BOLT/R(BP6/BS5)-since 2017-

2018BOLT

「LESS IS MORE.」

2017年からのBOLT/BP6型とBOLT-R/BS5型。Cは廃盤みたいですね。

規制に伴いABSが標準化されたほか無印の方はスポークホイールに変更。

スポークホイールBOLT

そして先に紹介したSCR950と同じく溶接処理が目立たないフランジレスタンクの採用に伴い燃料容量も1Lアップして13Lとなりました。

さてさて、大きな変更点もなく既に苦しいのでまた長々と無駄話を・・・

青BOLT

実はBOLTには多くのリクエストを頂いていたんですが、クルーザーに明るくないので後回しにしていました。

では何故ここに来て書いたのかというとハーレー系ショップの方からいろいろと話を伺った事がキッカケ。

というのもBOLTについて少しお話を伺った所、大変失礼ながら一蹴させるのかと思ったら意外な事に評価が高かった。しかもそれは普段ハーレーに乗っている顧客の間でも。

ちなみにアメリカのYoutubeなどの比較動画コメント枠などを見ても似たような感じで意外と肯定的だったります。

BOLT LESS IS MORE

では一体どうしてクルーザー通の間でBOLTがそんなに高い評価を獲得しているのかという話なんですが、これがまた面白くて

「比較的安価でノントラブルだから」

とか

「デザインが良いから」

とかいう評価かと思いきやそうじゃなかった。

BOLTが好評を得た最大の要因は

ボルトのハンドリング

「ハンドリングが素晴らしい」

という事から。

もちろんこれは偶然ではなく開発においてデザインと共に徹底して追求されたもの。

初代のページでデザイン面しか話していませんでしたが、BOLTはフロントフォークを立ててブラケットとトップブリッジを何度も何度も作り直して剛性を最適化。

BOLTのフロント

更にアンダーステアやリアブレーキ主体などリアヘビーな事から後輪中心にならざるを得ないクルーザーながら、マスフォアードにしてフロントブレーキを積極的かつ有効的に使えるようにしてある。

ウェーブディスクなのはそれを示す狙いから。

XVS950CU

BOLTはこれらによりクルーザーながら非常に素直でメリハリあるハンドリングをしています。

これがクルーザー慣れした人にとって非常に好評というわけ・・・なんですが、恐らくこれだけでは言葉足らず。

BOLTは素晴らしいハンドリングを持っている事に加えて先代でも話した

・20km/L以上という低燃費性

・ノントラブルで遠出も怖くない

・不安を生まないスリムな車体

・モリモリな力強いエンジン

・スポーティなポジションと深いバンク角

という武器を持っている。

そしてこの一つ一つが一つ一つだけのメリットではなく、素晴らしいハンドリングというメリットと掛け合わされる事で

FASTER SONS BOLT

「走るのが楽しい」

という大きな魅力を生んでいる。

これがBOLTの最大の武器であり、高い評価を獲得している理由ではないかと。

だから最後に一つ個人的な事を言わせてもらうと、BOLTはクルーザーが好きじゃない人こそ乗ってみて欲しいと思います。

2018ボルト

「バガーとかミッドコンとか知らないし、アメリカンでスポーツとか罰ゲームでしょ」

なんて思ってる人こそ乗ってみて欲しいんです。

というのも大達リーダーいわくこのBOLTのハンドリングはクルーザーではなくネイキッドに近い。それが高評価に繋がっているんですが・・・ということはネイキッドは乗り慣れてるけどクルーザーは乗り慣れていない人がBOLTに乗ったらどうでしょう。

