Daytona 675 ABS/R -since 2014-

デイトナ675ABS

675になって初とも言えるフルモデルチェンジを果たした2014型デイトナ675ABS(紛らわしいのでこの名で)

今回のモデルチェンジの最大の目的はコストカット・・・と言うと何だか夢のない話と思われるかもしれないけど車体価格の高騰でSS離れが起こってるのが現状。
これは日本に限った話じゃないんですね。EUの方も日本同様SS離れが酷いらしく、老舗トライアンフもデイトナ675というSSを持ってる以上は他人ごとではない。

あんまり注目されなかったけど、先代も日本国内において為替が幾ら変わろうとも物価が上がろうとも正規物はほとんど値段据え置き状態だった。
我々一般人からしたら何て良心的なメーカーなんだと思うけど、流石にそんなことをずっと続けてたらまた倒産しちゃうよね。

もちろんただ単にコストカットしただけじゃないのであしからず。

675R

・2016年から始まるABSの義務化に対応するために切り替え式のABSを搭載
・サブフレームをパイプフレームからメインフレームに合わせたアルミ製に
・チタンバルブ、デュアルインジェクターの採用
・スリッパークラッチ・クイックシフターの搭載
・軽量5本スポークホイール&ダウンショートマフラー

等など改良や新装備も多岐にわたる。
(でも一番の改良点は先代で頻発してたお漏らしなどの不具合潰しだったり)

デイトナ675Rカウルレス

今回はRモデルも最初からあるみたい。今度はARROWSのマフラーも標準装備みたいですね。

スパイショット等の段階からセンターアップマフラーの不採用が判明して大きく話題になりましたね。これで残るは600RRとR1とF4だけか。

今回のモデルチェンジの最大の目的はコストカットなんだけど、もう一つある。

それはライバルの出現。

アグスタF3

アグスタF3 675(Since 2010)

「走る宝石」と自ら言いのけるメーカーのアグスタから出たミドルSS。奇しくもエンジンはdaytona675と同じ並列三気筒。つまり排気量も同じ675cc。

これまでデイトナと言えば「クラス唯一の三気筒」という優位性を持っていたけど、今回それが失われてしまった。
更に脅威なのはアグスタも価格を抑えるという経営方針の変更をした事。
F3は三気筒でアグスタ入門のミドルだからということで160万円を切る安さ。本当は三気筒のミドルだからって安く作れるワケじゃないんだけど、ブランド価値を下げずに価格を下げるためにアグスタはこう言ってる。
世界レースにおいて初参戦ながらトライアンフよりも好成績を残す大健闘。
更にF3 800というレギュレーション無視の800ccスーパースポーツ、トライアンフの言う「殻を破ったバイク」までも発売。

トライアンフとしては面白いわけはなく、反撃の為のモデルチェンジでもあります。

ミドルSSランキング

見た目がガラッと変わって違うバイクになったと思われるかもしれませんが、スーパーテスト(世界規模インプレ)を見るに相変わらずの高評価なので順当進化みたいですね。

そんな675ABSは本国やUSでは2013年から発売中。しかし日本には騒音規制に通らず入荷したくても出来ない状況でした。

日本もEUやアメリカ並とはいかないものの、それらに次ぐ大型バイク市場を持っている。
だからトライアンフもドゥカティと同じくジャパニーズのための特別仕様を用意し、2014年遂に待望の発売となったわけです。

デイトナ675国内仕様

待望の・・・待・・・え?
あー、ですよね。マフラーそうなっちゃいますよね~。う~ん。

音量測定をするのはエンドバッフルからなのでサイレンサーを同じく騒音を生むエンジンやチェーンからなるべく遠くに離すというのは至極当たり前です。
でも、でもですよ。ドゥカティも(アグスタも)そうだけど「もうちょっと考えてよ!」って言いたくなりますよね。

675ABS

まあ凝ればその分コスト上がるし、バカ売れするならともかくそれほど売れない日本に手間かけないか。

しかしここでHAYABUSAの系譜(国内仕様)で2014年からの規制について読んでくださった方は疑問に思う事でしょう。

「規制緩和されたからハヤブサはOKになったのに、デイトナ675は何で駄目なの?」

と。

実はこの2014年から緩和される規制は「国産車」に限った話なんです。じゃあ「輸入車」はというと三年後の2017年から。
ハヤブサは元々「逆輸入車」だったとは言え製造は日本国内です。つまりラインナップに加えるだけで国産車。

それに対しトライアンフはあの空襲や火事を起こしたイギリスの工場で作ってます。つまり輸入車。

2013daytona675エンジン

日本で作れば万事解決ですが、さすがにそれは無理があるってもんです。

つまり要するに新型デイトナ675が欲しいけどこの日本スペシャル仕様に満足できない人は三年待てという事です。

三年後には恐らく車検が通るUK仕様が入ってくるでしょう。
~2016年型を買ってマフラーをUK仕様の物に変えても車検は通りません。果報は寝て待てです。
こんなこと言うとトライアンフに怒られそうですね。

