「V-twin Fan Machine」
TL1000Sの後釜を引き受ける形となったSV1000/SのVT54A型。
フレームを一新し倒立フォークから正立フォークへ変更し、リアもロータリーダンパーからオーソドックスなボトムリンク式モノサスへ。
フレームもアルミトラスという過剰と思えるほど贅沢なものになりました。
更にたくましく角ばったフレームになったわけですが、そんな見た目とは裏腹にSV1000は先代に当たるTLがクレイジーな楽しさだったのに対しVツインをファン出来る楽しさを持ち合わせたモデルになっています。
これは弟分として登場したSV650がその路線で欧州で最大の成功を収めたと言っても過言ではない程の人気となったからでしょうね。
ただアンダーカウルや二本出しマフラーなどリッターの兄貴分として恥ずかしくない装備が加えられており、性能も相変わらず海外仕様で116馬力と侮れないモノを持っています。
ちなみに当時トレンドだったツリ目二眼なんだけど何とも言えない顔。
ツリ上がってないツリ目というか・・・欧州人から言わせるとコレが最高にセクシーなんだそうです。
コッチはレアな無印ネイキッドモデル。
太く逞しいアルミトラスフレームの存在感が増すけどまず観ること無いレアなモデル。
ちなみにSV1000には従兄弟の様なモデルが居ます。
それはイタリアのCAGIVAがSV1000が出る少し前の1999年末に発表した『RAPTOR(ラプトール)』というモデル。
TL1000Sのエンジンをクロモリトラスフレームに積んだモデルです。
恐らく多くの人が
「MONSTERみたい」
と思われるかと。
それも当然な話で、このラプトールのデザイナーは何を隠そうMONSTERの生みの親であるミゲールさんがデザインしたもの。
つまり
『CAGIVA×SUZUKI×MONSTER』
で誕生した亜種MONSTERまたは元祖水冷MONSTERと言えなくもないバイクなんですね。
CAGIVAの車種でもMITOと並んで人気だったようで後に650も追加されロングセラーとなりました。
そんな亜種MONSTERにも、そしてこのSVにも積まれているTL1000譲りのエンジンなんですが、先に言った様にセミカムギアトレーンという珍しいカム駆動をします。
カムギアトレーンというのはホンダのCBR250/400RRやVTR1000SPでお馴染みなので知ってる人も多いと思います。
カムを一般的なチェーンではなくギアで回す方法ですね。
そうすることでフリクションロスの軽減とバルブを(チェーンより)正確に動かせる事による高回転化が可能となるわけです。
ではセミカムギアトレーンは何がセミなのかというと、カムシャフトを回してるのはギアなんですが、そのギアを回してるギアはチェーンなんです。
斬新なフレームにハイブリットの様なカム駆動という特徴だらけなSV1000なんですが、実はコダワリポイントはそれだけじゃない。
SV1000の隠されたこだわりポイント・・・それは足回り。どんな乗り方をしても、どんなシーンでもラインを自由自在に変えられる様にワンランク上の足回りが奢られている。
中井サブプロジェクトリーダーいわくSV1000のコンセプトを実現させるため。
「決して裏切らないバイク」
というのがSV1000なんです。
※2005年モデルでフレーム回りをブラック化し吸排気と圧縮比を見直し124馬力へマイナーチェンジ
主要諸元
全長/幅/高 | 2135/785/1080mm [2130/745/1170mm] |
シート高 | 800mm [810mm] |
車軸距離 | 1450mm [1435mm] |
車体重量 | 186kg(乾) [189kg(乾) ] |
燃料消費率 | 29.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 17.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 995cc |
最高出力 | 93ps/8500rpm {116ps/9000rpm} |
最高トルク | 9.2kg-m/7000rpm {10.4kg-m/7200rpm} |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | FTX14-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR8EK |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.3L 交換時2.7L フィルター交換時2.9L |
スプロケ | 前17|後39 {前17|後40} |
チェーン | サイズ525|リンク110 {サイズ530|リンク110} |
車体価格 |
900,000円(税別) |
コメント出来るようになってたので記念に…
後期のSV-Sに乗ってます。
リッターのパンチ力、ツインらしいトルク感とハンドリングで、扱い易いのに飽きの来ない楽しいバイクです。
にゃーにゃーとカムギアが鳴くのもチャームポイントですね。
1050エンジンでSVも復活させて欲しいな…。