2019BOLT-R

ピストンがいまどう動いているか感じ取れてアイドリングまでもが楽しくなる鼓動感と、低域だろうと坂道だろうとゴリゴリ進む豊かなパワー。

そして両足ベッタリで乗れてる自分になれるポジション。

ヤマハ ボルト

ネイキッドの延長線上として何の戸惑いも違和感もなく、クルーザースタイルだからこそ出せる旨味を堪能できるという事でもある。

主要諸元
全長/幅/高 2290/830/1120mm
シート高 690mm
車軸距離 2570mm
車体重量 252kg(装)
燃料消費率 21.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 941cc
最高出力 54.0ps/5500rpm
最高トルク 8.2kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90B19(57H)
後150/80B16(71H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.3L
交換時3.7L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前30|後70
Vベルト品番 1TP-46241-10
車体価格 961,200円(税込)
[1,006,560円(税込)]
※[]内はBOLT RスペックABS
系譜図
XVS9502009年
XVS950A
(26P/5S7)
ボルト2013年
BOLT/A/C/R
(1TP/2CY/2DX/B33)
SCR9502017年
SCR950
(BL3)
20192017年
BOLT/R
(BP6/BS5)

SCR950(BL3)-since 2017-

SCR950

「Tough Explorer」

BOLTのスクランブラースタイルとなるSCR950/BL3型。

・22.2mm径のクロスバー付きパイプハンドル

・ポジションの幅を広げる薄型ロングフラットシート

・専用リアフレーム

・フランジレスタンク

・ゼッケンプレート

・アルミリムスポークホイール

・ヘビーデューティータイヤ

・専用セッティングされたサス

などなどのカスタマイズが加わっています。

SCR950フューチャー

クルーザーベースのスクランブラーという珍しいスタイルなんですが・・・モリモリパワーなうえに車重が252kgもある事や最低地上高やホイールトラベルやクリアランスなどから

「スクランブラーじゃないだろ」

なんて声が結構聞かれました・・・世界中で。

アメリカトラックレース

ただアメリカではAFT(旧名GNC)という

『ダート版オートレース』

という大人気レースがあり日本メーカーも単気筒450cc部門などで参戦しています。

だからアメリカ人からするとSCR950はそこまで違和感がないのかも知れない。

SCR950アメリカ仕様

実際アメリカでは

『米ヤマハ×米メディア×有名ビルダー』

の協力でSCR950のトラックレーサーを製作しスーパーフーリガンというお祭りダートレースに参戦してたようですし。

SCR950スーパーフーリガン

SCR950が小さく見える・・・まあただこれはアメリカなので話を日本に戻すと、SCR950はやはり大きいのでプロモーションビデオみたいにダートをスタイリッシュに走るのは相当なテクニックがないと無理。

「ではSCR950の魅力は何処か」

と聞かれればBOLTの派生モデルらしく乗ってる姿が最高にキマっている事でしょう。

SCR950カタログ写真

というか別にスクランブラースタイルだからってダートや林道を走らなきゃいけないわけじゃないんですよ。

そもそもスクランブラーっていうのはオフロードバイクという正解がまだ存在しなかった60年代に(レースや公道などの)未舗装路を何とか走れるようにオンロードバイクを改造したのが始まり。

SCR950カタログ写真

だからもっと走れるモトクロッサーやオフロード車の誕生と共にスクランブラーは廃れていった。

つまり何が言いたいのかというと、今となってはスクランブラーはファッション性の意味合いが強いジャンルなんです。

ということはスクランブラーの正解は走破性よりも

「お洒落かどうか」

が重要なわけで、そう捉えて改めてSCR950を見てみれば大正解のスクランブラーと言えるでしょう。これだけキマってるんですから。

SCR950カタログ写真

昔を知る人なら250DTを思い出す人も多いかと。

車格の問題からか残念ながら人気も出ず僅か二年ほどで生産終了となってしまったんですが、これは逆に言うと新しくてノントラブルで乗れるお洒落な国産車であるにも関わらず

「カスタムせずとも他人と被らない」

というファッション性においてある意味では最も重要な要件を満たしているという事でもある。

主要諸元
全長/幅/高 2255/895/1170mm
シート高 830mm
車軸距離 1575mm
車体重量 252kg(装)
燃料消費率 21.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 941cc
最高出力 54.0ps/5500rpm
最高トルク 8.2kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90R19(57H)
後140/80R17(69H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.3L
交換時3.7L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前30|後70
Vベルト品番 1TP-46241-10
車体価格 1,060,560円(税込)
系譜図
XVS9502009年
XVS950A
(26P/5S7)
ボルト2013年
BOLT/A/C/R
(1TP/2CY/2DX/B33)
SCR9502017年
SCR950
(BL3)
20192017年
BOLT/R
(BP6/BS5)

