DUKE250 -since 2015-

duke250

390が出て一年経った頃に急に出てきた次男坊の250。

250が出たって事はDUKE200はお払い箱になるのかな?って思ったらそうじゃなかった。

この250は390をベースに作られたDUKE。対して200は125をベースに作られたDUKE。

10kg軽い200、5馬力高い250と言えばわかりやすいかな・・・いやよく出来てる。

話のネタも無いのでちょっと足回りのお話。

このスモールデュークシリーズが世界で評価され人気が出ている一番の理由は足回りにあります。

WPとBybre

スモールデュークシリーズはWPというメーカーのサスペンションとBybreというブレーキメーカーの物を使用しているわけですが・・・恐らくほとんど皆さん知らないと思います。

まずWPですがBMWにも使われてたりするサスペンションメーカーでKTMのグループ会社になります。本当はホワイトパワーって名前らしいんですけど政治的な問題でWP(ダブリューピー)になったとか何とか・・・日本人には想像が付かない問題ですね。

そしてブレーキの方のByBre(バイブレ)

何か胡散臭い名前だなと思う事なかれ。実はこれブレンボなんです。

ブレンボがアジア向けに作った廉価ブランドで「By Brembo」から取ってByBre。せめて金色に塗ってくれと思いますが、まあ大人の事情ってやつです。

更にABSも有名なBOSCH製の物を使ってたりと足回りには良いもの使ってる。実に欧州らしく、こういうところが評価されているんでしょうね。

デューク

国内メーカーには無いハッチャケ感と足があって(値段がちょっと高い事を除けば)遊びバイクとしては文句なしのレベルなスモールデュークシリーズ。

遊び倒すなら持ってこいです・・・遊び倒すならですよ。多少のトラブルを気にしたら負けです。

最後になりますがスモールDUKEシリーズを買う時は

「絶対に正規代理店またはレッドバロンで買うこと」

これは絶対です。

目先の数万円をケチって先に泣きを見ないためにも必ず守りましょう。

エンジン:水冷4サイクルDOHC単気筒
排気量:248.8cc
最高出力:
31ps/9000rpm
最大トルク:
2.44kg-m/7250rpm
車両重量:139kg(乾)

系譜図
KTMとDUKEについて

KTMについておさらい

デューク125

2011年

DUKE125

デューク200

2012年

DUKE200

デューク390

2014年

DUKE390

デューク250

2015年

DUKE250

【関連車種】
GROMの系譜YZF-R125/MT-125の系譜ST250/グラトラの系譜Ninja250/Z250の系譜

DUKE390 -since 2014-

DUKE390

DUKE125の構造からDUKE200の影を見抜き、見事に当てて満足していたマニア達もこの390は予知できなかった事でしょう。

まあでも無理もない話です。125cc並の車体に誰が400のエンジンを積んで来ると予想できたでしょうか。

デューク390

そんなスモールDUKEシリーズの長男になるDUKE390ですが厳密に言うと排気量は375ccです。何で390なのかといえばKTMが90という数字が好きなだけっていう単純な理由。

そしてこの390は200や250のDUKEに比べてちょっと異質。っていうかかなり異質。

DUKEシリーズのボディは全て共通なんですが、超短いホイールベースもスマートで軽量な車体も小排気量のライトウェイトスポーツだから成せた事。

トラスフレーム

トラスフレームも、というかトラスフレームというのは他のフレームよりも”載せるエンジン有りき”に一から考えて作られるフレームなので流用性が非常に乏しい。それなのに有りきのはずのエンジンを変えちゃったら元も子もない話。

この390を出すにあたって共通である車体の方も見直しが入ったんですけど、それでも375ccのエンジンが収まりきれず、KTMがどうしたかといえば・・・

DUKE390エキゾースト

干渉する部分のエキパイを凹ませるという荒業に出ました。日本メーカーなら絶対にしないような荒業というか力技ですよね。

90って数字を使いたいためか分からないですけど本当は350ccくらいで想定したのを無理矢理+25cc拡大したみたい。

そうまでして積まれたエンジンは375ccで44馬力も発揮するパワフルな物なので足回りも合わせて硬くしてるですけど、もともと上で言った通りとても400クラスの車体じゃない事と軽すぎる事で非常に玄人仕様な出来になってる。

