時代は再び進んで2004年。
初めてフレームとエンジンの両方が同時期に新しくなった第4世代スポーツスター。
何が変わったのかというとエンジンがリジットマウントからラバーマウントに変わったこと。そのため『ラバスポ』とか『ゴムスポ』とか言われています。
元々スポーツスターのエンジンを使ってスポーツモデルを造っていたビューエルが開発したラバーマウントを応用した形。
エンジンは基本的にラバーマウント部を設けた程度で大きな変更は無いのですが、フレームの方は対応させるため少し大きめに変更されました。名前もそのままラバーマウントフレームと言われています。
狙いはもちろん振動低減による快適性の向上にあります。
この効果は絶大で非常に好評でした。
それまではリジットフレーム故にエンジンの振動がそのまま乗り手に伝わる事から高速走行は罰ゲームに近かった。
それがラバーマウント化によって心地よい振動は残しつつ大幅に振動を減らした事で可能になったからです。
ハーレー界隈でも全く別物の非常に良く出来たスポーツスターと言われています。
2007年には排ガス規制に対応するためフューエルインジェクション仕様となり更にメンテナンスフリーに。一部では弄れなくなったとしてFIを外してキャブを付ける猛者も居るようですが。
さて・・・イケイケだったハーレーですが2000年代頃から経営方針が大きく変わったことを知っている人も多いかと思います。
それまでハーレーというと
「自分色に染めていく(カスタムしていく)」
というアメリカのガレージ文化そのままのようなバイクだった。
言ってしまえば新車は『カスタムベース車』という感じですね。
ところが2000年代後半になると
「違法カスタム駄目ゼッタイ」
というスタンスになったんです。
違法なカスタムの依頼、または違法車両の整備などを断る経営方針にガラッと変わった。
それと同時に自社関連のアフターパーツのさらなる拡充を開始。
つまり突っ込んで極端に言うと
「自社公認カスタム以外してくれるな」
と捉えられても仕方ないスタンスに変わったわけです。
これの狙いは
・倫理的な問題
・アフターの収益化
・旧世代との線引き
などの狙いがあるものと思われます。
この流れはラインナップを見ても明白で、それまでスポーツスターは最小限のカスタムしか施していない素モデルがほとんどでした。
しかし近年はフォーティーエイトやセブンティーツーなど、最初からある程度パッケージングされた一種のファクトリーカスタムが多く出るようになった。
要するに最初から多くの選択をハーレー自身が提供する売り方に変わってきた・・・そしてそれが人気を博してる。
カスタムとの高い親和性から人気だったスポーツスターですが、その立ち位置や付き合い方が大きく変わってきている様です。
ハーレーの見分け方 ※ハーレーが分からない人向け | |
1952年 フラットヘッド世代 | |
1957年 ショベルヘッド世代 | |
1986年 ブロックヘッド世代 | |
2004年 ニューブロックヘッド世代 | |
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