたいな物なんで突っ込まないでください。

実はGSX-R750も早々にツインスパーを検討していました。しかし中々ダブルクレードルフレームを変える事が出来なかったんです。

これが何故かというと

『油冷エンジン×アルミダブルクレードル』

がGSX-R750のアイデンティティだったから。

水冷化を敢行する際に営業サイドから

「ダブルクレードルフレームだけは変えないでくれ」

と懇願されていたんです。

1992GSX-R750

だから簡単にフレームまで変えることは出来なかった。ブランド車にありがちな悩みですね。

その結果がこの水油冷エンジンにダブルクレードルフレームという進化途上の様なGSX-R750というわけ。

R750SPR

94年からはレギュレーションの変更に合わせるために乾式クラッチや大径キャブ、クロスミッションなど予め装備したSPモデルが登場しました。

主要諸元
全長/幅/高 2070/735/1140mm
シート高 830mm
車軸距離 1435mm
車体重量 210kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/9500rpm
[118ps/11500rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
[7.4kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58H)
後170/60-17(72H)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.0L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 898,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(L/M)-since 1990-

90R750

「Direct Access Racing Technology」

三代目となるGSX-R750のL/M型。

ここまでが一般的に第一世代と言われています。

変更点としては

・B/S比の見直し(ロングストローク化)

・マフラーの4to1化

・キャブレターの大径化

・リアタイヤのワイド化

などなど、先に紹介した限定ホモロゲGSX-R750Rに準ずる変更。

GSX-R750M

さらに先代にはなかった倒立フロントフォークを国産750としては初の採用しているのが特徴です。

さて・・・ここまでが第一世代と言われています。

それは油冷エンジンがこのモデルまでだから。

R750油冷ファイナル

正確に言うとこのスラントノーズ一枚レンズになったこの91年M型が最終モデルです。

当時スズキといえば油冷、油冷といえばスズキと言われていました。

GSX-R750M

にも関わらず何故油冷を諦めたのかといえば、レースにおいて限界を迎えたから。

馬力がどんどん上がって発熱量が増えていった事で、オイル高温化による急速な劣化を起こしパワーロスを生じるようになったんです。

SACS

しかしパワーを上げれば上げるほど熱は増える一方・・・だから水冷に舵を切る事となった。

ただしコレはあくまでも夏の耐久レースでの話であって、公道ではあまり関係のない話なんだけどGSX-R750はあくまでもレーサー。

GSX-R750カタログ写真

何よりも速さを取る事は必然だったわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2065/725/1125mm
<2065/725/1145mm>
シート高 790mm
車軸距離 1420mm
車体重量 193kg(乾)
<208kg(乾)>
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 747cc
最高出力 77ps/9500rpm
[115ps/11000rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後170/60-17
<前120/60-17>
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 839,000円(税別)
※[]内はEU仕様
※<>内は89年式
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(J/K/RK)-since 1988-

88R750

「偉大なるディティールの集合体である。」

1988年にフルモデルチェンジされ二代目となったGSX-R750のJ/K型。

カウルデザインが新しくなったのは見て分かる通りで、他にも

・エンジンがショートストローク化

・ホイールベースの大幅な短縮

・前後17インチ化

・新型フレーム

などなど改良は多岐にわたっています。

1988GSX-R750カタログ写真

中でも一番凄いのはフレーム。

新しくなったわけですが、ただ新しくなったわけではありません。

初期型のフレームをベースに更に軽量化しようと試行錯誤を繰り返してる内にある名案が生まれました。

それは

「もういっそレーサー(TT-F1)のフレームを使う方が早いし確実」

というもの。

1989GSX-R750

元々ワークスマシン担当だったメンバーの提案。

それが結論となり、更には企画が通るっていう・・・つまりこのR750は多少の変更は加えつつもレーサー直系なんです。

そして翌年に出たのが一目置かれるR750の中でも更に一目置かれるGSX-R750R(通称RKまたはSP)というモデル。

GSX-R750RK

パッと見はあまり変わらないように見えますが中身はほぼ別物と言えるレース前提のホモロゲマシン。

Φ40スリングショットキャブに4to1マフラー、フレームやスイングアーム補強などなど。

でも一番凄いのはエンジン。

88年モデルがビッグボアショートストローク化(70*48.7から73*44.7)されたのはレース側から要望に応える為だったんだけど、いざレースが始まるとオーバヒートによるトルク低下を招いてしまった。

GSX-R750R

そのため新たにレースの為に70*48.7という初代と同じボアストローク比の新造エンジンをわざわざ造った。

当然ながら先代のエンジンそのままではなく、ピストン・コンロッド・クランクなど全てが専用品かつ選別品。

とってもゴージャスなGSX-R750というわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2055/730/1100mm
{2070/730/1110mm}
シート高 830mm
[785mm]
車軸距離 1405mm
{1400mm}
車体重量 195kg(乾)
{187kg(乾)}
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 747cc
最高出力 77ps/9500rpm
[112ps/11000rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58H)
後160/60-17(69H)
{前130/60-17(58H)
後170/60-17(69H)}
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
JR9C
{CR9EK}
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.8L
交換時4.5L
フィルター交換時4.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ530|リンク108
<サイズ530|リンク106>
車体価格 849,000円(税別)
{1,650,000円(税別)}
※[]内はEU仕様
※{}内はGSX-R750R
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)