なんか初代ファイヤーブレードであるCBR900RR(SC28)やビューエルのXBシリーズを思い出しますね。軽くてショートホイールベースでパワフルだった事からエキスパート向けでした。

どういうことか分からない人に言うと簡単に吹っ飛ぶと言う事です。

エンジン:水冷4サイクルDOHC単気筒
排気量:375cc
最高出力:
44ps/8500rpm
最大トルク:
3.56kg-m/7250rpm
車両重量:139kg(乾)

系譜図
KTMとDUKEについて

KTMについておさらい

デューク125

2011年
DUKE125

デューク200

2012年
DUKE200

デューク390

2014年
DUKE390

デューク250

2015年
DUKE250

DUKE200 -since 2012-

DUKE200

「絶対出る!絶対出る!問題はいつ出るかだ!」

と言われてたDUKE125の兄貴分にあたるDUKE200ですが出たのは一年後の話でした。

ほぼ125と同じ造りで違うのはエンジンのボア・ストローク比だけ。

欧州では共通のボディで排気量だけ上げたバイクを出す場合は一般人が簡単にボアアップ出来ないようにストロークも変えないと売っちゃいけない法律があるんですね。知りませんでした。

つまり”腰上(シリンダーやピストン)だけ変えてDUKE125をDUKE200に”っていうのが出来ないようになってます。

ずいぶんと厳しい規制ですね。向こうはそういう事をやる人が多いんでしょうか。まあ日本でも4miniのボアアップは結構メジャーですけど。

KTMデューク200

んでこの200ですが125と違って欧州免許を気にしなくていいのでグーンっと上がって26馬力も発生するエンジンとなってます。

それでもほとんどパーツは一緒なので車重は僅か+2kgだけ。

恐らくこのモデルがスモールDUKEシリーズの本命でしょうね。
スモールデュークシリーズとしては三男坊になるけど、軽さとパワーのバランスから言っても一番スモールデュークらしいデュークかと。

エンジン:水冷4サイクルDOHC単気筒
排気量:199.5cc
最高出力:
26ps/10000rpm
最大トルク:
2.0kg-m/8000rpm
車両重量:129kg(乾)

系譜図
KTMとDUKEについて

KTMについておさらい

デューク125

2011年
DUKE125

デューク200

2012年
DUKE200

デューク390

2014年
DUKE390

デューク250

2015年
DUKE250

DUKE125 -since 2011-

DUKE125

スモールDUKEの第一弾として発売されたのが末っ子となるDUKE125

車重が乾燥で127kgしかないという超軽量モタードで、エンジンはモトクロス用に作られた125ccの水冷単気筒の物をベースにしてるだけあってクラストップの15馬力を発揮。

末っ子といいつつ4st125では最速の部類。

本当は15馬力以上出せるんだろうけどEUの免許制度(15馬力まではA1)っていうのを考慮してるんだろうね。まあこれはDUKEに限らずYZF-R125なんかもそうだけど。

デューク125フレーム

フレームはクロモリ鋼管パイプフレーム、そして補強骨をあえてみせるシャレオツ(死後)なアルミ製スイングアーム。

足回りも倒立サスにラジアルマウントキャリパーで125としては必要十八分くらいある。

で、ですね。

実はこのDUKE125が出た時、KTM好きなマニア達の間で非常に話題になったことがあります。

「これ絶対もっと上の排気量のDUKEが控えてるわ!」

って。

というのも先述の通り明らかに125ccだけの為にしてはオーバースペックのような車体。
さらにエンジンスペースや強度の余裕やマウントなどの構造で見抜いたんでしょうね。さすがマニアとしか言いようがありません。まあすぐにアナウンスがあったんですが。

KTMデューク125

そんな125ですが・・・まあ初期型はトラブルの嵐でした。冷却水やフルードといった液体系のお漏らしやジェネレーターのトラブルなどなど。

海外メーカー&処女作&インド生産っていうトリプルコンボなので仕方ないっちゃ仕方ない。

でもABSが付いた現在のモデルからはそういったトラブルが解消したみたいですね。全く心配ないかと言われれば疑問も残りますが、まあ遊びバイクですし。

エンジン:水冷4サイクルDOHC単気筒
排気量:124.7cc
最高出力:
15ps/10500rpm
最大トルク:
1.22kg-m/8000rpm
車両重量:127kg(乾)

