「The Winning Balance」
八代目GSX-R750のK4/K5型。
GSX-R750が復活すると誰が予想したでしょう。
それもフロントラジアルマウントキャリパーにチタンバルブの採用で148馬力と全力のモデルチェンジ。
1985年からという老舗のプライドがそうさせたとしか思えませんね。
ところで皆さんGSXというと
「GSXは海外で大人気」
とか
「スズキはアメリカで人気」
とか聞いたことありませんか。
残念ながらスズキやGSXが海外で大人気かと言われればそうとも言えません。基本的に国内シェアと似たり寄ったりな状況。
じゃあ嘘なのかと言えばそうでもない。
GSX-R750が絶大な一部で人気を誇っていたのは本当なんです・・・それはアメリカのプライベーターやアマチュアレーサーという人たちに。
アメリカのバイクレースと言えばAMAが有名ですが、それ以外にも色んなアマチュアレースが各地で行われています。
アマチュアレースは日本でもそれほど珍しくはないのですが、アメリカの素晴らしい所はアマチュアレースといえど企業がガッチリ協賛している事。
つまり優勝したら賞金が出るんです。規模にもよりますが、優勝したら1000ドル前後ほど貰える。
しかもアマチュアレースなので国際レースなどと違い何十周もしないので、場合によっては1時間もかからずに1000ドル稼げたりする。
レギュレーションは後軸馬力で定められていたりもしますが、基本的にAMAと同じ四気筒750cc(当時)まで。
そんなレースでベストなバイクは何かといえばGSX-R750だったわけです。
各メーカーが高価なホモロゲモデルというアマチュアを振り落とす様な手段に出たのに対し、スズキだけは誰でも買えるスーパースポーツとしてGSX-R750を出していた。
だからアメリカのレーサーにおいてGSX-R750というのは
「速くて安くて壊れない上に、人気があるから売る時も高い」
という完璧なバイクだった。
このため系列の垣根が無いチームはほぼ全てといっていいほどGSX-R750でした。
GSX-R750というのはアマチュアレーサーの夢を支えるスーパースポーツだったわけです。
レジェンドであるケビン・シュワンツ
MotoGP王者に輝いたニッキー・へイデン
AMAで何度も優勝したベン・スピーズ
歴史に名を刻んだアメリカ出身のライダー達は例外がないと言っていいほど皆GSX-R750で勝った事で成り上がった人たち。
勝てるバイク、アメリカンドリームを掴むためのバイクだったGSX-R750。
そんなもんだからレースでも何処のバイクが勝ったかなんて聞かれない。
「今日は誰が勝ったんだ?」
たったこれだけで全てが分かるんです。
主要諸元
全長/幅/高 | 2055/715/1150mm |
シート高 | 825mm |
車軸距離 | 1400mm |
車体重量 | 163kg(乾) |
燃料消費率 | – |
燃料容量 | 17.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC四気筒 |
総排気量 | 749cc |
最高出力 | 148ps/12800rpm |
最高トルク | 8.8kg-m/10800rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YT12A-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR9E または U27ESR-N |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.6L 交換時2.8L フィルター交換時3.1L |
スプロケ | 前17|後43 |
チェーン | サイズ525|リンク110 |
車体価格 | 1,130,000円(税別) ※モトマップ価格 |