BOLT/A/C/R(1TP/2CY/2DX/B33)-since 2013-

XVS950CU

「Ultimate Purely Bobber」

2013年に登場したヤマハの新世代クルーザーことBOLT/1TP(初年度のみ)/2CY型と写真下のBOLT-R/2DX型。

BOLT-R

Rスペックの方は

・リザーブタンク付きリアサス

・バックスキン調黒表皮シート

・切削ホイール

が追加されてたスポーツモデルです。

更に2015年からはBOLT-C/B33型も登場。

BOLT-C

・アルミクリップオンハンドル

・バックステップ

・Rより6mm長い前後サス

・新デザインシート

・Vバンクカバー

・フォークブーツ

などの変更で少しリフトアップされたカフェレーサーモデル。

さてさて、XVS950CUという正式名称からも分かる通り

赤BOLT

『XVS950Aのボバー(余計な物を極力付けない)スタイル』

と言えるわけですが、それだけで片付けてしまうとBOLTにも開発者の方にも失礼なので長々と紹介。

エンジンベースこそXVS950Aと変わらないもののそれ以外の部分はほぼ別物になっています。

XVS950AとXVS950CU

見た目からも分かる通りXVS950Aが落ち着きあるレディのような特性なのに対しBOLTは元気モリモリな野郎という感じ。

そんなBOLTのイメージコンセプトは

「シンプルでありピュアでありクリーンであること」

なんですが、これが面白い事に従来の方式とはちょっと違う方法で開発された背景があります。

ボルトのコンセプトデザイン

通常コンセプト(企画)に沿ってデザイナーが全体のディティールを決めてそれに向かって車体各部の開発者と擦り合わせて開発するんですがBOLTはそうじゃなかった。

車体各部の開発者がコンセプトを自己解釈した形から始まってるんです。要するにデザインありきではなく皆でイメージコンセプトを擦り合わせて生まれたディティールが

「スリム&コンパクトなBOLT」

というわけ。

リアビュー

だからこそ

・タンクを細くするための小型燃料ポンプ

・リア周りを細くするために21mm幅のスリムなVベルト

・低さと性能と造形を兼ね備えたリアサス

など各所に各々のこだわりが専用開発という形で見え隠れしているわけですね。

Cスペック

「そもそもなんでスリム&コンパクトに拘ったのか」

という話ですが、これがまたよく考えられています。

スリム&コンパクトになったのは理由は主に二つで、一つはピュアである事をアピールするため。

ヤマハXVS950CU

ピュアということは即ち乗りやすいという事。それを視覚でもアピールする為にスリムでコンパクトにしたんです。

BOLTを見ても乗りにくそうに見えませんよね。でも一方でハミ出したエンジンは迫力があってパワフルに見える。

この

「見ただけBOLTがどんなバイクか理解してもらう」

というのが狙い。そしてその印象は乗り出しても決して変わらない。

もう一つの狙い・・・個人的にはこれがBOLTデザインの一番の唸りポイント。

ヤマハBOLT

何度も言いますがBOLTはスリムなのでクルーザーにありがちな

「シート高は低いんだけど幅があるから足つきが悪い」

というクルーザー特有の悩みがなく数値以上に足つきはベッタリ。

身長170cmでこれだけ膝が曲がる。

BOLTのポジション

信号待ちでバレリーナにならないし、よろつかないし、おっかなびっくりにならない。

日本人でも足を踵までドッシリ付けて構える様に停まることが出来る。

ボルトの足つき

そして青になって走り出すとコンパクトでミッドコントロール(足を前ではなく下に曲げるスタイル)な事から手足が伸び切らず、気持ち前傾のスポーティなポジションに自然となる。

