TL1000R(VT52A)-since 1998-

TL1000R

「Super V-Twin, Unleashed」

TL1000といえばコッチを思い浮かべる人が多いと思うTL1000R。

これは先に述べた通りレースに出場するために生み出されたスーパースポーツバージョン。

レース仕様

Sと違ってレース前提だから更に剛性を上げたツインスパーフレームにデュアルインジェクション、更に足回りを硬めに調整。

正にホモロゲという感じだけど、TL1000Sから一年の猶予があった事でSと比べるとこう見えて(Sよりは)乗りやすい。

だから一般用途でTL買うならストリート向けのSよりレース向けのRと言われる面白い逆転現象に。

ただこれまた残念なことに肝心のレースがどうだったかというと・・・散々な結果に終わってしまいました。

スズキTL1000R

原因は何と言っても「ロータリーダンパー」です。

日進月歩で改良は進んでいたんですが、結局FIの熟成が進んだとしてGSX-R750に取って代わられ2003年モデルをもってSと一緒に生産終了となりました。

TL1000R レース仕様

TL1000S/Rは本当に独創的でネタに事欠かないバイク。

それはいま話したロータリーダンパーも勿論そうだしセミカムギアトレインやオフセットシリンダーヘッドといった速さとコンパクトさを求めたどり着いた独創的なVツインエンジンなどもそう。

「とにかく馬力を出せばいいと思った。他所のVツインは一切見なかった。」

と開発陣も言っている通り、とにかく意欲に満ちたというか、意欲に満ちすぎているバイク。

TL1000Rカタログ写真

ただこれには実は初代GSX-R750などにも携わった田所さんが開発責任者だった大きく関わっています。

TL1000の当時インタビューで田所さんはこう言っていました。

田所秀敏

”TL1000の開発で幸運だったのは若手のトライアンドエラーに茶々を入れる年寄りが居なかった事。何故なら一番の年寄りがそれを許さない私だったからです。

バイク作りにおいて会社に入って何年目かなんて関係ない。大切なのはキャリアなどではなく他にない新しい物を作ろうという熱意です。

そういう熱意が込められたバイクこそが歴史に名を残すんです。”

TL1000SとR

お世辞にも成功したとは言えないにも関わらず20年以上が経った今もTL1000S/Rに魅了される人が耐えないのは、その熱意が余すことなく詰め込まれているからなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2100/740/1120mm
シート高 825mm
車軸距離 1395mm
車体重量 192kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 996cc
最高出力 135ps/9500rpm
最高トルク 10.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ530|リンク104
車体価格 1,199,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

コメントを残す