CRF1000L Africa Twin(SD04) -since 2016-

SD04

「True Adventure」

実に15年ぶりの復活となったアフリカツインのCRF1000L/SD04型。

CRF1000Lのエンジン

最大の特徴は52°Vツイン742ccから270°クランク並列二気筒998ccのエンジンになっていること。

これは車体のコンパクト化とマスの集中化を図る狙いがあり、これのおかげでリッターとは思えないほどコンパクトになっています。

CRF1000LとXRV750

もちろん最低地上高を考慮したドライサンプな上に、二軸一次バランサーが付いているので疲労に直結する振動はほぼありません。

そんなCRF1000Lで面白い試みなのがDCTを採用したグレードがあること。

DCT

「アドベンチャーでDCTって・・・」

と思った方も多いかと思います。

悪路になるとどうやっても滑るから意図的に引っ張って地面を掻いたり、半クラやギアチェンを使うシーンも多々あるわけですからね。

これについてはホンダも最初はお試し程度の半信半疑でテストしたんですが、やってみると意外と良い事がわかったから採用する事になりました。

2016アフリカツイン

クラッチレスは良く捉えるとエンジンストールの恐れが無いわけです。

つまりどんなに神経を使う道でもアクセルワークに集中出来る。このメリットが想像よりも大きかった。

ベースとなっているのはVFR-Xの物ですが、もちろんそのままではなくオン/オフどちらも熟せるアフリカツインに合わせてチューニングされた物です。

ABSスイッチ

それに加えアフリカツインは”G(グラベル)モード”というシステムがあります。

DCTは実質ATなので、ギアチェンやアクセルのON/OFF時にはギクシャクしないように半クラ制御が入ります。

この半クラ制御がアクセルで物言わせて走る場合が多い未舗装路では違和感として現れる場合がある。

といってもコンマ何秒の世界なんですが、このGモードはそのコンマ何秒の半クラ状態を更に縮める為の制御。よりアクセルワークをダイレクトに地面に伝える為のモードというわけ。

アフリカツインのカタログ写真

もちろんギアチェンを自動にしないMTモード、引っ張るSモードLv1~3、自動のDモードなど自分でチョイス出来るようにもなっています。

それに走行モードとABSのON/OFFとTCSのモードを組み合わせると・・・

Dモード

全部で80通りの走行モードが・・・ホンダのDCTアドベンチャーへの本気度が見て取れますね。

もちろん従来どおりのMTモデルもあります。

開発責任者の飯塚さんのニュアンスから察するにDCTモデルは本気アタックするような人に向けた機能ではなく、気軽に楽しめるようにした初~中級者向けの機能。

「そんなの要らない」

って上級者の方はMTモデルをどうぞという話。

シルバーアフリカツイン

さて、そもそも何故いまになってアフリカツインが復活したのかというと

・アフリカツインの再販を望む声が多かった

・欧州を中心にアドベンチャーブームが再燃した

・ホンダがダカールラリーに再参戦した

などなど様々な理由がありますが、恐らく一番大きいのはマーケットからの要望と思います。

ちなみに現在はパリダカではなくダカールラリー。

これは治安や政治的な問題で舞台が南米になったから。ちなみにレギュレーションは二気筒450ccまでとなってます。

話を戻すと、アフリカツインはアドベンチャーの中でもかなりオフロード寄りな造り。

フレーム

分かりやすい所で言えばクラストップの21インチFホイールや、クラストップの45mmフロントフォークなど。

明らかにオマケではなく”本気で”オフを走れる様に造ってある。

CRF1000Lスケッチ

メディア向けの試乗会でもわざわざモトクロスコースを用意して走らせてる事を見ても明らか。

その意気込みというか思い切りの良さが伝わったのか、このCRF1000Lは発売一週間で年間販売目標の1000台を超えてしまうほどの人気となりました。

MTとDCTの割合は半々で購入層は40~50代がメインとのこと。

新型タイヤ

やっぱりNXRや旧アフリカツインの世代に人気なんでしょうね。

翌2017年に排ガス規制に対応させ約3馬力アップし、2018年にはマイナーチェンジ。

2018年CRF1000L

・電子制御スロットル
・オートウィンカーキャンセラー
・急ブレーキを後続に知らせるエマージェンシーブレーキランプ
・HSTC(電子制御)の設定幅向上
・リチウムイオンイオンバッテリー
・グリップヒーターとACC電源の標準装備
・上下対応クイックシフター※OP

