次にトライアンフがデイトナと名の付いたバイクを出したのは何と20年以上も経った後だった。
コレには勿論ワケがある。
70年代に入るとそれまで小排気量だけだった日本メーカーが大型バイクに進出し始めた。
すると大型バイクといえばトライアンフかハーレーだった情勢も大きく変わり、「安い」「速い」「壊れない」と三拍子揃った和製大型バイクにどんどんシェアを奪われた。
レースでも結果を残せず、アメリカにおいてもハーレー救済策として高い関税が敷かれるという不運が重なり経営危機を迎え遂に破綻しました。
しかし実業家がそんなトライアンフを拾い上げ「ボンネビルコヴェントリー」と社名を改め再起・・・でもトライアンフの方が知名度も歴史もあると言うことで結局すぐに社名もトライアンフに戻りました。
そしてそんな再起をかけ作った車種の一つがこの「デイトナ750トリプル」と「デイトナ1000フォア」です。
デイトナの名を復活させるだけありトライアンフとしては初となるフルカウルスポーツになります。
750は三気筒で1000は四気筒。
勘の良い方はこの750や1000の造り見て何か違和感を覚えると思います。
というのもこのデイトナ750と1000はカワサキの技術提供を受けて作られたバイクなんです。
サイドカムチェーンのエンジンやダイヤモンドモノコックフレーム、チェーンアジャスターなんてカワサキお得意のエキセン式そのままですね。
この頃のトライアンフはこのカワサキの助力で作ったプラットフォームでほぼ全車種を作っていました。徹底的な部品の共有化「モジュラーコンセプト」というやつです。
歴史を見ると分かりますが、トライアンフは世界大戦の前から目黒製作所(詳しくはWの系譜へ)という日本の大型バイクメーカーと繋がりを持ってたから、カワサキに目黒製作所が吸収合併された後もパイプが残っていたんでしょうね。
エンジン:水冷4サイクルDOHC3[4]気筒
排気量:749[998]cc
最高出力:
97[120]ps/8750[10500]rpm
最大トルク:
6.7[9.0]kg-m/8500rpm
車両重量:218[235]kg(乾)
※[]内は1000