「Innovative Wonder(驚異の革新性)」
初代CBR600RRことPC37前期型。
先ず何故ホンダがこのようなバイクを出したのかというと、自身がCBR600Fで切り開いたミドルスポーツクラスが欧州で加熱し市販車世界レースの一つのクラス(WSS:スーパースポーツ)になるまでになったことが一つ。
そしてもう一つは世界最高峰レースであるMotoGPが2stから4stに移行したことがあります。
見比べてもらっても分かる通りCBR600RRはMotoGPマシンであるRC211V(ホンダ初の4stGPマシン)を強く意識したデザイン。本当にソックリですよね。
レースやサーキットを強く意識する必要があったためほぼほぼ完全新設計で
・デュアルインジェクション(PGM-DSFI)
・アルミダイキャストシートフレーム
・ユニットプロリンク
などなどホンダの持ちうるレース技術が総動員されたような形になっています。
まず目立つのはやっぱりエンジンで、主要三軸のトライアングル配置は勿論のことエンジンスターターをわざわざ右側に持ってきてジェネレーターを中央へ押し寄せるなど
「とにかく小さく短く細く」
という創意工夫が至る所で行われている。
もちろんパワーも大事でエンジンには
・VTR1000SP譲りの浸炭ナットレスコンロッド(140g減)
・スカートを短く出来る新型スリッパーピストン(8g減)
などを採用。
たかがグラムと思うかもしれませんがピストンとコンロッドというのは往復運動をする最も忙しなく動く部分で、掛け算で膨れ上がっていく慣性重量を軽減しレスポンスを上げるには最も効果的な部分。
足回りもワークス直系の
・アルミ製ハイブリッドスイングアーム
・ユニットプロリンクリアサスペンション
などレース技術のフィードバックにあんまり積極的じゃないホンダらしからぬ本気度が見て取れる直系っぷり。
ここまでやって正立フロントフォークっていうホンダらしさというかCBR900RRを彷彿とさせるこだわりがなんとも面白いんですが、コレはコレでホンダとしては最大サイズとなる極太フルアジャスタブルフロントフォークで安物ではありません。
正立の採用理由は間違いなく軽量化でしょうね。
・・・でもですね、多分CBR600RRを買った人やカッコいいと思ってる人の多くはそんなテクノロジーに惚れたんじゃなくてこのセンターアップマフラーに惚れた人が大半ではないでしょうか。
合理性を何よりも求められるSSにおいて
「カッコいいから」
という至極単純な理由で採用されたセンターアップマフラー。
熱いし重いしマスの中心化に不利・・・なのを補って有り余るカッコよさ。
主要諸元
全長/幅/高 | 2010/695/1115mm |
シート高 | 820mm |
車軸距離 | 1395mm |
車体重量 | 199kg(装) |
燃料消費率 | 29.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 18L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒 |
総排気量 | 599cc |
最高出力 | 69ps/11500rpm [118ps/13000rpm] |
最高トルク | 5.2kg-m/7500rpm [6.7kg-m/11000rpm] |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70ZR17(58W) 後180/55ZR17(73W) |
バッテリー | YTZ10S |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
IMR8C-9H または VUH24D [IMR9C-9H] |
推奨オイル | Honda純正ウルトラG1(10W-30) |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量3.5L 交換時2.6L フィルター交換時2.9L |
スプロケ | 前16|後41 |
チェーン | サイズ530|リンク112 [サイズ525|リンク112] |
車体価格 | 890,000円(税別) ※[]内は逆輸入モデル |