まあ実際、眠れない人は待たずに買っても何の問題も無いわけですが。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:675cc
最高出力:
128[125]ps/12500rpm
最大トルク:
7.5[7.3]kg-m/11900rpm
車両重量:185kg(乾)
※[]内は国内仕様

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 675/SE/R後期 -since 2009-

デイトナ675後期

2009年にマイナーチェンジを施し3馬力アップ&3kg減と若干のパワーアップをしたデイトナ675後期。

後期といったほうがいいのか二代目と言ったほうがいいのか微妙なんですが、一応このサイトでは後期ということで扱わせてもらいます。

見た目の変更点としてはアッパーのエアインテークやウィンカーやヘッドライトの形状です。

向かって左が前期で右が後期。かなり厳つくなってますね。

デイトナ675新旧比較

更に翌2010年にメーター新調、2011年にスイングアームの小変更が加わってます。

初代で鮮烈デビューを果たしたデイトナ675はスーパーテストやマスターバイクと言った世界レベルでのプレス向け試乗会で尽く好成績を残し世界中で絶賛されました。
それは2009年にマイナーチェンジを受けたこのモデルに成っても変わらずで、四年連続スーパーバイク受賞という快挙を成し、「キング・オブ・スーパースポーツ・デイトナ675」とまで言われました。

そして2008年にはあまりの好評っぷりと売れ行きから「三気筒=675cc」という新しいレギュレーションが生まれました。
「三気筒=675cc」というレギュレーションはデイトナ675が作ったものなんです。

トライアンフBE1

元々の生い立ちが「速さより楽しさ」のバイクな為か現状世界レースではあまり良い成績を残せてないけど売上や評判にはそれほど影響しなかったみたい。

daytona675といえば性能や造形もそうですが数々の特別仕様も素敵ですね。

2011デイトナ675SE

2011年に出されたスペシャルカラーのSEはフレームとホイールをブルーに塗装しARROWSのマフラーを装着したモデル。

そしてデイトナ900スーパー3のオマージュモデルであるDaytona675Super3。

デイトナ675スーパー3

オマージュなので今回はコスワースのチューニングは施されていませんがクイックシフター等の専用装備が施されています。

そしてそして特別しようといえば何と言ってもコレでしょう。

デイトナ675R

デイトナ675R

前後オーリンズサスにブレンボ製フロントキャリパー、クイックシフターを装着したスペシャルモデル。
このモデルが出た時、実はとっても歓迎されました。
というのも先に話した世界レベルのインプレで「唯一の不満が有るとすればサスペンションが煮詰まってない」という声があったから。

純正でもKYBのフルアジャスタブルだから悪いわけじゃないんだけど、サーキット走行を生業としているプロに言わせると何かあるんでしょうね。まあ我々素人には無縁でもあります。

結局振り返ってみると前期も合わせると8年というSSとしては異例な長寿バイクだったんですね。

トライアンフ デイトナ675

しかし8年前のバイクとはとても思えない異彩を放つデザインと設計は流石ブリティッシュ。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:675cc
最高出力:
128ps/12600rpm
最大トルク:
7.3kg-m/11750rpm
車両重量:162kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 675/SE前期 -since 2006-

デイトナ675

「キング・オブ・スーパースポーツ」

CBR600RR、YZF-R6、GSX-R600、ZX-6R、国内四社が犇めき合うミドルSSというクラスに唐突に現れたデイトナ675。
前傾させた三角形軸のコンパクトエンジンやツインスパーフレーム等を見ると明らかに国産SSを参考にしたとしか思えないレイアウト。
ただメインフレームをパイプフレームっぽく見せてるのは上手いですね。(写真は後期です)

デイトナ675ネイキッド

ただ上記の国産600SSと決定的に違うのは、デイトナ675はあくまでも”公道でも楽しめるスーパースポーツ”という立ち位置。

開発コンセプトは

何よりもライディングを飽きさせないバイクを創り出すこと

その結果作られたのがトライアンフの十八番とも言える三気筒エンジンを積んだSS。
二気筒より高回転で四気筒よりトルクフル、そして三気筒ゆえのスリムさを持っている。それらは全てレースを視野から外したから出来たこと。
その証拠にデイトナ675が出た2006年当時のロードレースに三気筒のレギュレーションなんて有りませんでした。

トライアンフもこのデイトナ675について、レギュレーションを無視している事を「殻を破った数少ないバイク」と例えてアピール。

結論を言うと、その卓越したハンドリングと他にない三気筒SSという独自性から世界中から大絶賛されました。

daytona675SE

写真のデイトナは特別カラーのSE仕様。
人気だったこともあり後にスタンダードカラーに仲間入りとなりました。黒ボディに金ホイールが定番なのは日本に限った話じゃないんだね。

