「Riding Pleasure Unleashed」
SV650のバリエーションモデルとして2年後に登場したSV650X/VP55B型。
型式が変わっていないのを見ても分かるように基本はSV650と同じ。
SV650をベースに角ばった専用タンクにタックロールシート、そしてビキニカウルを装備しているわけですが・・・このビキニカウルどっか見覚えあるなと思ったらコレ。
これですよ。ヨシムラとタッグを組んで優勝した8耐初代王者GS1000Rのカウル。
こういうバックボーンを知っちゃうとヨシムラマフラーしかもう選択の余地がないですよね、元ネタである2016年のモーターショーで参考出品されたSV650ラリーコンセプトもそうだったし。
ビキニカウルと繋がる様にステムヘッドからタンクまで伸びているカウルはバンディットのリミテッドも彷彿とさせるんですが、それもそのハズでチーフデザイナーの吉浦さんはバンディットもデザインされた方。
少し小話をすると、次に出てくるのはSVの代名詞グレードとも言えるハーフカウルのSモデルと思っていた人も多いと思います。
でもネオレトロだった。これは一重にネオレトロブームの影響。
ミドルの主戦場である欧州において
「ネイキッド=ネオレトロorストファイ」
という風潮というか人気に変わっているようです。
そんなSV650Xですが見た目をネオレトロにしただけかと言うとそうじゃない・・・コレがSV650Xの大事なポイント。
それはセパレートハンドル化とそれに伴うポジションの変更です。
こうやって見比べてみると分かる通り、SS程ではないにしろ前傾が強くなりました。
これはカフェレーサーを意識している面もあるんですが、それより大事な狙いがあります・・・それは
『スポーツ性の向上』
です。
そのためにフロントフォークにもイニシャルアジャスターも追加されている。
これの何がミソなのかって話ですが、SV650が名車である事はここまでの系譜でも散々言ってきました。
大ヒットを飛ばした事もそうですが、SV650の開発に携わった人たちの多くがSV650やV-STROM650を自らも購入し所有しているのを見ても疑いようのない事実かと思います。
そしてそれはこのSV650Xでも例外ではなく、先に紹介した三代目SV650の開発責任者である安井さんもSV650のオーナー・・・ミソなのはここ。
SV650Xのセパハンとポジションの見直しというのは、SV650を造りそしてSV650に乗っている開発者でもありオーナーでもあるSV650を誰よりも知り尽くしてる人が
「こうすれば万人受けはしないけどスポーツ走行をもっと楽しめるよね」
と考えた末の変更であり。、出来上がったのがワインディングを楽しむ事を重視したSV650Xというわけ。
だからこのモデルは既存のSV650を知っている人ほど感動するかもね。
2019年
・マフラーカバーの形状変更(パンチングレスに)
・ブレーキキャリパーが2ポットから対向4ポットに変更
2020年
・ポジションランプの追加
※無印モデル含む
参照:SV650X Development Team Member Interview(youtube)
主要諸元
全長/幅/高 | 2140/730/1090mm |
シート高 | 790mm |
車軸距離 | 1450mm |
車体重量 | 197kg(装) |
燃料消費率 | 26.6km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 14.0L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 645cc |
最高出力 | 76.1ps/8500rpm |
最高トルク | 6.5kg-m/8100rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後160/60ZR17(69W) |
バッテリー | FT12A-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
MR8E-9 |
推奨オイル | スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.0L 交換時2.4L フィルター交換時2.75L |
スプロケ | 前15|後46 |
チェーン | サイズ525|リンク112 |
車体価格 | 724,000円(税別) |
系譜図
1999年 SV650/S(VP52A前期) |
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2003年 SV650/S(VP52A後期) |
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2009年 SFV650GLADIUS(VP55A) |
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2016年 SV650(VP55B) |
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2017年 SV650X(C733A) |
【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜|MT-07の系譜|V-STROM650の系譜|Ninja650/Z650の系譜|空冷MONSTERの系譜