YZF-R6の系譜

YZF-R6
(BN6)
-since 2017-

2017YZF-R6

「Refined. Redesigned. Remarkable. 」

EURO4やABSの義務化に伴った9年ぶりのモデルチェンジで従来のコンセプト「優れたサーキットパフォーマンスと、ワインディングでの高次元パフォーマンス」に「次世代R-DNA」をプラス。

2017YZF-R6サイド

見て分かる通り2015年に出たYZF-R1の流れを汲んだデザインとなりました。ただサイドカウルの尖った先端はR6らしさが残ってますね。

新設計のカウルデザインによりCdA値(空気抵抗)が8%向上し最高速が伸びたとの事。

2017YZF-R6ヘッドライト

ちなみにR1同様に光ってる部分はポジションライトでアッパーカウルの下に付いてる丸いレンズが本体。左がロー、右がハイ。当然ながらヘッドライトのみならずウィンカーまでもがLEDとなってます。

 

パッと見だとカウルデザインが変わっただけのように見えるけど、新しくABSと6段階トラクションコントロールシステムそして出力モードを切り替えられるD-Modeが採用されました。

壁紙

ABSは義務化だしトラクションコントロールシステムやD-ModeはSSとしては既に珍しくもなくどちらかというと少し今更感がありますね。R6に至っては電スロ化(YCC-T)は早かったから遅すぎると言えなくもない。

シートフレームは新設計され幅が約20㎜スリム化。ただし脅威のシート高850mmはそのまま。他にはこれまたR1と同様に従来よりも1.2kg軽いアルミタンクとなりABS分の重量増を相殺。さらにクイックシフター(シフトアップのみ)もOPで用意。

他の変更部分もモデルチェンジというよりもアップグレードに近く、足周りの変更点としてはフロントフォークインナーがR1と同径(φ41㎜→φ43㎜)になりディスクローターも10mm大きい320mmに変更されブレーキキャリパーもR1のものを装備。

 

2017YZF-R6フューチャーマップ

馬力などスペックはEURO4の関係で118馬力と少しダウン。その代わりEU準拠の規制になったのでEUと同じフルパワー仕様。

 

ウィリーコントロールなどのIMU(慣性計測装置)やビッグピストンフォークといった流行りの装備していない点を見るにR1とは対照的にR6はスペックを上げることよりも価格を抑える事に重点が置かれているように見えますね。それでもアメリカ価格を参考にすると恐らく180万円前後のようですが。

2017YZF-R6メーター

というのも600のスーパースポーツもブームが去った事によって(販売計画から見るに)市場が全盛期の1/5程度にまで縮小。

まあR6だけで既に欧州だけで16万台も売ったわけですから需要を満たした面もあると思いますが・・・そりゃ600SSを止める所が出てくるのも無理ないわって話ですよね。

 

しかしヤマハはそんな中に置いても対照的に全力投球。モデルチェンジのみならずWSS(市販600世界レース)へのワークス(ヤマハ ファクトリー レーシング)再参戦を表明しました。

WSS2017R6

市場が縮小し利益が出ない事からライバルたちがどんどん撤退していていく中において全力投球をするのは、ヤマハの根本にあるのがレースである事。そしてR6がミドルスーパースポーツという看板を背負っていく事の表れかと。

 

ただ一つ面白いのは

「ワークスで出て勝つためにもトラクションコントロールシステムを採用して万全の体制にしたのか」

と思いきや、実はWSSは2016年からトラクションコントロールシステムが禁止になってます。だからこのワークスマシンもトラコンは切ってある・・・なんか宝の持ち腐れ感が。まあこれはレースであって一般的な用途においてはありがたい装備ですけどね。

WSSが禁止したのもそうですが

「トラクションコントロールシステムは甘え」

と言われるほど恩恵は凄まじいものがあります。

※WSSで2017年チャンピオンを獲得

 

 

ここで締めればいいのに少し小言・・・

2017YZF-R6白

絶対にR6を"R1の縮小版"とは思わないでください。

オーナーからの苦情を覚悟で言わせてもらいますが、もし周りでR6を

「言われるほど乗り辛くない」

とか

「日常やツーリングでも使える」

などと言ってる人が居たらそれは間違いなくR6の本性を知らないか、アタマのネジが外れたセミプロのような人です。

LED

スーパースポーツというのはR6に限らず基本的にサーキットが主戦場なので、どうしても日常的な走りは苦手です。キツいポジション、高すぎる回転数、硬いサスペンションなど。

ただメーカーも数を売らなければいけないので(一部のホモロゲや外車SSを除き)可能な限り一般ユーザーが使うであろう用途も考えて作っているのが実情です。

しかしR6の場合それがほとんど無い。恐らく99%のライダーがR1とR6を乗り比べたらR1の方が速いし楽しいし乗りやすいと感じるでしょう。

YZF-R6は

「公道のための1を取るくらいならサーキットの0.1を取る」

というようなモデルなんです。

LED

R6はR1の縮小版ではなく"濃縮版"です。ルックス買いをしてはいけないSSの代表格といえるでしょう。

ただ勘違いしてほしくないのはR6はピーキーなスーパースポーツではありません。むしろ反対でR6はライダーの入力に何処までもダイレクトに応えてくれる本当の意味でピュアなスーパースポーツです。

だからこそ99%の人間には向いていない。

 

それでもなお

「YZF-R6が良いんだ、R6が欲しいんだ」

というなら買えばいいです。ただ絶対に興味がなくとも一度はサーキットを走ってみてください。

2017YZF-R6壁紙

R6でサーキットを走れば自分が今どの程度のライディングスキルを持っているのか否が応でも教えられ、ほんの一瞬かもしれないけど多くのサーキットユーザーを掴んで離さない魅力の片鱗を、1を捨て0.1を取った理由を感じ取る事が出来ると思います。

そしてそれを知ったあなたはYZF-R6がもっと好きになり・・・トランポの検討を始めるでしょう。

【関連車種】

CBR600RRの系譜
GSX-R600の系譜
ZX-6Rの系譜
DAYTONA675の系譜

主要諸元

全長/幅/高 2040/695/1150mm
シート高 850mm
車軸距離 1375mm
車体重量 190kg(装)
燃料消費率 -
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 118ps/14500rpm
最高トルク 6.3kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ532|リンク116
車体価格 1,450,000円(税別)
※プレスト価格

系譜図

1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HH/3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2005YZF-R6 2005年
YZF-R6
(5SL後期)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S)
2010YZF-R6 2010年
YZF-R6
(13S後期)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)