系譜図
KTMとDUKEについて

KTMについておさらい

デューク125

2011年
DUKE125

デューク200

2012年
DUKE200

デューク390

2014年
DUKE390

デューク250

2015年
DUKE250

KTMについておさらい

KTM

日本でKTMを知ってる人はどのくらいでしょう。

オーストリアのメーカー(オーストラリアじゃないよ)で主にオフロードで有名というかオフロード専門メーカー。

オフのレースやダカール・ラリー等で優秀な成績を収める名門なのでオフ好きの間では結構有名だったりするわけですが、近年インドのバイクメーカーバジャージ・オートが筆頭株主になった事でオンロードバイクも出すようになってきたわけです。

創業当初はオフロード専門メーカーというわけではなくMVアグスタからエンジンを買ってレースに出場したりもしてました。

KTMの社名の由来ですが

ハンスとエルンスト

K=創業時の出資者だった投資家のErnst “K”ronreif(エルンスト クローノライフ)

T=創業者であるHans ”T”runkenporz(ハンス トゥルンケンポルツ)

M=創業時の土地であるオーストリアのザルツブルク州”M”attighofen(マッティヒホーフェン)

となってます。

マッティングホーフェン本社

「クローノライフ・トゥルンケンポルツ・マッティヒホーフェン(KTM)」

凄く長いですね。

レッドブル

ちなみに”翼をさずける”で有名なレッドブルも同じオーストリア ザッツブルグ州の企業。

その為か両社は非常に仲が良かったりします。

更に上げるならハスクバーナって聞いたことありませんか?

ハスクバーナ

もともとは芝刈り機やチェーンソーのメーカーでバイクのチェーンを作ってる内にいつの間にかエンジンからフレームまで作るようになっていったってユニークなスウェーデンのメーカー。

バイク部門はハスクバーナモーターサイクルといってもうチェーンソーのハスクバーナとは関係ないですが、アグスタやBMWといったメーカーにたらい回しになっていて今はKTMに拾われてます。

フサベル

ちなみにアグスタへと吸収される際にハスクバーナを辞めていったエンジニア達で立ち上げた会社であるフサベルも今はハスクバーナと同じくKTMに拾われてます。元サヤというか何というか。

ちなみにどのメーカーも基本的にオフ車メーカーです・・・どんだけオフ車好きなんだよって話ですが。

さて話を戻して

実はKTMは自転車(ロードバイク)も作ってますが一応分社化された別会社となってます。

よくよく考えてみるとバイク作ってる会社で自転車作ってるメーカーって無いですよね。ヤマハは電動自転車を出してますがモーターのみで車体はブリヂストンだし、スズキに至ってはパナソニックのOEMってだけ。意外だな。

話が戻ってませんでした・・・

KTMには一貫したコンセプトがあります。

それは「READY TO RACE」

Ready to Race

これはどういう意味かというと、別にレースに出ろと言ってるわけではありません。

オーナーがバイクに乗っている内にレースに興味を持ったら、いつでも出れるような純粋で冒険的で極限性能なバイクをKTMは作っている。

という意気込み的な意味。

まあそんなこと言われても?ですよね。

KTMバイクの特徴を簡単に説明するなら

「何を差し引いてでも軽さ(パワーウェイトレシオ)を最優先」

という事。

耐久性より軽さ!メンテナンス性より軽さ!扱い易さより軽さ!コストより軽さ!

とにかく軽さです。車重しか見てないんじゃないかってくらい軽さに拘りを持っています。

軽さへのコダワリは半端なものじゃなくウェアやパーツといったコラボモデルですら軽さ第一です。

そのためかKTMはエキスパート向けという非常にマニアックなイメージに。まあ販路の問題や車種もニッチな物が多かったのもありますが。

しかし上で言った通りバジャージ・オートの横槍かアジア市場への参入という利害が一致したのか分かりませんが、方針転換によりエントリーモデルと成り得るスモールDUKEシリーズを出したことでそのイメージも大分変わってきました。

このサイトへのリクエストでもDUKEシリーズを希望する方が思いのほか多くて驚きました。

今回はそんな新生KTMとも言えるスモールDUKEシリーズを紹介します。

系譜図
KTMとDUKEについて

KTMについておさらい

デューク125

2011年
DUKE125

デューク200

2012年
DUKE200

デューク390

2014年
DUKE390

デューク250

2015年
DUKE250

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