CBR1100XX(SC35後期)-since 2001-

SC35後期

「High-End Super Sports」

強化された排ガス規制に対応するため馬力を152馬力に落とされた最終型のCBR1100XX/SC35後期モデル。

その分リアウィンカーの形状やデジタルメーターへ変更などで質感をアップさせています。

デジタルメーター

そしてもう一つ大きな変更点がこのモデルから国内仕様が追加された事。

100馬力&180km/hリミッターが付いていますが、遮蔽板とマフラーを変えてECUをゴニョゴニョするとセミフルパワー化。

セミというのはカム形状(プロフィール)が国内と輸出仕様で違うというお約束があるから。

CBR1100XX前後

CBR1100XXは2002年にレスポンス改良という年次改良をしたのを最後に2007年の排ガス規制をもって生産終了となりました。

よくよく考えるとリッターオーバーのCBRって後にも先にもこのCBR1100XXだけなんですよね。

ブラバの愛称で親しまれ、いわゆるメガスポ黄金期の一台として今でも再販や後継を望む声は少なくありません・・・が、まあ出ないでしょう。

というのもCBRシリーズのトップを張っているCBR1000RRは”レースでも使う車両”という言い訳が立つ。しかしレースに使えるわけでもないのにレース車両よりもパワーのあるCBR1100XXというのは一般社会から見て良いものには映らないから。

ホンダは業界最大手として社会的責任を過剰なほど持っている非常に厳しいメーカーですから。

国内仕様カタログ

そもそも後継云々の前に、まずホンダからこんなバイクが出たことが奇跡なんですけどね。

これまでホンダから出たとモンスターバイクといえばRC30/RC45/RC51やNR750、RC213V-Sなどレースで使う車両か高額なコレクション的な物しかなかった。

それに対してCBR1100XXは大型バイクとしては常識的な価格(税別110万円)で誰もが買おうと思えば買えるスーパーなバイク。

どうしてこんなバイクが許されたのかと言えば間違いなく開発責任者でありホンダを支え続けた山中さんだったから。そしてそんな山中さんのエンジニアとして最後の仕事、最後の華だったからでしょう。

CBR1100XXコンセプトスケッチ

納得のいくバイクが出来ないと二度もプロジェクトをやり直し、発表時期の大幅な遅れが許されたのも山中さんだったから。

「誰もが買える価格帯」

という取り決めも山中さんの強い意向によるものです。

スーパーブラックバードカタログ

数々の名車を生み出してきた山中さんにとってCBR1100XXがどれだけ強い思いで作られたかが分かる部分があります。

山中さんはCBR1100XXを造られた後に、カブのスイッチを作っていた浜松製作所に戻られ定年退職されました。そしてその後は浜松でバイクカフェをオープンされたのですが、そのカフェの名が・・・

コーヒー ブラックバード

「コーヒー・ブラックバード(http://blackbird147.blog.fc2.com/)」

名前の由来はもちろん最後に開発されたバイクCBR1100XX SUPER BLACKBIRDから。

美味しいコーヒーと共にバイクの深い話も出来るのでバイクライダーの方も大歓迎との事です。大人数で行かれる際はご迷惑にならないように注意してください。

以下は備忘録

Q1. CBR1100XX SUPER BLACKBIRDのコンセプトは?

A1. とにかく楽しいバイクに仕上げることが目標だった。250km/hで風景を楽しむことを念頭に開発した。

Q2. ZZR1100はやはりライバルだった?

A2. 簡潔に答えると「Yes」。ブラバのコンセプトに一番近いバイクがZZR1100だった。ZZR1100が持つネガな部分を徹底的に排除したバイクが理想だった。

Q3. ブラックバード開発で一番苦労した点は?

A3.とにかく軽量化が一番難しかった。特に2軸バランサーによる重量増加の解消が難しかった。しかしZZR1100は振動がネックとなっていたため、2軸バランサーの採用は絶対に外せなかった。

Q4. GSX1300R HAYABUSAが発表された時どう思ったか?

A4. 特に対抗意識は持たなかった。自分の開発したバイクこそ最高のバイクだと確信していた。

Q5. ご自身が携わり続けたV4の可能性はあったか?

A5. 簡潔に答えると「No」。CBR1000Fの後継機としての開発がスタートのため直列4気筒がベースとなった。結局ほとんどを作り直す羽目にはなったが。

Q6. 後継機は開発したかった?

A6. 簡潔に答えると「Yes」。しかし理想のバイクのさらに上を行くバイクの開発はかなりの手探りになったと思う。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1200mm
シート高 810mm
車軸距離 1490mm
車体重量 256kg(装)
燃料消費率 21.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 100ps/8500rpm
[164ps/9500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/6500rpm
[12.1kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9C-9H
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 1,100,000円(税別)
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

【関連車種】
FJR1300の系譜HAYABUSAの系譜ZX-14R/GTRの系譜

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