乗車デザイン

これらがBOLTデザインの唸りポイント。

BOLTがスリム&コンパクトに拘ったのは

「バイクを転がしてる」

という表現がピッタリな『乗っている』ではなく『走らせている』というシルエットを持たせる為にあるんです。

つまりBOLTが一番カッコよく見えるシーンは

boltのライディング

「自分が運転している時」

という事。

自分も含めて最高にカッコよく魅せてくれるというのがBOLTデザインの最大の唸りポイントなんです。

主要諸元
全長/幅/高 2290/830/1120mm
シート高 690mm
車軸距離 1570mm
車体重量 247kg(装)
[251kg(装)]
燃料消費率 21.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 941cc
最高出力 52.0ps/5500rpm
最高トルク 8.2kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57H)
後150/80B16(71H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.3L
交換時3.7L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前30|後70
Vベルト品番 1TP-46241-00
車体価格

874,650円(税込)
{918,750円(税込)}
<977,400円(税込)>
※[]内ABSモデルは+50,000円
※{}内はBOLT-R
※<>内はBOLT-C

系譜図
XVS9502009年
XVS950A
(26P/5S7)
ボルト2013年
BOLT/A/C/R
(1TP/2CY/2DX/B33)
SCR9502017年
SCR950
(BL3)
20192017年
BOLT/R
(BP6/BS5)

XVS950A(26P/5S7)-since 2009-

XVS950A

「日常を抜け出し気ままに。どこまでも。」

海外向けミドルクルーザーとなるXVS950A/26P型。

北米ではV-STAR950という名前で日本にも同名のカナダ仕様/5S7型が2010年と2015~16年に入ってきています。

ミッドナイトスター

ちなみにミッドナイトスターというのはサブ(ファミリー)ネームで、元々80年代にヤマハがやってた黒金でお馴染みミッドナイトスペシャルが由来。

だから繋ごうと思えばXV750SPECIALやVIRAGO1100まで遡れるんですが主題がBOLTで話が散らかってしまうので割愛させてもらいますスイマセン。

このXVS950Aは兄貴分であるXVS1300Aの挟み角60度水冷Vツインエンジンをベースにボアを縮小したものなんですが、それに加えて振動を打ち消すバランサーを抜いているので鼓動感もアップしています。

XVS950Aエンジン

ボアも冷却方式もバランサーの有無も違うってもはや別エンジンですね。ちなみにローラーロッカーアーム式SOHCなので燃費も20km/Lを切らない優秀さ。

フレームの方はキャリーオーバーする形で

・リジット風リンク式モノサス

・ステップボード付きフォアコン

・ロー&ロングの流線ボディ

・タンクオンメーター

などなどクルーザーのツボを抑えたスタイルなんですが・・・その一方で特徴的なのがフロント周り。

XVS950Aのホイール

髭みたいなウィンカーステーや集合管も強烈ですが注目して欲しいのは中空キャスト70%偏平というクラスとしては比較的珍しいフロントホイール。

大きくも小さくもない軽量&高剛性なフロントなんですが、これはハンドリングを素直なものにするのが狙い。

そのためかXVS950Aは

「とにかく乗りやすい」

という声しか聞こえてこない本当に優秀なミドルクルーザーだったりします。

XVS950Aツアラー

ちなみにその素直さと低燃費性からアメリカでは各種装備を兼ね備えたツアラー仕様もありました。

今にして思えば長距離も熟せるツーリングBOLT、さしずめBOLT-Tスペックみたいなモデルですね。

XVS950A壁紙

ただ残念な事に逆輸入車扱いで宣伝の機会に恵まれなかったのも影響したのか2017年モデルをもって生産終了となりました。

主要諸元
全長/幅/高 2435/1000/1080mm
シート高 675mm
車軸距離 1685mm
車体重量 278kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 942cc
最高出力 53.5ps/6000rpm
最高トルク 7.8kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/70-18(63H)
後170/70B16(75H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
または
SAE 10W-30から20W-50
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.3L
交換時3.7L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前30|後70
Vベルト品番 5S7-46241-00
車体価格 960,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
XVS9502009年
XVS950A
(26P/5S7)
ボルト2013年
BOLT/A/C/R
(1TP/2CY/2DX/B33)
SCR9502017年
SCR950
(BL3)
20192017年
BOLT/R
(BP6/BS5)
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