これまた結構とんで1997年頃・・・といっても先に紹介したエコノパワーカブから大きな変更はなく、世代的に言うと前ページと同じでカブ史の中では20年以上続いた最長の世代。
そんな中で敢えて挙げるとするなら1996年から採用されたタフアップチューブというタイヤ。
これはスーパーカブの唯一の欠点とも言えるパンクのしやすさを何とかしようとして開発されたチューブタイヤ。まあスーパーカブの欠点というよりチューブタイヤの欠点なんですが。
チューブタイヤというのは自転車と同じように空気が詰まったチューブが入っているタイプのもので、ご存知のように釘などを踏んで中のチューブに刺さるとアッという間に空気が抜けてしまう。
そこで考えられたのがタフアップチューブ。
チューブを二重構造にし、中にパンク修理剤を封入することで万が一クギなどが刺さって穴が空いてもパンク修理剤が飛び出て塞ぐようにしている仕組み。
これで長距離も安心・・・なハズなんですが、絶対に防げるかと言うとそうでもないのが現実。
例えば見て分かる通りパンク修理剤が入っているのは接地面だけで横には入っていない。
だから例えば路肩で擦るとか、空気圧不足によってリムで擦り潰してしまうなどのサイド起因によるパンクには無力だし、劣化してくるとパンクしていないのに修理剤の封が破れて溢れてくる。
そして何より構造が複雑な分ノーマルチューブに比べて重い上に値段が倍近い(それでも2000円)という事からあまり普及せず、またホンダも後に採用を取りやめたことで2016年頃をもって取り扱っていたIRCも生産を終了しました。
あとは挙げるとするなら70ccが1998年モデルを最後に廃止となり50と90の二台体制となった事と、1999年モデルから排ガス規制対応で0.5馬力下がった事くらい。
マフラーガード無しが規制前、有が規制後モデルです。
それくらいですね・・・では何故ここで区切ったかというと、一貫して国内生産だったカブはこの世代までというのもあるんですが、もう一つは”アレ”が出た年だからです。
リトルカブ
(A-C50)
-since 1997-
そう「リトルカブ」です。
郵政カブと同じ14インチホイールを履き全体的にコンパクト&カジュアルになった・・・けどカブのスタイルは崩していないお洒落バージョン。
その見た目通り若者が主なターゲットで
「カブ=仕事バイク」
というイメージを払しょくする狙い通り、見事に若い世代にウケました。1999年には排ガス規制に対応しセル付き四速ミッションのAA01型に。
このリトルカブは
「ホンダ二輪総生産台数一億台目」
という記念すべき車種に選ばれたバイクでもあり、国産カブの大役をのちに担う事になるバイクでもあります。
・・・ちなみにリトルカブにもカブラはありました。
主要諸元
全長/幅/高 | 1800/660/1010mm [1805/660/1015mm] |
シート高 | 735mm |
車軸距離 | 1175mm |
車体重量 | 78kg(装) [84kg(装) ] |
燃料消費率 | 135km/L [60km/L] |
燃料容量 | 4.0L |
エンジン | 空冷4サイクルOHC単気筒 |
総排気量 | 49cc [85cc] |
最高出力 | 4.5ps/7000rpm [7.0ps/7000rpm] |
最高トルク | 0.52kg-m/4500rpm [0.79kg-m/5500rpm] |
変速機 | 自動遠心式三速リターン ※停止中のみロータリー |
タイヤサイズ | 前2.25-17(33L) 後2.25-17(33L) [前2.50-17(38L) 後2.50-17-(43L)] |
バッテリー | FT4L-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CR6HSA |
推奨オイル | – |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
– |
スプロケ | 前13|後40 |
チェーン | サイズ420|リンク98 |
車体価格 | 155,000円 [177,000円] ※スペックはスタンダード ※[]内は90デラックス |