
「The POWER to SATISEY」
YZFというヤマハスーパースポーツの名前を冠しているだけあって、かなり攻撃的なスタイルになったYZF600Rサンダーキャット。

デザインが先鋭的な物になっているものの、パワーユニットは基本的に一部の国で併売されていた先代と変わらずポジションもそこまで前傾がキツくないツアラー寄りなポジションに。
先のページでも話した通り、この頃になると欧米で600ccスポーツ熱が非常に高まっていて各地でレースも行われる様になっていたんですが・・・

そんな背景があるにも関わらず何故YZF600Rをカリカリにしなかったのかというと当時のヤマハはスポーツに対する考えが違ったから。

YZF1000Rでも話したんですがヤマハは当時
「大型スポーツにはゆとりが必要」
と考えていてカリカリのスーパースポーツを造ることを良しとしてなかったんです。
これは日本の三ない運動はもちろん欧州でも70年代後半に同じ様に社会問題化した事が少なからずあったかと。ヤマハは欧州では人気メーカーですからね。

だから速さを取りつつもゆとりのある性格やポジションのバイクを心がけていた。実際ディバージョンなんかはそれで大成功を収めていたわけですし。
そしてそれはミドルでも例外ではなく結果としてYZF600Rも速いんだけど楽なポジションのミドルスポーツという形になったというわけ。
そんなYZF600Rは一応日本でも販売されていました。

しかし覚えてる人はだれも居ないくらい・・・スーパースポーツブームが去った今
「楽なポジションのミドルYZFですよ」
って出したら結構人気が出ると思うんですけどね。時のうつろいとはよく言ったもんです。

ちなみに今ではお馴染みであるこのブルーストロボが初めて採用されたオンロードスポーツは実はこのYZF600R Thundercatだったりします。
ヤマハはこの後スポーツに対する考えをガラッと変えるわけですが、保守的な考えをしていたヤマハの最後のバイクが革新的な考えを代表するヤマハカラーを初めて纏ったバイクというのは何とも感慨深い。
主要諸元
| 全長/幅/高 | 2060/725/1190mm |
| シート高 | 805mm |
| 車軸距離 | 1415mm |
| 車体重量 | 212kg(装) |
| 燃料消費率 | – |
| 燃料容量 | 19.0L |
| エンジン | 水冷4サイクルDOHC4気筒 |
| 総排気量 | 599cc |
| 最高出力 | 100ps/11500rpm |
| 最高トルク | 6.7kg-m/9500rpm |
| 変速機 | 常時噛合式6速リターン |
| タイヤサイズ | 前120/60ZR17(55W) 後160/60ZR17(69W) |
| バッテリー | YTX12-BS |
| プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR9E または U27ESR-N |
| 推奨オイル | ヤマルーブ プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス |
| オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.5L 交換時2.6L フィルター交換時2.9L |
| スプロケ | 前15|後47 |
| チェーン | サイズ530|リンク108 |
| 車体価格 | – |