ただ勘違いされると困るので言っておきますが、公道向けと言っても街乗りとかじゃないですよ。当たり前ですがSSなので峠とか走行とかのタイムや順位を競わないスポーツ走行での話。

daytona675パンフレット

四気筒キラーという名がピッタリなスーパースポーツ。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:675cc
最高出力:
125ps/12600rpm
最大トルク:
7.3kg-m/11750rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 600 -since 2005-

デイトナ650

更に二年後にはロングストローク化がされ650となりました。

でも直四で650ccってレースのレギュレーションに合ってませんよね?
直四ミドルSSは600までです。

6Rの様に600との併売かと思いきやそうじゃない・・・一体なぜ650にしたのか?

実は先代のデイトナ600はイギリス国内のレースでは活躍したものの、世界レースでは日本メーカーの600SS勢にコテンパンにされてしまった。

そこでトライアンフは方向転換をしたんです。

「速さが全てのレースに重点を置かず、公道で楽しめるスーパースポーツにしよう。速さだけを追い求めるのはノンセンス。」

そしてその結果ロングストローク化によりレースに出場することが出来なくなった反面、乗りやすさが増しました。

この転機が後に675という名車が生まれるんですね。

daytona650

いやはやしかしコレはコレで見れば見るほど癖になるデザインだな。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:646cc
最高出力:
112ps/12500rpm
最大トルク:
6.9kg-m/11500rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 600 -since 2002-

デイトナ600

良くも悪くも凄く印象に残る顔をしているデイトナ600は見た目も立派にSSですが実は直四なんです。

955iやボンネビルのセールスが順調で軌道に乗り始めていたトライアンフだったんですが、このモデルが出る半年ほど前の2002年3月にイギリス史に残る程のとんでもない事をやらかしました。

イギリス史上最大とも言われる大火事を起こしたんです。

トライアンフ工場炎上
トライアンフ火事

もったいないですね・・・管理能力の甘さもあるんでしょうが、ここまで来るともうトライアンフは呪われてるんじゃないかと。

でもそこはトライアンフ。

世界大戦の空襲で工場が爆撃されようとも、アメリカ&ハーレーに関税で虐められようとも、何とかめげずに生き延びてきた歴史があります。

火事でボロボロになった工場も「これは良い機会だ」と思ったのかは分かりませんが、大幅に改築をしました。

トライアンフ新工場

ピカピカですね。

不幸中の幸いだったのは設計等を担当する開発部は無事だったため、半年でこの工場を立ててすぐに再生産を開始し、デイトナ600を出せたんですね。

デイトナ600はトライアンフ初の直四ミドルSSだったにも関わらず、マン島TTを筆頭としたイギリス国内のレースで優勝するなどの大活躍でした。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:600cc
最高出力:
112ps/12750rpm
最大トルク:
6..8kg-m/11000rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona T595/955i -since 1997-

daytona T595

さてカワサキの技術提供もありノウハウを吸収したトライアンフが蓄積した自分達のノウハウで設計し作り上げたスーパースポーツがこのT595と955i

アルミフレームや片持ちスイングアーム等、トライアンフ初となる技術が詰め込まれている。

750&1000→900&1200→595&955?何で急にスケールダウン?

と思うことでしょう。

でも実はT595は595ccではなく955ccも排気量があります。

じゃあ955iはというと955ccです。

「・・・うん?」

ですよね。

最初はT595として売っていたんですよ。でも消費者であるライダー達から

「955ccなのにT595とか紛らわしいぞー!」

って声が相次いだことで955iに改名されたんです。だからT595も955iも同じバイク。

daytona955i中期

上が955i前期モデルで下が後期モデル。

daytona955i後期

つまり最初期がT595でその後955iに改名され、2002年と2005年にマイナーチェンジ。

実は675が登場する2006年までトップモデルとして生産されました。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:955cc
最高出力:
130[149]ps/10700rpm
最大トルク:
9.1[10.2]kg-m/8200rpm
車両重量:192[191]kg(乾)
※[]内は955i後期モデル

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 900/1200 SuperⅢ -since 1993-

デイトナ900

二年後さらに排気量を上げスポーツ性を増した900と1200になったデイトナ。

スペックを見ると当時一世を風靡していたZZR1100と同等の物があるけど実測ではちょっと違ったみたい。

このモデルで特筆すべきは「スーパー3」と呼ばれる限定仕様のモデルでしょう。

デイトナ900スーパー3

見た目の違いはブラックアウトされたマフラーとカーボンフェンダー、そして同じくブラックのラインが入ったテールカウルにSUPER3というロゴが入ったことくらい。でも中身は別物。