などのマイナーチェンジが実施され、それと同時に

・大型ワイドスクリーン
・24Lのシームレスビッグタンク
・ステンレス専用キャリア
・フロントガード
・フロントユーティリティポケット
・ストローク量を増やした専用サス

が備えられたCRF1000L AS(Adventure Sports)というグレードが追加。

CRF1000Lアドベンチャースポーツ

専用サスペンションの関係でただでさえ常人には厳しい足つきだったのに、更にシート高が60mm上がるというガチンコ仕様なんですが流石にそこら辺はホンダも考慮しており、ASモデルにはサスストロークを縮めてシート高を60mmつまりノーマルと同じシート高にしたLD(Low Down)モデルが用意されました。

こちらが非常に人気だったみたいですね。

最後に・・・

アフリカツインは非常に高い評価と人気を獲得しています。

2016アフリカツイン

その理由は

『NXR~アフリカツインというブランド』

『ダカールラリーからのフィードバック』

といった事もあるでしょうが、一番の理由は車体設計を担当された山倉(写真中央)さんにあると思います。

開発メンバー

山倉さんは子供の頃にパリダカを見てラリーに目覚め、そして砂漠の女王NXRの快進撃に感動し、旧アフリカツインを購入し、ホンダに入社することを決意された方。

そして希望通りホンダに入社してからも

「アフリカツインの設計がしたい。現代技術のアフリカツイン造りたい。」

と、ずーっと言い続けていた。

もうアフリカツインを造るためだけにホンダに入社した様な方で、念願のアフリカツイン復活プロジェクトがスタートした瞬間からヤル気が炎に。

コンセプトスケッチ

自身が担当する事となった車体設計はもちろん、エンジンも妥協したくないとHRCでMotoGPにも携わっていたスペシャリストの飯田さんを呼び寄せ、デザイナーの小松さんにはアフリカツインらしさを力説。

そしてオフに明るくないメンバーと意思疎通するために、自己所有の旧アフリカツインを持ち出し社内のエンデューロ大会に出場。

エンデューロ大会

その活動を始めたおかげでメンバー全員がアフリカツインがどういうバイクなのか、アフリカツインの魅力が何なのか、エンデューロが如何に楽しいかを共有することが出来た。

それどころか山倉さんの熱にやられてアフリカツインを自費で購入するメンバーが6人も出る始末。

誰よりもアフリカツインに思い入れがある山倉さん、そしてその思いを共有したメンバーによって開発されたCRF1000L Africa Twin。

2016アフリカツイン広告

アフリカツイン愛溢れる人達が造ったら、そりゃ良いアフリカツインが出来るわって話。

※2019年:ETC2.0を標準装備化

主要諸元
全長/幅/高 2335/930/1475mm
{2330/930/1475mm}
シート高 870~850mm
車軸距離 1505mm
車体重量 232kg(装)
[242kg]
{230/240kg(装)}
燃料消費率 21.6km/L
{21.1km/L}
※WMTCモード値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルOHC二気筒
総排気量 998cc
最高出力 92ps/7500rpm
{95ps/7500rpm}
最高トルク 9.7kg-m/6000rpm
{10.1kg-m/6000rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/90R21(54H)
後150/70R18(70H)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SILMAR8A9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.9L
交換時3.9L
フィルター交換時4.1L
[全容量5.2L
交換時4.2L(フィルター交換時)
交換時4.2L(クラッチ交換時)]
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ525|リンク124
車体価格 1,250,000円(税別)
[1,350,000円(税別)]
※[]内はDCTモデル
※{}内は2019年モデル
※ASは+10kg
系譜図
XL5001979年
XL500S/R
(PD01)
XL600Rファラオ1985年
XL600R PHARAOH
(PD03)
XLV750R1983年
XLV750R
(RD01)
RS750D1983年
RS750D/NS750
NXR7501986年
NXR750
トランザルプ1987年
TRANSALP
(PD06)
(RD10/11/13/15)
XRV600アフリカツイン1988年
Africa Twin
(RD03/04/07)
バラデロ1999年
VARADERO
(SD01/02)
CRF1000L2016年

CRF1000L
Africa Twin
(SD04)

CRF1000L2019年

CRF1100L
Africa Twin
(SD10)

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