CT125・ハンターカブ(JA55) -since 2020-

JA55

「自然をゆったり楽しむ、トレッキングCub」

2020年3月に登場したハンターカブことCT125/JA44型。

先に紹介したC125をベースとしつつも

・メインフレームを強化すると共にリアを延長
・大型のリアキャリア
・ホイールベースを+10mm延長
・ハンドルを一般的なトップブリッジ式に
・スチームリム/ステンレススポークの17インチ
・上記に伴いセミブロックタイヤの装備
・フロントフォークのストローク量を+10mm
・ABS付フロント2ポットΦ220mm/リア1ポット190mmへ
・給排気系統の見直しにより低中速に厚みを持たせ最低地上高もアップ
・エンジンガードを標準装備

などなど、雰囲気だけではなくちゃんと荷物を積んでのトレッキング出来るよう、随所に変更が施されています。

JA55パワーカーブ

日本でのトレールブームというかアウトドアブーム、それからコロナによるロックダウンでの部品供給問題も相まって納車半年待ちやら受注停止やらでとんでもない事になったのが記憶に新しい人も多いかと。

さて・・・トレッキングカブことハンターカブですが

「名前は知ってるけど歴史はあまり知らない」

って人も結構多いじゃないでしょうか。それも無理のない話でハンターカブは知名度の割には・・・ということでちょっとハンターカブの歴史についてザックリ書きたいと思います。

ハンターカブの始まりは1962年のC100Hになります。

C100T

オフロード大国であるアメリカからの強い要望で造られたモデルで日本には入ってきていません。

C105Tシルバーメッキ仕様

ちなみにこれはC100H発売された年に優秀は成績を収めたホンダ販売店に特別に送られたシルバーモンキーならぬシルバーハンターカブ。

更にこの翌年の1963年にはアップマフラーを採用したC105Hが登場。

JA55パワーカーブ

もうこの時点で既にハンターカブらしいワクワクさせる出で立ち。

要するにハンターカブっていうのはアメリカの要望によって生まれたアメリカ発祥カブという事なんですが、では日本でハンターカブが登場したのはいつかというと、その五年後となる1968年のCT50というモデルから。

CT50

3速・副変速機付きでエンジンガードやアップマフラーを採用とかなり本格的ですが、これはいま説明したアメリカ向けC105Tをベースに造られた逆輸入車みたいな形。ただし販売が振るわず、わずか三年足らずでカタログ落ちとなりました。

その後どうなったかというと1981年にアメリカ向けに作られていたCT110をまた逆輸入する形で再登場。

CT110

四速モデルで、このページの主役であるCT125の元ネタでもあるモデルなんですが・・・実はこれも当時は販売が振るわなかった。

というのもこの頃というのは安価なファミリーバイクが乱立していた時代だったから。その後アメリカでも1986年を最後にCT110が生産終了となり市場から姿を消すことになります。

ただ、オーストラリアの郵便配達バイクという官需があり、それのみ2012年まで続きました。レッドバロンが個人輸入して販売していたのでご存知の方もおられるかと。

そう、つまりハンターカブっていうのは実は初登場の1968年から52年間のうち、世に出たのは僅か二代8年間のみしか販売されておらず、それほど華々しい歴史があるわけでも、長い歴史があるわけでもないんですね。

JA55サイド

にも関わらず何故かみんなハンターカブを知っているし、CTではなくハンターカブと愛称で呼ぶ。

面白いのがホンダ社内でも同様で開発中は色んな人から厳しい目でみられる始末。JA55の開発責任者代行だった出羽さんはかなりのプレッシャーに晒されたんだそう。

ホンダCT125/JA55

これが何故か考えたんですけど、それはやっぱり見ただけでワクワクすること。これに乗ったら間違いなく童心に帰る事が出来るからでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1960/805/1085mm
シート高 800mm
車軸距離 1255mm
車体重量 120kg(装)
燃料消費率 67.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 5.3L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 8.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前80/90-17M/C(44P)
後80/90-17M/C(44P)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/U20EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.7L
スプロケ 前14|後39
チェーン サイズ428|リンク108
車体価格 400,000円(税別)
系譜図
JA482019年
SuperCub C125
(JA48)
JA552020年
CT125・HunterCub
(JA55)
JA582021年
SuperCub C125
(JA58)