あの有名なF1エンジンビルダーのコスワースが手を加えたチューニングマシンで113馬力を叩き出すエンジンになっている。

限定500台でその内、日本に入ってきているのは僅か20台足らずだったとか。

トライアンフすら中々見ないのにこんな超限定車を見る機会は先ず無いでしょうね。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3[4]気筒
排気量:885[1180]cc
最高出力:
113[149]ps/9500rpm
最大トルク:
8.3[11.7]kg-m/8000rpm
車両重量:211[228]kg(乾)
※[]内は1200

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 750/1000 -since 1990-

デイトナ750

次にトライアンフがデイトナと名の付いたバイクを出したのは何と20年以上も経った後だった。

コレには勿論ワケがある。

70年代に入るとそれまで小排気量だけだった日本メーカーが大型バイクに進出し始めた。

すると大型バイクといえばトライアンフかハーレーだった情勢も大きく変わり、「安い」「速い」「壊れない」と三拍子揃った和製大型バイクにどんどんシェアを奪われた。
レースでも結果を残せず、アメリカにおいてもハーレー救済策として高い関税が敷かれるという不運が重なり経営危機を迎え遂に破綻しました。

しかし実業家がそんなトライアンフを拾い上げ「ボンネビルコヴェントリー」と社名を改め再起・・・でもトライアンフの方が知名度も歴史もあると言うことで結局すぐに社名もトライアンフに戻りました。

デイトナ1000フォア

そしてそんな再起をかけ作った車種の一つがこの「デイトナ750トリプル」と「デイトナ1000フォア」です。

デイトナの名を復活させるだけありトライアンフとしては初となるフルカウルスポーツになります。
750は三気筒で1000は四気筒。

勘の良い方はこの750や1000の造り見て何か違和感を覚えると思います。

というのもこのデイトナ750と1000はカワサキの技術提供を受けて作られたバイクなんです。

トライアンフプラットフォーム

サイドカムチェーンのエンジンやダイヤモンドモノコックフレーム、チェーンアジャスターなんてカワサキお得意のエキセン式そのままですね。

この頃のトライアンフはこのカワサキの助力で作ったプラットフォームでほぼ全車種を作っていました。徹底的な部品の共有化「モジュラーコンセプト」というやつです。

歴史を見ると分かりますが、トライアンフは世界大戦の前から目黒製作所(詳しくはWの系譜へ)という日本の大型バイクメーカーと繋がりを持ってたから、カワサキに目黒製作所が吸収合併された後もパイプが残っていたんでしょうね。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3[4]気筒
排気量:749[998]cc
最高出力:
97[120]ps/8750[10500]rpm
最大トルク:
6.7[9.0]kg-m/8500rpm
車両重量:218[235]kg(乾)
※[]内は1000

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Tiger T100R Daytona -since 1967-

タイガーT100Rデイトナ

トライアンフが最初に「Daytona(デイトナ)」と名を付けたバイクがこのタイガーT100R Daytona

そもそも「デイトナ」って何?って思う人も多いと思うので補足から入らせてもらいます。

デイトナという名はトライアンフという老舗バイクメーカー(現存するメーカーとしては最古)が作ったスーパースポーツバイクの読み名です。

名前の由来はアメリカにあるバイク聖地と呼ばれるフロリダ州デイトナから。
何故デイトナがバイク聖地と呼ばれるのかというと、毎年3月の第二週になるとデイトナビーチにバイカー大集合という世界最大級のバイクイベントがあるからです。

デイトナバイクウィーク

毎年ハーレーを筆頭に三万人以上ものバイカーが集合し一週間に渡り占拠して品評会に始まり飲めや食えやのお祭り騒ぎ。
デイトナといえば皆さんご存知の大手バイク用品メーカーのデイトナも同じ名前ですね。このメーカーの名前の由来も同じこのデイトナから取っています。

ただトライアンフのT100Rはもう一つ由来(というかコッチが主な由来)がある。それはここで行われる「世界三大耐久レース」の一つデイトナ200マイルレースです。

というのもこのタイガーT100は1966~67年と二年続けてトライアンフを優勝に導いた記念に作られたマシンのレプリカモデルなんです。

これがトライアンフデイトナの始まりなんですね。

DaytonaT100R

今でこそトライアンフでタイガーと言えばデュアルパーパスクラスを指しますが、最初はスポーツバイクだったんです。更に辿るとタイガーは単気筒がスタートです。

そしてトライアンフはこの勢いそのままにボンネビルを出し、ハーレー独占状態だったアメリカ市場にて初めて成功したバイクメーカーでもあったりします。

エンジン:空冷4サイクルOHV2気筒
排気量:490cc
最高出力:
42ps/7400rpm
最大トルク:
不明
車両重量:不明

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

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